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  1. 長野県議会 2022-09-28
    令和 4年 9月定例会本会議-09月28日-02号


    取得元: 長野県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    令和 4年 9月定例会本会議-09月28日-02号令和 4年 9月定例会本会議 令和4年9月28日(水曜日)  出席議員(55名)   1 番 望月義寿    28 番 両角友成   2 番 小林君男    29 番 清水純子   3 番 小林あや    30 番 小池久長   4 番 原 健児    31 番 丸山大輔   5 番 清水正康    32 番 酒井 茂   6 番 加藤康治    33 番 堀内孝人   7 番 川上信彦    34 番 石和 大   8 番 山田英喜    35 番 依田明善   9 番 大井岳夫    36 番 小島康晴   10 番 花岡賢一    37 番 小林東一郎   11 番 池田 清    38 番 毛利栄子   12 番 熊谷元尋    39 番 和田明子   13 番 百瀬智之    40 番 諏訪光昭   14 番 山口典久    41 番 山岸喜昭   15 番 小山仁志    42 番 丸山栄一   16 番 丸茂岳人    43 番 小池 清   17 番 竹内正美    44 番 宮本衡司
      18 番 竹花美幸    45 番 清沢英男   19 番 宮下克彦    46 番 鈴木 清   20 番 大畑俊隆    47 番 高村京子   21 番 共田武史    48 番 宮澤敏文   23 番 荒井武志    49 番 西沢正隆   24 番 埋橋茂人    50 番 風間辰一   25 番 続木幹夫    51 番 佐々木祥二   26 番 中川博司    52 番 向山公人   27 番 寺沢功希    54 番 本郷一彦   55 番 萩原 清    57 番 望月雄内   56 番 服部宏昭  欠席議員(2名)   22 番 髙島陽子    53 番 平野成基         ─────────────────── 説明のため出席した者   知事        阿部守一    林務部長      吉沢 正   副知事       関昇一郎    建設部長      田中 衛   産業政策監     伊藤一紀    建設部リニア整   斎藤政一郎   危機管理部長    前沢直隆    備推進局長   企画振興部長    清水裕之    会計管理者兼会   総務部長      玉井 直    計局長       鈴木英昭   県民文化部長    山田明子    公営企業管理者   県民文化部こど   野中祥子    職務執行者・企   須藤俊一   も若者局長             業局長   健康福祉部長    福田雄一    財政課長      高橋寿明   環境部長      猿田吉秀    教育長       内堀繁利   産業労働部長    林 宏行    警察本部長     小山 巌   観光部長      渡辺高秀    監査委員      田口敏子   農政部長      小林安男         ─────────────────── 職務のため出席した事務局職員   事務局長      村松敏伸    議事課主査     風間真楠   議事課長      矢島 武    総務課担当係長   津田未知時   議事課企画幹兼           総務課主事     浜村幸宏   課長補佐      蔵之内真紀   議事課担当係長   矢島修治         ───────────────────  令和4年9月28日(水曜日)議事日程    午前10時開議    各党派代表質問及び知事提出議案に対する質疑    仮議長の選任を議長に委任する件(日程追加)      ─────────────────────────  本日の会議に付した事件等    諸般の報告    仮議長の選任を議長に委任する件    各党派代表質問及び知事提出議案に対する質疑         午前10時開議 ○議長(丸山栄一 君)これより本日の会議を開きます。  本日の会議は、各党派代表質問及び知事提出議案に対する質疑であります。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △諸般の報告 ○議長(丸山栄一 君)次に、諸般の報告は、お手元に配付したとおりであります。朗読は省略いたします。       〔議案等の部「2 諸般の報告」参照〕          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○議長(丸山栄一 君)次に、髙島陽子副議長から本日より10月3日まで欠席する旨の届け出がありましたので、報告いたします。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △仮議長の選任を議長に委任する件 ○議長(丸山栄一 君)次に、副議長の欠席に伴い、仮議長の選任を議長に委任する件を本日の日程に追加し、その順序を変更いたします。  本件を議題といたします。  お諮りいたします。地方自治法第106条第3項の規定により、仮議長の選任を議長に委任願いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(丸山栄一 君)御異議なしと認めます。よって、仮議長の選任につきましては議長に委任されました。  それでは、本日から10月3日まで、仮議長に宮本衡司議員を選任いたします。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △各党派代表質問及び知事提出議案 ○議長(丸山栄一 君)次に、各党派代表質問及び知事提出議案を議題といたします。  お手元に配付いたしましたとおりの議員から各党派代表質問及び知事提出議案に対する質疑の通告がありましたので、報告いたします。朗読は省略いたします。  順次発言を許します。  自由民主党県議団代表風間辰一議員。       〔50番風間辰一君登壇〕 ◆50番(風間辰一 君)自由民主党県議団、風間辰一でございます。自由民主党を代表いたしまして、順次質問をしてまいります。  令和の時代に入り、全国的に豪雨等による自然災害が頻発し、我が県においても、令和元年10月には、令和元年東日本台風をはじめとする尊い人命や財産が失われる甚大な被害や、局所的激甚災害が数多く発生しております。  また、令和2年からは新型コロナウイルス感染症への対応が始まり、本年9月現在においても、いまだ人類とウイルスとの闘いは収束を見せておらず、県民、事業者は、生命と暮らしと経済活動の再興に大きな影響を受け続けております。  本年2月には、ロシアによるウクライナ侵攻等による影響により、かつてない急激な原油価格、物価高騰とともに、国民、県民の生活、社会経済活動に必要な物資の供給への懸念が発生。 また、円安など折からの経済の疲弊に対してさらに輪をかけた多重苦難が積み重なり、先行きが見通せない時代となっております。  しかしながら、こうした時代であっても、新たな成長の兆しとして、デジタルトランスフォーメーション、グリーントランスフォーメーションをはじめとする技術革新を活用したイノベーションの創出や、オンライン消費の増加、医療・教育分野等におけるオンラインの進展、テレワークなど働き方改革、東京一極集中の是正などに、大きな時代の変化を伴って、人々の意識、行動が変容するとともに、新たな社会経済活動が生まれております。  こうした時代において、先見の明を持って、国内のみならず世界情勢も踏まえ、我が県においても、新型コロナウイルス感染症対策に加え、原油価格、物価高騰等への対応とともに、少子化、脱炭素化、産業振興、農林業、医療・介護、地域交通等のあらゆる分野の課題に対して果敢に挑戦し、解決することによって、県民の暮らしや安全を守るとともに、我が県のさらなる発展を目指した取組が求められていると考えます。  また、課題解決に当たっては、県民の声に真摯に耳を傾け、時に国に対し果敢に改革を求める姿勢が求められます。特に、昨今の新型コロナウイルス対策においては、全国知事会だけでなく、各都道府県の知事の活躍に脚光が当たるなど、様々な場面において、これまで以上に知事の活躍と地方自治体に対する期待が高まっていると思うのであります。  そこで、まず、4期目に臨む知事の基本姿勢について伺います。  新型コロナウイルス感染症の蔓延やロシアによる軍事侵攻などこれまでに誰もが予想しなかった事態が発生する時代の中、知事におかれましては、長野県知事選挙において、県民からこれまでの県政運営が評価されるとともに、今後の活躍が期待されて、4期目の当選を果たされ、今後4年間のかじ取りを県民から委ねられたところであります。  長野県の社会経済を発展させるとともに、県民の安全、安心な暮らしを守っていくためには、これまで以上に県民や事業者の声に耳を傾け、熱意を持って県政の課題解決に向けた取組を求めたいと思います。  そこで、知事は、新型コロナウイルス感染症とともに、原油価格、物価高騰、円安等現在の世界情勢に置かれた日本と我が県の状況をどのように捉えているか。また、こうした状況が我が国、我が県に与える影響をどのように考えるか。その上で、長野県のあるべき姿をどのように考え、県民の確かな暮らしを確保し、豊かな社会を実現させていくのか。4期目の県政運営に対する意気込みと併せ、御所見を知事に伺います。  また、今回の選挙は前例のないコロナ禍における選挙活動となり、十分に県民との意見交換ができなかった部分もあったかと思われますが、選挙期間中の県民の声をどのように受け止め、4期目の県政運営に生かそうとされるのか。知事に伺います。  また、本年度は、現在の長野県総合5か年計画であるしあわせ信州創造プラン2.0の最終年度となっておりますが、この5年間で、さきの経過を踏まえ、振り返ると、時代が大きく変化したと考えます。  知事は、今般、「スタートダッシュ・アクション2022」を打ち出し、対話と共創の県政の実現や確かな暮らしを守り抜く観点などから、速やかに取り組む10項目とともに、選挙公約の121項目を原則として次期総合5か年計画に反映することを基本姿勢とすると表明されております。現在の総合5か年計画に対する評価とともに、来年度から始まる現在策定中の次期総合5か年計画の狙いや思いとともに、この困難に直面する時代にあって、どの分野に重点的に取り組み、どのように県政運営に反映していくお考えか。知事にお伺いいたします。  次に、医療提供体制について伺います。  新型コロナウイルス感染症対策について、県による医療提供体制の拡充等のみならず、県民、市町村、医療機関等の関係者が一丸となって取り組み、我が県の感染状況についても、現在、第7波のピークから減少の傾向が見られる状況となっております。  しかしながら、これまでの道のりにおいて、感染者の急増に伴い、医療機関や保健所の業務逼迫を招くなど、感染症の対応における課題も明らかになったところであります。  こうした状況において、政府は9月26日に、従来からの新型コロナウイルス感染者の全数届出に関して全国一律に見直しを行い、重症化リスクの高い感染者に限定する対応に変更となり、これに伴い、県においても見直しを行ったところであります。  今回の見直しが医療従事者や保健所業務の逼迫の軽減につながり、命の危険の回避や、重症化リスクの高い方々に対する治療につながっていくことを願うとともに、新型コロナウイルス感染症を恐れながらも特別視しない、日常化に向けた感染症対策の大きな転換点でもあると考えております。  しかしながら、新型コロナウイルスは、いまだ特効薬と呼べる治療薬はなく、容体急変への対応、重症化リスク患者の把握漏れがないようにすることが重要であります。  県は、これまでも、医療・検査体制等の拡充やワクチン接種の促進、基本的な感染防止対策の徹底の周知などに取り組んでおり、今般の第7波においては県民に強い行動制限を求めることまではしておりませんが、今後も行動制限を求めずに基本的な感染防止対策を維持しながら、県民の命と健康を守りつつ、社会経済活動の再興を実現するためにどのような方針で遂行されようとするか。知事に伺います。  今回の補正予算においても、新型コロナウイルス軽症者等受入施設等確保事業として15億円余りを計上しておりますが、今後どのような医療提供体制等を整えていくのか。また、全数届出の見直しに関するメリット、デメリット、及びデメリットがあるとすればデメリットを補う方策について健康福祉部長に伺います。  あわせて、新型コロナウイルス感染症対策の重要な柱であるオミクロン株対応型ワクチンについて、県においても、明日9月29日から集団接種が始まるとのことでありますが、今後の県の接種に関する方針や体制について、また、今後の見通しについて伺います。  新型コロナはいまだ収束をしておりませんが、国は人口減少や高齢化を見据えた医療提供体制を築くため、都道府県に対して、令和5年度末までに地域医療構想に関して対応方針策定や地域合意を求めております。新型コロナウイルス感染症の対応の検証とともに、県の面積が広く医療資源が少ないなど我が県の特性を踏まえた地域医療構想が必要と考えておりますが、現在の地域医療構想の検討状況について健康福祉部長に伺います。  次に、原油価格・物価高騰対策とともに産業政策について伺います。  新型コロナウイルス感染症による社会経済活動への影響から回復を目指す中、ウクライナ情勢等による原油価格、物価高騰等は、企業活動の停滞や消費者の購買意欲の低下など、産業や人々の暮らしに大きな影響を与えております。  こうした中、我が県においても、本年6月に長野県価格高騰緊急対策の第一弾を実施して、県民及び事業者に対して緊急的な支援を実施してきたところであります。  そこで、長野県価格高騰緊急対策の第一弾による取組内容とその効果についてどのように評価しているのか。知事に伺います。
     また、今般の9月補正において、長野県価格高騰緊急対策の第二弾として約77億円が計上されておりますが、物価高騰が長期化する中、第一弾との相違点と必要性について、また、今後さらに求められる物価高騰対策としてどのような対策を講じるべきと考えるのか。県民の暮らしを守っていくためにさらなる経済対策も必要と考えるか。知事の御所見を伺います。  急激な原油・物価高騰に対しましては緊急的な対策が重要と考えておりますが、コロナ禍や物価高騰による危機的な状況を乗り越えて豊かな県民生活を実現するためには、成長産業の育成や産業の生産性向上による県民所得向上が不可欠であります。DX推進や新技術の積極的な導入とともに、本年4月に設立された長野県産業振興機構による支援などを通じて企業の生産性向上に取り組んでいるところと考えておりますが、長野県産業のあるべき姿とともに、県内企業のさらなる生産性向上に向けてどのような支援を行い、賃金向上に結びつけていくのか。知事に伺います。  次に、観光政策について伺います。  現在、政府は全国規模の旅行需要の喚起策である全国旅行支援を10月11日に開始するとともに、同日から水際対策も緩和し、外国人観光客を取り込むため日本への入国者数の上限撤廃や個人旅行の解禁を表明するなど、インバウンドも見据えた取組が求められている状況であります。  一方、観光産業においても、これまでのコロナ禍への対応だけでなく、今般の燃料費、電気料金など物価高騰等の影響を踏まえた対策が必要と思われます。  コロナ禍で大きく疲弊した観光関連産業からは、1人当たりの旅行消費額が大きいインバウンドに対する期待が高まっている状況にありますが、新型コロナウイルス感染症の影響とともに、原油・物価高騰の影響を受けている我が県の観光産業の現状をどのように認識し、これまでの取組に加え、今般の9月補正によってどのような効果が見込まれると考えるのか。知事に伺います。  観光立県長野の本格的な観光産業の回復、発展には、海外の観光客や外国人観光客の増加が不可欠でありますが、日本国内だけでなく世界にアピールできる魅力ある観光地域づくりを行うとともに、積極的に情報発信していくことが重要と考えております。インバウンドも見据えたより一層の観光立県長野の魅力向上や情報発信についてどのような方針を考えているのか。 知事に伺います。  今後、観光地域づくりや観光プロモーションの財源として観光客に税負担を求めることを研究するとのことでありますが、受益者負担の観点から、観光客に税負担を求め、魅力ある観光地域づくりを進め、観光地域の魅力を高めることは重要と思われます。  また、県内は、どこの地域であっても魅力ある観光地になり得る場所であり、県が主導して観光税の検討を進めるべきものと考えますが、我が県におけるこれまでの観光税についての検討状況や他の自治体の導入状況等を踏まえ、我が県における観光税の姿、仕組みについてどのようなものを考えているのか。今後の検討スケジュールも含め、知事に伺います。  次に、林業政策について伺います。  我が県の森林面積は県土の約8割を占めており、全国第3位の森林面積を有しておりますが、森林資源は林業・木材産業として、我が県に豊かさをもたらすのみならず、緑の社会資本として生物多様性や県土の保全など多面的機能を有するとともに、大気中の二酸化炭素を吸収するなどカーボンニュートラルの実現にも資するものであり、林業政策は我が県にとって重要な施策の一つと考えております。  今般のウクライナ情勢等から、現在様々な資源、製品等の価格が高騰しておりますが、木材の不足や木材価格についても高止まりしている状況は、木材価格の長期低迷等を経験した我が県にとって県産材の利用拡大の好機であるものと考えております。  今般の物価高騰を踏まえ、9月補正において信州健康ゼロエネ住宅の建築を促進するため、県内工務店に対して建築価格高騰分の一部を助成する制度を緊急的に設けたことは評価するところでありますが、現在の県の林業の現状についてどのように認識し、今後の林業政策の展開についてどのように考えているのか。知事に伺います。  次に、森林づくり県民税について伺います。  我が県では、森林の恩恵を受けている県民全体で森林づくりを支える仕組みとして、平成20年度から森林づくり県民税を導入しておりますが、令和6年度から国税としての森林環境税が始まることが予定されております。  一方、森林づくり県民税については、本年度が第3期の終了年度に該当しておりますが、本定例会の開会日の9月22日には、知事は、森林づくり県民税について令和5年度以降も継続される意思を表明されたところであります。  また、同日、県から長野県森林づくり県民税に関する基本方針案が示され、県民からの意見の募集を開始されたところでありますが、改めて国税としての森林環境税と森林づくり県民税の目的、使途などの違いを示すとともに、森林づくり県民税のこれまでの実績と、継続の判断をするに至った思い、意図等について知事に伺います。  森林づくり県民税については、厳しい社会経済情勢の下、県民から税金として徴収しているにもかかわらず、人材不足や様々な事由により、貴重な財源を活用し切れなくなっている部分があるのではないかとの懸念材料も残ります。  平成30年度からの森林づくり県民税については、手入れの遅れている里山整備に加え、防災・減災等の里山整備、教育や観光等多面的な森林の利活用に森林づくり県民税の使途を広げておりますが、継続の検討を契機として、次期の森林づくり県民税については、より一層活用しやすいものとなるよう、間伐推進を旨としながら、使途の拡充の観点をもって議論されていくことを期待するものであります。  長野県森林づくり県民税に関する基本方針案では、県民税を活用して実施する必要性が高い施策が四つ掲げられておりますが、その中で、再造林の加速や県民が広く親しめる里山づくりなどが新たな取組として示される一方、これまでの取組の達成状況等を考慮して見直す取組として、河畔林の整備や道路への倒木防止などの取組が挙げられております。  次期森林づくり県民税に関して、使途の拡充も含めてどのような議論を経て次期森林づくり県民税を活用する取組内容案を定めたのか。基本方針案の内容とともに、次期森林づくり県民税を活用する取組の内容、目的、効果等について、及び使途の拡充についての考え方を知事にお伺いします。  次に、物価高騰に直面する農家支援について伺います。  我が県にとって農業は基幹産業であり、農産物の種類は、米、果樹、野菜、花卉、畜産、キノコなど多岐にわたっておりますが、我が県の農産物の作り手である農家は、飼料、肥料、農薬、燃料、資材、ビニール、段ボールなどあらゆる農業生産資材の高騰に直面し、今般の物価上昇が農業を営む上で大変な重圧になっているものと考えております。  こうした中、我が県においても、長野県価格高騰緊急対策第一弾を実施してきたところでありますが、この未曽有の危機において農家の方々が今後も安定した経営を営むには、これまで以上に県の総力を結集してあらゆる対策を講じていく必要があるものと考えます。  県に対して農業団体等から切実な声が届いていると思われますが、今般の長野県価格高騰緊急対策第二弾において、肥料価格高騰やキノコ培地資材価格高騰に対する支援策などが盛り込まれておりますが、どのような効果を期待して支援を行っていくのか。あわせて、厳しい外部環境にあっても稼ぐことができる強い農業を推進する必要がありますが、そのための今後の農政部の施策展開について農政部長に伺います。  次に、脱炭素社会の実現について伺います。  脱炭素社会の実現に向けては、令和2年9月定例会において、長野県脱炭素社会づくり条例を議員提案し、可決しております。この条例は、2050年度までに二酸化炭素排出量を実質ゼロにすることを目標に、県民、事業者、行政等あらゆる主体が一丸となって持続可能な脱炭素社会づくりを推進することを期して制定いたしました。  我が県においては、令和3年1月に、全国のSDGsの取組を加速化させる「SDGs全国フォーラム長野2020」を主催し、同年6月には長野県ゼロカーボン戦略を策定し、二酸化炭素を含む温室効果ガス正味排出量を2030年度に6割減、2050年度に実質ゼロを目指しているところであります。  また、この間、政府は、令和3年6月に国・地方脱炭素実現会議において地域脱炭素ロードマップを作成しておりますが、このロードマップの副題は、「地方からはじまる、次の時代への移行戦略」とされており、脱炭素の取組において地方の役割がますます重要となっております。  さらに、知事におかれましては、全国知事会において脱炭素・地球温暖化対策本部長として活躍され、自治体の脱炭素分野においてリーダーシップを発揮されているものと推察いたします。今後も、脱炭素社会の実現に向けて全国に先駆けた取組を我が県は進めていくものと期待しておりますが、脱炭素社会の実現に向けた熱意、思いについて知事に伺います。  あわせて、脱炭素社会の実現に向けて、企業、学生、行政など多様な主体が参画し、ゼロカーボン社会の実現を目指すゼロカーボン社会共創プラットフォームに関して、その構想、方針、期待する役割等について知事に伺います。  次に、長野県ゼロカーボン戦略の工程表について伺います。  近年、気候変動の影響による災害が頻発化、深刻化する中、社会経済への影響を最小限とするためには、脱炭素社会を一刻も早く実現しなければならないと考えております。  また、県は、長野県ゼロカーボン戦略において、二酸化炭素を含む温室効果ガス正味排出量について、2030年度に6割減を実現する意欲的な目標を掲げ、重点方針に基づき脱炭素化社会の一刻も早い実現を目指しておりますが、具体的な工程表がないように思われます。  例えば、工事等においても、工程表を作成して予定や進捗を見える化し、進捗管理を行っておりますが、長野県ゼロカーボン戦略においても、具体的な工程表を作成することによって工程を見える化し、それを県民と共有していくことによって、より県民の理解と協力を得やすく、着実に目標を実現しやすくなるものと思われます。2030年度までの着実な目標実現に向けて、長野県ゼロカーボン戦略に関して具体的な工程表を作成し、進捗管理していくべきと考えますが、環境部長の見解を伺います。  次に、温室効果ガス排出量の把握方法について伺います。  ゼロカーボン戦略の推進に関連して、環境省は、温室効果ガス排出量の算定について複数の算出方法を例示しているものの、実際の算定については自治体の判断に任せるとしており、現在は統一された基準、仕組みがない状況と言えると思われます。温室効果ガス排出量の算定に関しては統一したものがなく、温室効果ガスの排出量の正確な数値が把握できなければ各自治体で推進している脱炭素の取組も困難となることが懸念されます。  一方、地域における電気・ガス事業者は地域の人々にエネルギーを販売しており、市町村単位でエネルギー消費量を正確に把握することが可能ではないかと考えております。  こうした状況を踏まえ、脱炭素社会の実現に向けて、県から、県内にエネルギー販売を行う電気・ガス事業者に対して、市町村ごとのエネルギーの販売量のデータを提供してもらう仕組み、協力体制を構築することができないかと考えます。県からこのような取組を進めることができないか。副知事に見解を伺います。  次に、交通政策について伺います。  鉄道は、地域と地域を結びつけ、全国的な交通ネットワークを形成するとともに、通勤通学や高齢者等の地域住民にとり大切な交通手段であるだけでなく、観光資源としての特性を有し、エネルギー効率が高く環境負荷の低いカーボンニュートラルに資する交通手段でもあります。  一方で、地域では、人口減少に加え、新型コロナウイルス感染症等による影響により利用客が落ち込み、厳しい経営環境や赤字路線が生じていることも事実であります。また、公共交通に関しては、鉄路のみならず、バスやタクシーなどの交通手段についても地域を支える交通インフラとして重要でありますが、鉄道同様に厳しい経営環境にあることを前提に、利便性の向上や利用者の増加の取組が必要であると考えます。  そこで、知事は、県における交通政策を総合的に推進する体制を強化するため、企画振興部に新たに交通政策局の設置を検討するとのことでありますが、交通政策局を設置する意図、狙いとともに、期待する役割等について伺います。  次に、国の有識者会議が示した特定線区再構築協議会(仮称)に関して、この協議会に対する認識とともに、県内の鉄道路線においてこの協議会の設置を要請する対象路線があるのか。 また、特定線区再構築協議会(仮称)の設置の対象となるか否かにかかわらず、厳しい経営環境に置かれた県内の私鉄、第三セクターも含めた鉄道路線の維持発展に対する県の役割、責任は重要と考えますが、県の地方鉄道に対する支援に関する基本的な方針について、併せて知事に伺います。  また、県は、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律に基づき、令和3年11月に第1回長野県地域公共交通活性化協議会を開催し、長野県地域公共交通計画の策定を進めておりますが、この協議会と特定線区再構築協議会との位置づけの違いとともに、官民連携による持続可能で最適な地域公共交通システムの構築に向けてどういった議論がなされているのか。地域における公共交通をめぐる課題についても十分な議論がなされているか。その議論を踏まえ、どのような地域公共交通計画を策定しようと考えているのか。企画振興部長に伺います。  地域公共交通に関連して県内を見渡したところ、バス料金の支払いに使うICカードについて、利便性向上に向けて全国で利用できる交通系ICカードとの連携の協議を進めている動きがありますが、県の地域公共交通のキャッシュレス化を推進する事業において、全国で利用できるSuica機能を有する交通系ICカードの連携に向けた導入経費が支援の対象外となっております。  バス等交通事業者は、コロナ禍によって大変厳しい経営環境にある中、市町村のみの支援にとどまり、必要な投資にちゅうちょすることがないよう、公共交通の利用者増の促進の観点からも県による支援が必要ではないかと思われます。県内バス事業者による全国規模のICカードとの連携に向けたシステム更新等には多額の費用等の発生が見込まれることから、市町村やバス事業者への財政措置を含めた支援の拡充ができないか。企画振興部長に伺います。  次に、少子化対策について伺います。  我が県においても令和3年の出生数が過去最少を記録しておりますが、少子化の進行は、地域経済の規模の縮小、地域活動や産業の担い手の減少等、地域社会の持続可能な発展を困難にするものであります。  こうした認識の下、本年3月には、地域社会全体が総力を挙げて少子化対策を推進し、結婚、妊娠、出産及び子育てに関する県民一人一人の希望をかなえることのできる社会の実現を期して、県民の希望をかなえる少子化対策の推進に関する条例を議員提案により制定したところであります。  また、本年3月には、県と77の県内市町村が若者・子育て世代を応援するための施策を共に推進する「若者・子育て世代を応援共同宣言」を、知事、市長会長、町村会長の三者で行うとともに、県と市町村が一体となって集中的に取り組む方向性を「若者・子育て世代応援プロジェクト」として取りまとめ、少子化対策を進めてきております。  本年4月から、県、市町村が一丸となって少子化対策について集中的な取組を開始したところでありますが、県においても、プロジェクト策定後、初めての当初予算編成の時期を迎えることになりますが、現在の少子化対策における集中的な取組や課題、今後講じるべき対策等について知事に伺います。  次に、大学等への進学を応援する給付型奨学金制度の創設について伺います。  本年3月の議会提案である県民の希望をかなえる少子化対策の推進に関する条例の制定を受けて、今年度より、県においては、奨学金返還支援制度導入企業サポート事業を開始しております。この事業は、働きやすい職場環境を有し若者の定着が見込まれる県内優良企業の増加等を目的に、従業員への奨学金返還支援制度を設ける県内企業等に対し負担額の一部を助成するものであります。  令和5年度から開始予定の奨学金返還支援制度導入企業への補助金支給に向けて、今年度は、県内企業及び学生等への周知広報活動を実施しているところでありますが、知事は、公表された「スタートダッシュ・アクション2022」において、一定年収未満の世帯で大学等への進学を希望する若者に対する給付型奨学金の創設を検討するとのことであります。教育の格差是正に向けて給付型奨学金の創設を検討することを大いに評価するところであります。  この給付型奨学金の原資は、東京都で県内出身の男子学生寮、信濃寮の運営を行っていた公益財団法人信州学生協会様から、令和3年3月末の信濃寮の閉鎖に伴い、同協会の財産処分後の約5億円を県に御寄附いただき県が基金設立したものでありますが、これを契機として、世帯年収にかかわらず、県外へ進学した若者が戻ってきやすいよう、奨学金の受給者を広く施策展開し、人口流出に歯止めをかけ、少子化対策をさらに強化すべきものと考えます。  この給付型奨学金に世帯収入による制限を設けず、長野県出身の学生は世帯収入にかかわらず県外へ進学する際の学費を心配する必要はない。ただし、奨学金の受給要件として長野県に戻ってくるという条件を付して、長野県に戻り、家庭を持ち、学びを地域社会・経済に還元してもらう。このような手厚い環境整備を施すことが少子化対策と県内産業界の人材確保において極めて重要と考えております。  そこで、現在検討している給付型奨学金の創設をきっかけに、給付型奨学金についてさらに世帯収入に制限を設けないといった対象を幅広くしていく仕組みとする考えはあるのか。知事に伺います。  次に、災害に強い県土づくりについて伺います。  近年、気候変動の影響により気象災害が全国的に激甚化、頻発化しております。また、高度成長期以降に集中的に整備されたインフラの老朽化も加速度的に進行しており、適切に対応することが求められております。  こうした中、県においても、国の防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策を積極的に活用し、道路、河川、砂防施設等のインフラの強靱化を進めるとともに、ハード対策だけでなくソフト対策も含めた災害に強い県土づくりに取り組み、県民の生命、財産を守り、社会の重要な機能を維持する必要があります。  そこで、県土の安全性を高めるために、今般の9月補正予算による効果も含め、必要となる県土の強靱化対策の進捗と今後の対策について建設部長に伺います。  次に、国道19号の代替道路整備について伺います。  令和3年7月6日に、国道19号の長野市篠ノ井小松原地籍において地滑りが発生いたしました。この地滑りによって国道19号が一時全面通行止めになり、その後も、日中は片側交互通行、夜間が全面通行止めになるなど、小松原地籍以西にお住まいの方々にとりまして、長野市街地への通勤通学など日常生活において大変な不便が生じたところであります。また、この通行止めの迂回路として長野市街地に通勤通学するルートは残されていたものの、迂回路は県道であり、狭隘で時間がかかるルートであって、地域住民の方々の生活に相当な支障が生じたところであります。  その後、長野国道事務所、土尻川砂防事務所等が復旧工事を進め、片側交互通行が全面解除され対面通行が可能となったのは本年2月1日となり、半年以上の期間が経過した後となっております。しかしながら、これは道路が復旧しただけであって、地域の方々にとって狭隘で不便な迂回路しかないという現実は現在も変わらぬ事実であり、地滑り対策は講じられたものの、この唯一の根幹道路に同様の地滑りが再び起こり、長期間通行止めになり得ることも想定されるところであります。やはり、国道19号に関しては、代替するバイパス的な道路を整備しなくてはならないと考えます。  国道19号は、通勤通学の重要な道路というだけでなく、企業活動や観光面、物流においても重要な道路であり、長野地域と大北地域を結ぶのみならず、一度通行止めになれば、その影響は、県外との産業活動、観光等にまで及ぶものであることは今回の経験でより深く認識されることになったと思うところであります。  現在、国道19号から北に向かう県道として、小川、鬼無里、戸隠、南北ルートを結ぶ県道36号信濃信州新線という道路がありますが、この県道の狭隘な部分について拡幅、改良等の必要な整備を行って、長野圏域西北縦貫道路とも呼ぶべき道路として整備することが最も経済効率的かつ地域の利便性の向上と、点であった観光資源を掘り起こし、観光地域として面的地域再生を担う役割を果たすと考えます。国道19号の信州新町地籍付近を起点として、少なくとも県道36号信濃信州新線が国道406号と交わる部分までの整備を行い、鬼無里、奥裾花に行けるバイパスとして機能する道路を整備する必要があります。  さらに、この道路を整備推進することによって、国道406号が国道19号の災害時の代替道路として機能するだけでなく、さらに北に続く戸隠、信濃町インターへと通じる現在の県道を整備し、利活用することによって、高速ともアクセスが可能となるばかりでなく、現在、東西方向のみの長野――戸隠間、長野――信州新町・小川村等西山間、長野地域から大北地域を結ぶルート上に太い南北の縦糸を通すことで広域観光に資する骨太な道路網として機能するものであります。  復旧したらそれで終わりではなく、また再び来るであろう不便をかけないためにどうすべきか。中山間地に住む方々の思いに寄り添うことこそが県が果たすべき役割であり、このような国道19号長野西部地域から北に貫く縦貫道路の整備が幾度となく続いたつらい経験を踏まえてもなお中山間地に住み続けていかれる地域の方々への日々の思いに寄り添った道路建設行政と考えます。今回、これを契機に整備促進を強く提唱いたしますが、この長野圏域の西北部を縦貫する道路の計画と整備についての考え、方針について建設部長に伺います。  次に、流域治水について伺います。  我が県は、豪雨による被害として、令和元年10月の台風19号災害により千曲川が決壊し、尊い人命が失われるとともに、甚大な被害が発生しておりますが、日本海に注ぐ信濃川、太平洋に注ぐ天竜川など8水系があり、1級河川は738河川で、総延長が5,111キロと長く、急峻な地形や脆弱な地質等の自然条件、また、昨今のゲリラ豪雨等から毎年のように水害が発生しており、河川整備をはじめとした治水対策は重要であると考えております。  国は、従来の堤防補強や護岸整備などの治水対策に加え、河川の流域のあらゆる関係者の協働により流域全体で取り組む流域治水へ展開しておりますが、我が県の流域治水の取組の象徴としては、本年3月に行われた長野市信州新町地区における官民協働による減災対策への取組に関する変更協定があります。この協定は、信州新町水防対策会、東京電力リニューアブルパワー株式会社、長野市、長野県の4者によるものでありますが、これまでの協定を変更し、電力ダムを活用した減災放流の実施を盛り込むなど、官民協働による県内初の試みであります。こうした官民協働による減災、流域治水の取組をどのように評価しているか。また、こうした取組を他の地域に対して展開していくことについて知事の見解を伺います。  また、令和3年2月に県において策定した長野県流域治水推進計画の内容とともに、県内の流域治水に関する現状、今後の取組について建設部長に伺います。  次に、県民参加型予算について伺います。  我が県は、広い県土に77の市町村があり、それぞれの地域において地域資源や人材を生かした県民協働の活動による県土の保全、活用が求められており、今後、県民との協働なくしては地域課題の解決が前進できず、地域のよりよい発展につながらないと考えております。  また、現在、県、市町村が一丸となってSDGsの取組を進めておりますが、県、市町村だけでは解決できない課題もあり、持続可能な社会の実現に当たっては、NPOやボランティアの活動のさらなる活性化や県民一人一人の参画が必要と考えます。  そこで、知事は、新たに県民参加型予算を試行し、県民の声を県政に直接的に反映する方法を検討するとのことでありますが、他県等の取組状況やその効果をどのように考えているのか。また、我が県に県民参加型予算を導入する目的や効果についてどのように考えているのか。知事に伺います。  県民参加型予算については、当初は県内10ブロックごとに地域課題について取り組むことを想定しているとのことでありますが、県民の声を反映する地域課題の解決に向けて、地域振興局の予算、組織を拡充するなど地域振興局の権限を強化していくのか。知事に伺います。  また、県民との協働に関しては、地域に根づいた課題の解決や、SDGsの取組を県民に働きかけ、自ら実行する団体として、今後ますますNPOやボランティア等の役割が期待される中、これらの団体の取組のさらなる活性化に向けて、行政との連携や活動基盤を強化するための人材育成、活動資金等に対する公的資金を拡充する必要があると考えます。  NPO等の活動のより一層の活性化に向けた施策展開について、あわせて知事に伺います。  最後に、ファシリティーマネジメントについて伺います。  県有財産のファシリティーマネジメントに関して、少子高齢化、人口減少等を踏まえ、利活用の見込みがない県有財産の売却等も効率的な行政を図る上で重要でありますが、新規整備が必要な施設については新設することも検討していく必要があると考えております。  これまでも、我が県の警察本部庁舎については、県民の生命、財産の安全に関する機密情報と、これらを守る機能を有する極めて重要な施設であることから、県庁舎と一体の庁舎に設けられておりますことに長年疑問を感じてきたところであります。  新型コロナウイルス感染症や物価高騰対策、少子化対策等の様々な課題への対応が求められる中、県の財政状況は厳しいものと考えておりますが、かけがえのない県民の生命、財産を守るため、少子高齢化、人口減少等の時代にあっても、投資すべきものは果敢に投資すべきであり、県庁舎から独立する形で警察本部庁舎を新たに建設する必要があると考えます。  そこで、県庁舎とは別の場所に警察本部庁舎を新設することに対する考え方と、県庁舎を含むファシリティーマネジメントへの見解と今後の見通しについて知事にお伺いをし、第1回目の質問といたします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)自由民主党県議団、風間団長からの代表質問に順次お答えをしてまいります。  まず初めに、4期目に臨む基本姿勢として、我が国、我が県の現状をどう捉えているのか。また、長野県のあるべき姿をどう考え、どのように確かな暮らしを確保し、豊かな社会を実現させるのか。県政運営4期目に向けての意気込みと併せてという御質問であります。  今、私たちは、地球規模での大きな課題に直面しています。気候変動の問題、新型コロナウイルスの問題、さらにはロシアのウクライナ侵攻をはじめとする様々な国際紛争、そして、そうしたことに起因する様々な経済変動、こうした大きな世界の動きにしっかり目を向けて県政運営をしていかなければいけないというふうに思っております。  また、その一方で、国内におきましても、少子化、人口減少、さらには貧困や格差、様々な社会的な課題が顕在化してきているというのが現状だというふうに考えております。そういう観点で、社会的に弱い立場にある方々はもとより、幅広い県民、そして多くの産業に様々な危機的な影響が生じ始めているというふうに考えています。  今のしあわせ信州創造プランは、確かな暮らしを守るということを計画に位置づけておりますし、私も、今回の選挙戦は、「確かな暮らしを守り抜く。真にゆたかな社会を創る。」、こうしたことを公約に掲げて県民の皆様方に訴えてきたわけでありますけれども、まさに今が県民の皆様方の暮らしが大きく揺らいでいる、その基礎が揺るがされている、そうした時代認識であります。そのため、まずは当面する危機についてしっかりと対応していかなければいけないというふうに思っております。  コロナ禍、第7波も、新規陽性者数は減少基調ではありますが、しかしながら、まだまだ先行きは油断してはいけないというふうに思っておりますし、また、今議会にお願いさせていただいている物価高騰対策は、県民の皆様方の暮らしや産業を守り抜く上では極めて重要だというふうに思っております。  また、こうした当面の危機への対策だけでなく、地球温暖化による気候危機、これは緩和と適応の両面からしっかり対応していかなければいけません。適応という観点からすれば、やはり災害対策、防災対策にも力を入れていかなければいけません。  また、少子高齢化、特に人口減少の問題については、若い人たちが夢や希望を持てる社会にしていくということと併せて、この人口減少で既に生じ始めている課題にもしっかり目を向けなければいけないというふうに思っています。特に、様々な産業分野での担い手不足、人材不足が非常に深刻化してきているというふうに考えています。  当面の危機にしっかり対応しつつ、中長期的な課題についても世界的な視野を持ちながら歩みを進めていくことが極めて重要だというふうに考えています。  こうした取組は、これまでの県政、県行政の施策の延長線では決して実現できないことも含まれているというふうに考えています。国の施策に唯々諾々と従うということではなく、やはり県民起点で地域の皆さん、県民の皆様方が本当に何を期待しているのかということをしっかりと把握し、対話と共創を基本にして県政を進めていくことが重要だというふうに思っております。  また、大きな変革をしていく上では、政治の力が極めて重要だと思います。私は、県知事という立場で行政のトップであるわけでありますけれども、その一方で、県民の皆様方から選挙で選んでいただいている政治家でもありますので、これからは政治面での活動にも力を入れて取り組んでいきたいというふうに考えています。県議会の皆様方ともぜひ率直な対話を行う中でこれからの信州の未来を切り開いていきたいと考えておりますので、どうか引き続きの御協力、御指導、御鞭撻を賜りますよう心からお願い申し上げます。  続きまして、選挙期間中の県民の皆様方の声をどう受け止め、4期目の県政運営に生かそうとしているのかという御質問であります。
     前回2018年の知事選挙におきましては、合併前の県内全市町村をきめ細かく回らせていただきました。今回は新型コロナ対応の公務を行いながらの選挙でありましたので、正直申し上げて、77の市町村を何とか最低1回は回るということで精いっぱいでございました。  そういう中で、やはり私の3期目の反省点としては、コロナ禍ということもありまして、なかなか県内各地を訪問させていただく機会が少なかった。また、1期目、2期目と比べて県民の皆様方と対話をする機会が少なかったということが反省事項でありますし、正直申し上げて、今回の選挙期間中に県内を回らせていただいたときも、もっと地域に来てほしい、もっと私たちと対話をしてほしいという声を多く伺ったところであります。改めて県民の皆様方との対話、そして私自身が地域に出向いていく、まずは4期目のスタートでこうしたことをしっかりと行っていきたいというふうに思っています。  また、こうした取組は、私一人が行っていればいいというものではありません。県庁組織を挙げて、対話と共創を多くの職員と共有して、県民の皆様方と共に考え、そして共に行動する、そうした県政にしてまいりたいと考えております。  続きまして、現行の総合5か年計画に対する評価という御質問であります。  現行の総合5か年計画に掲げました重点目標の推移を見ますと、就業率や健康寿命につきましては、特に県民の皆様方、企業の皆様方の御尽力もあり、おかげさまで全国トップレベルを維持をさせていただくことができているというふうに思っています。  一方で、2018年、2019年には総合計画の目標値を上回っておりました観光消費額については、新型コロナの影響で大きく減少しております。また、おおむね順調に推移をしてきました労働生産性につきましても、2019年度は米中貿易摩擦の影響等で残念ながら減少に転じてしまったところであります。  また、人口の社会増減につきましては、地方回帰の流れを受けて国内移動が大幅に改善し、今年も今までのところ比較的順調に推移しているという状況でありますが、他方で、合計特殊出生率、人口減少に直結する出生率については2年連続で低下しているという状況であります。  現行計画は、大きな社会の変化の中で、非常に追い風になった部分もあれば、当初の目標が達成困難な状況になってしまっているものもあるという状況であります。大規模災害や新型コロナウイルス感染症等、この計画策定時には見通せなかったこともあるわけでありますけれども、しかしながら、最終年度であり、この計画の実現に向けて鋭意取り組んでいるところでありますので、最後までしっかり目標達成、あるいは目標に少しでも近づくように全力を挙げていきたいというふうに考えております。  また、次期計画の狙い、思い、どの分野に重点的に取り組み、どう県政に反映していくのかという御質問でございます。  次期計画につきましては、先ほど申し上げたように、人口減少、気候変動など直面する大きな課題に正面から向き合っていきたいというふうに考えておりますし、そうした危機や課題を乗り越えていく上では、社会経済についても大きな変革、戦略的な転換を図っていかなければいけないというふうに考えております。例えば、女性や若者から選ばれる県づくりということを選挙戦の中でも訴えてきましたが、まだまだ男女の固定的な役割分担意識が根強く残っている部分があるというふうに考えております。  そうしたことから、どうこの社会構造を転換していくのか、多くの皆さんの意識を変えて社会のシステムを変えていくのかということが強く求められているというふうに思っております。また、産業面でも、政府が提唱した新しい資本主義の中でも市場経済中心型からやや転換する動きが見え始めてきております。様々な産業が全て市場原理に委ねさえすればうまくいくということでは必ずしもないということは、もう明らかになりつつあるというふうに思っています。  そういう観点で、いわゆる社会的共通資本的な産業の維持発展をどうしていくのか。また、そうした産業分野をどうやって人的に支えていくのか。こうしたことについても、これまでの視点にとらわれず考えていかなければいけないというふうに思っております。  また、これまでの産業、社会は、いわゆる化石燃料に依存しながら発展してまいりました。これからエネルギー転換がいや応なしに求められてくるわけでありますので、そうしたことに産業や暮らしをどう適合させていくのか。あるいは、適合するということだけではなくて、そうした先により豊かな社会をどうやって築いていくのか。こうしたことについてもしっかりと方向づけをしていかなければいけないというふうに考えております。  こうした新しい時代に向けた視点をしっかり持ちながら新しい総合5か年計画を策定していきたいと思いますし、また、新しい総合5か年計画の下で県民の皆様方とともに明るい未来を切り開いていけるようにしていきたいと考えております。  続きまして、新型コロナの関係で、新型コロナウイルス感染症の今後の対応方針についてという御質問でございます。  今月26日から全国一律で陽性者の全数届出の見直しが行われました。それに伴って、本県としての対応も見直しをさせていただいたわけでありますが、ウィズコロナに向けて大きな転換期を迎えているというふうに考えております。  第7波におきましては、陽性者は多いけれども重症化される方は必ずしも多くないというオミクロン株の特性も踏まえて、暮らしと経済をできるだけ維持していくという観点で、かつて行ったような時短要請等の行動制限を行わずに対応してまいりました。重症化リスクが高い方を守りながら医療への負荷をできるだけ減らしていく、こうしたことに対策の重点を置いたところでございます。  今後とも、新たな変異株の出現等には十分注意をしていかなければいけないというふうに考えております。そうした観点で、陽性者の急増期にしっかり対応できるように医療提供体制等の備えを行っていくということと併せて、ウィズコロナ、アフターコロナを見据えながら、重症化リスクが高い方を守りつつ、インバウンドの促進等コロナ禍からの経済再生にしっかり取り組んでいきたいと考えております。  続きまして、長野県価格高騰緊急対策第一弾の評価についてという御質問でございます。  これは、現在鋭意取り組ませていただいているところでありまして、必ずしも効果を的確に評価することができる段階ではありませんけれども、その中でも、効果が現れてきている部分、そしてさらなる支援が必要な部分、こうしたものが見えてきております。  例えば、生活者への支援につきましては、食料支援と併せて生活必需品の配付を行っているところでありますが、食料につきましては、毎月100件を超える需要がございます。今後とも安定的な支援体制を整備することが必要だというふうに考えて、今回の第二弾におきましては、県社協にお願いをして、食料支援調整センター(仮称)を設置することとしたいというふうに考えております。  また、事業継続支援関係では、配合飼料価格高騰緊急対策事業におきましては、県内の畜産農家579戸に参加していただき、関係者からは、迅速な対応に感謝という評価をいただいているところであります。  しかしながら、農業団体等からは、特に肥料やキノコ培地資材に対する支援について求められる声が依然としてありました。そうしたことを踏まえて、今定例会におきまして追加支援のための予算をお願いしているところでございます。  また、エネルギーコストの削減につきましては、省エネ・再エネ設備の導入を促す中小企業エネルギーコスト削減助成金を8月17日から募集開始したわけでありますけれども、僅か2週間で約500件の応募がありました。県内事業者の皆様方の関心の高さがうかがえるところでございます。この助成金は、中小事業者の皆様方がゼロカーボン化に向けて取り組む端緒ともなるものだというふうに考えておりますので、今定例会におきましては、追加支援のための予算の拡充をお願いしたところでございます。  引き続きこうした事業を着実に推進するとともに、それらの効果を見極めながら今後とも必要な対策となるよう努めてまいりたいと考えております。  続きまして、価格高騰対策の第二弾について、第一弾との相違点、必要性、今後さらに求められる物価高騰対策、経済対策についてという御質問でございます。  長引く価格高騰は、暮らしや産業に深刻な影響を及ぼしているというふうに考えております。こうした観点から第二弾を策定したわけでありますが、まずは県民の皆様、事業者の皆様方のお声や要望をお伺いしてまいりました。そうした中で、第一弾では必ずしも十分でなかった取組や、本当に困っている方、国の支援の対象とならないところにも支援が届くようきめ細やかな施策を構築するように努めたところであります。  例えば、生活者への支援としては、国の給付金の対象とならない住民税所得割非課税世帯とそれに準ずる家計急変世帯を対象として県独自に生活困窮世帯緊急支援金(仮称)を支給することとさせていただきたいと思いますし、また、事業者に対する支援としては、依然としてコロナの影響を受けている飲食店や観光事業者の皆様方を支援するための電子チケットによるプレミアム付食事券の発行や冬季の観光誘客の促進などについて補正予算案でお願いをしているところであります。  引き続き社会経済動向を的確に把握するとともに、県民の皆様方の暮らしや産業経済への影響をしっかり見極めてまいりたいと考えております。その上で、この緊急的な支援はもとより、省エネやDX等未来志向の取組にもつながるよう配慮しながら、また一方で、様々な支援を我々県と同様に考え、実行していただいております市町村の皆様方とも十分連携協力しながら取り組んでいきたいというふうに考えております。  また、さらなる経済対策に関連しては、国においては、来月、総合経済対策を公表し、これを反映して補正予算案も今後編成していく方向というふうに伺っております。こうした動向も踏まえながら、長らく続いているコロナ禍に加えまして、今般の価格高騰で大きな痛手を被っている暮らし、経済の早期の回復、活性化につながる対策を県としても切れ目なく講じていくように努めてまいりたいと考えております。  続きまして、長野県産業のあるべき姿と生産性向上に向けた支援についてという御質問でございます。  長野県産業は様々な産業分野があるわけでありますが、まずは国内、県外、海外も含めて、稼いでもらう産業、製造業、観光業、こうした産業がさらに発展していくということが重要であります。また、そうした中で、地域の中で経済が循環していく、中小企業の皆さんをはじめとする地域内を支える産業基盤の基礎をしっかりと支えていく、この両面が必要だというふうに考えております。  県外需要を取り込んでいく稼ぐ産業については、より一層の高付加価値化や生産性の向上、世界と競争して稼いでいくことができるような支援の強化が必要だというふうに考えております。  また一方で、先ほども社会的共通資本のお話を申し上げましたけれども、市場原理だけの世界ではなかなか産業としての持続が難しい分野もございます。例えば、公共交通や一部の農業については、地域としてどう支えていくかということを新たな視点で考えていくということも重要だというふうに考えております。  そういう観点で、市場原理の中でどんどん発展する産業に対する生産性の向上支援、例えば技術開発や人材育成支援をしっかり進めると同時に、必ずしも市場原理だけに委ねるだけでは維持発展が難しいような部分について県としてもこれまで以上に積極的に関与を行う中で、社会的な公平性、公正さということも念頭に置きながらその維持発展を目指していきたいというふうに考えております。  世の中は非常に急速に変化しています。DXやGX、こうした観点もしっかり持ちながら、県内産業を支え、発展のための支援を行っていきたいというふうに考えております。  続きまして、観光政策についてであります。  我が県の観光産業の現状をどう認識し、これまでの取組に加えて今般の補正予算によってどのような効果を見込んでいるのかという御質問でございます。  県内の観光宿泊者数は、本年6月の宿泊旅行統計調査で約103万人ということで、コロナ前の2019年の同月と比べまして85%という水準まで回復してきている状況であります。  一方で、原油高、物価高騰は、観光関係事業者の皆様方にも大きな影響を及ぼしているわけでありまして、コロナ禍と加えてのダブルパンチの状況であるというふうに考えております。  また、新型コロナウイルスの影響によりまして、例えば自家用車の旅行が増えたり団体旅行が減少したりという影響がありますので、業態あるいは対象としている観光客の層によっては依然として厳しい状況に置かれている宿泊施設や交通事業者も存在しています。  こうした中で、これまでの取組や9月補正予算によりまして、例えば9月補正予算案に計上したスキーリフト券等の割引販売によりまして、昨年を上回る540万人のスキー誘客を目標として取り組んでいきたいというふうに考えておりますし、また、交通クーポン事業を行ってまいりますけれども、これによりまして、コロナ等でも影響を受けている交通機関の利用者の増加や新しい旅行プランの造成にもつなげていきたいというふうに考えております。また、合宿対象を大学等へも拡大してまいりますので、こうした大学合宿による冬季の宿泊需要の増加等も見込んでいるところでございます。  今後とも、長野県の重要な産業であり、また、地域によっては本当に基幹産業である観光産業をしっかりと支援してまいりたいと考えております。  続きまして、インバウンドを見据えた観光立県長野の魅力向上や情報発信についてどういう方針を考えているのかという御質問であります。  Afterコロナ時代を見据えた観光振興方針を定めさせていただく中で、まずは安全・安心な観光地域づくり、そして、将来も見据えて、長期滞在型観光の推進と信州リピーターの獲得、この3本柱で施策を進めてきているところでございます。  魅力向上につきましては、例えば、今重点支援地域とさせていただいておりますハクババレーにおきましては、キャッシュレス化、Wi-Fi整備、こうした受入れ環境の整備を進めておりますが、こうしたことをより広い地域に拡大していきたいというふうに考えております。  また、インバウンドの本格的な再開も見据えて、外国人の方に人気がある歴史文化、あるいは自然体験等長野県の特徴を生かしたコンテンツづくりも進めてまいります。  また、情報発信につきましては、オーストラリア、東南アジア等我々がターゲットとする国におけるプロモーションをより一層強化していきたいというふうに考えております。  こうした観点を持ちながら、観光機構をはじめ地域の観光事業者ともしっかり連携を図りながら観光立県長野としての魅力の向上、情報発信に努めてまいります。  続きまして、観光税についてどのようなものを考えているのかという御質問でございます。  世界水準の山岳高原リゾートを実現していく上では、受入れ環境のさらなる整備等が必要になってまいります。そうしたことを進める上では、もとより財源が必要でありますが、これは住民の皆様方の税負担に頼るということだけではなく、観光産業、あるいは観光地域づくりの受益者となる観光客の皆様方にも一定の負担をいただくなど、補助金に頼らない安定的、持続的な財源を研究していくということが極めて重要だというふうに考えています。  こうした中で、先行事例のヒアリング等を行ってきているわけでありますし、また、過日開催した観光戦略推進本部におきましても、出席したDMOの方からは、この観光振興財源の検討の必要性について積極的な御意見を頂戴しているところでございます。この観光財源のありよう、仕組み、こうしたものについては、まずはできるだけ早く観光戦略推進本部にプロジェクトチームを設置して、財源の使途と必要額、あるいは税をつくる場合にはその課税客体や課税方法、そして市町村との役割分担、こうしたことについてしっかり検討していかなければいけないというふうに考えております。  また、この着手は速やかに行ってまいりますが、一方で、先ほど来申し上げておりますように、観光産業は、今コロナ禍や物価高騰の影響を受けまして厳しい状況に置かれているということもございます。そういう意味では、税負担の在り方やその導入の時期等について幅広く関係者の御意見をお伺いする中で十分議論を行っていきたいと考えております。  続きまして、林業政策についての御質問であります。林業の現状と今後の林業政策の展開という御質問でございます。  本県林業は、全国と同様、木材価格の長期低迷等によりまして、森林を所有されている方々の森林に対する関心が薄れてきているという状況が続いてきました。その結果、手入れが遅れた森林が増加しております。また、林業を担う林業事業体や就業者数は長期的に減少傾向にあります。  現在は、国際情勢の変化等によりまして木材価格の高止まりが続き、外材から国産材に転換する機運も高まっているわけでありますけれども、本県におきましては、残念ながら間伐中心の木材生産から主伐への切替えが遅れ、需要が増加してもなかなかそれに応え切れていないという実情がございます。  また、高齢林化が進んでおりますので、将来にわたって持続的に木材を生産、利用できる森林づくり、あるいは2050ゼロカーボン、カーボンニュートラルの実現のために若い森林に早期に更新することが求められております。そういう意味で、長野県の林業は大きな転換期を迎えているというふうに言えると思います。  こうした状況下におきまして、森林県から林業県へ飛躍していく上で、まずは再造林の加速化、そして、林業を支える就業者の確保育成、そして、林業の生産性と経営力の向上、県産材の安定的な供給体制の確立、こうしたことについてしっかりと政策を進めていくことが重要だと考えております。  続きまして、森林環境税と森林づくり県民税の違い、それから森林づくり県民税のこれまでの実績、そして継続の判断をするに至った思いという御質問でございます。  まず、国税であります森林環境税、そしてそれを原資として地方公共団体に譲与されている森林環境譲与税でありますが、これにつきましては、まずは市町村が中心となりまして、これまで森林所有者による手入れがされてこなかった森林の管理を持続的に進めるということを主たる目的としております。具体的には、所有者に代わって市町村が行う間伐などの森林整備や、そのために必要な所有者の意向調査や作業道整備、こうしたことに活用していくという整理でございます。  一方、森林づくり県民税につきましては、今後5年間で集中的に取り組むべき喫緊の課題への対応を目的としております。具体的には、先ほど申し上げました再造林の加速化や多様な担い手の確保、こうした全県で政策的、先導的に取り組むべき施策、また、ライフラインの保全対策や観光地の景観整備等県民の皆様方の暮らしの向上につながる地域課題の解決、こうしたことに活用したいというふうに考えております。  これまでの実績でありますが、手入れの遅れている里山での防災・減災のための間伐を集中的に進めてまいりました。その結果、15年間で約3万4,000ヘクタールの間伐を行っております。  また、第3期からは、地域住民自らが里山を整備、利活用する里山整備利用地域の取組を支援しておりますが、県内105地域でこうした取組が行われております。  さらに、県民ニーズを踏まえて、ライフライン沿いの危険木の除去、河畔林の整備、観光地の景観整備、こうした取組が進められるとともに、やまほいく認定園のフィールド整備など多面的な利活用の取組にも資するものとなっております。  森林づくり県民税の継続を判断するに至った思いでございます。  県民の皆様方に税負担を求めていくということにつきましては、慎重の上にも慎重に検討すべきものというふうに考えております。  今回、先ほど申し上げましたように、主伐・再造林の推進やゼロカーボンの実現に資するための森林の整備など、まさに今大きく森林・林業政策を転換しなければいけない重要な局面だというふうに考えております。そのためには、何とかこの財源を確保しなければいけないというふうに考えたということに加えまして、県民の皆様方の声、県民アンケートによると、おおむね3分の2の方が継続に賛成という形で御回答をいただいておりまして、一定の皆様方には今後の継続について御理解をいただけるのではないかと、こうしたことを踏まえて、今回、私としては、ぜひ継続をお願いしたいということで判断したところでございます。県議会の皆様方にもぜひ御理解、御賛同をいただければありがたいというふうに思っております。  次に、森林づくり県民税はどのような議論を経てきたのか、そして、活用する内容と使途の拡充についてどう考えるかという御質問でございます。  森林づくり県民税を活用する取組につきましては、まずはみんなで支える森林づくり県民会議で御議論いただいてきたところでございます。そういう中で、二酸化炭素吸収の観点から見ても、新たな視点を加えて継続してはどうか。また、再造林が追いついていない状況の中で将来のための投資として使っていくべきではないか。また、事業体の増加につながるような取組が必要ではないか。また、市町村の要望の高い取組について支援する必要があるのではないか。こうした御意見を踏まえて今回の取組内容について整理させていただいたところでございます。  再造林の加速化のための補助制度の創設など、脱炭素と林業振興の視点両面からこの森林の若返りの促進をしていかなければいけません。また、県民の皆様方が広く親しめる里山を増やすという観点で森や緑に親しむことができる環境づくりを進めていかなければいけません。  こうした観点から、今回、四つの柱で活用の方向性を示させていただいたところでございます。森林の若返り促進と安全・安心な里山づくり、森や緑、木のぬくもりに親しむことのできる環境づくり、森林・林業活動に取り組む多様な人材・事業体への支援、市町村と連携した森林等に関連する課題の解決、こうした4点でございます。  こうした内容を県民の皆様方にしっかり説明して御理解いただいてまいりたいというふうに思いますが、取組に関する税の使途の在り方につきましては、今後の県議会での御議論や市町村の御意見、これから行ってまいりますパブリックコメントなどを踏まえまして、最終的な方針を取りまとめる中で確定していきたいというふうに考えております。  続きまして、脱炭素社会の実現に向けた思い、熱意という御質問でございます。  まず、県議会の皆様方にはお礼を申し上げなければいけないと思います。本県は、気候非常事態宣言を都道府県の中で初めて行いましたが、これは、県議会の皆様方の全会一致の決議を受けての宣言ということで、大変背中を押していただきました。そしてまた、議員提案によります脱炭素社会づくり条例を踏まえて長野県ゼロカーボン戦略を策定させていただいたところであります。まさに県議会の皆様方にお示しいただいた方向性を踏まえてこれまで脱炭素社会の実現に向けた取組を進めさせてきていただいておりますこと、知事としては大変ありがたく思っております。  皆様方の御期待にしっかり応えられるように、先駆的、先導的な取組も含めて、着実にこのゼロカーボン社会の実現に向けた取組を進めていかなければいけないというふうに考えております。  これまでも、例えば、屋根ソーラーの普及促進のためのソーラーマッピングや住宅エネルギー自立化補助金など、こうした取組を進めてまいりました。また、住宅の断熱性能の向上に向けた取組も様々進める中で信州健康ゼロエネ住宅の整備促進も現在進めているところでございます。  また、地球温暖化対策条例につきましても、これまで幾度か改正を重ねさせていただく中で、全国的に見ても非常に内容的に充実した条例になってきているというふうに考えております。もとより、2050ゼロカーボンを目指す上ではまだまだ取り組むべきことはたくさんございますし、現行の制度や仕組みだけでは十分ではないというふうに考えております。  長野県としても、しっかり英知を結集して取り組んでいくと同時に、こうした取組は、日本全国、あるいは世界とも連帯しながら進めなければいけません。御紹介いただいたように、私は現在全国知事会の脱炭素・地球温暖化対策本部長を務めておりますので、全国の都道府県の優れた事例を共有し、また、世界の国や地域ともしっかりと連携しながら取組を進めるとともに、長野県が存在感をしっかりと発揮することができるように、先導的、先駆的な取組の立案、実行にも鋭意取り組んでいきたいというふうに考えております。  続きまして、ゼロカーボン社会共創プラットフォームに期待する役割等についてという御質問でございます。  このプラットフォームは、多様な主体が結集して学び、つながり、共創することによりましてゼロカーボン社会の実現を目指していこうというものであります。サステーナブルな長野の確立を目指していこうという方針の下、取組を進めてまいります。  例えば、様々な主体がアイデアを持ち合っていただく中でゼロカーボン社会の実現につながるプロジェクトをつくり出し、実行していきたいというふうに思っております。また、ライフスタイルの変容につながるような実例や脱炭素の取組事例を学び合う、そうした場にもしていきたいというふうに考えております。さらには、県に対する事業提案や様々な事業主体同士の技術やサービスについての情報交換の場にもしていきたいというふうに考えております。  多くの皆様方の御参加によりまして、このプラットフォームがゼロカーボン社会実現に向けた行動実践の推進力となっていくことを強く願っているところでございます。  続きまして、交通政策局の設置についてでございます。意図、狙い、期待する役割という御質問でございます。  国と地方の役割分担の中で、国のウエートが高い分野、地方の役割が高い分野がありますが、公共交通、あるいは交通全般については、国の許認可権が強いということもあり、どちらかというとかつては国中心で施策が進められてきたというふうに考えております。  しかしながら、県民生活を見たときに、例えば高齢者の方々の通院や買物の問題、あるいは子供たち、特に高校生等の通学の問題、さらには、観光県としての観光客の移動の問題、こうしたことを考えたときに、この交通政策、交通の在り方というものは、今や全ての分野の基盤となる政策だというふうに考えております。  また、交通については非常に幅広い分野を網羅して対応していかなければいけません。松本空港の活性化や北陸新幹線の延伸のような高速交通体系、まさに長野県の産業を支える基軸となるもののありようを考えていくことと併せて、これからは、先ほど申し上げたような地域の皆様方の身近な足の確保についてもきめ細やかな配慮をこれからは行っていかなければなりません。  一方で、脱炭素社会を実現していくという観点を考えれば、まさにこの交通分野をどのように脱炭素社会に適合したものに転換していくのかということも極めて大きな課題であるというふうに考えております。  そのため、現在交通政策課という単位で対応しているものを、よりレベルを上げて、今のこども若者局、営業局、リニア整備推進局のように局長のリーダーシップの下でほかの部局とも十分連携しながら機動的な対応をしていくことが必要だというふうに考えております。そうした観点で、この交通政策を総合的に推進していくための交通政策局を設置していきたいというふうに考えております。  続きまして、国の有識者会議が示した特定線区再構築協議会に対する認識と同協議会の設置を要請する路線があるのかという御質問でございます。  この協議会については、現在、国においてこの提言の内容を実現するための制度改正を進めていく予定というふうに伺っております。まだ内容が必ずしも判然としていないところでありますが、まさにこの地域交通は地域にとって極めて重要な課題でありますので、地域の意向や沿線の実情が十分この協議会の議論に反映されるような制度、仕組みとなるように求めていくことが必要だというふうに考えています。  また、そういう状況でありますので、協議会の在り方をしっかり見極めていかなければいけないというふうに思っております。県内の鉄道路線についてはJR各社と日頃の意思疎通をしっかり行っていくこと、また、沿線自治体、経済団体等とともに、利用促進、利便性の向上に取り組んでいくということ、こうしたことを進めていくことが重要だというふうに考えておりますので、現時点で国に協議会の設置を要請するという段階ではありませんし、また、現時点でそういうことを考えているわけではございません。  続きまして、県の地方鉄道への支援に関する基本的な方針という御質問であります。  これまでも、県としては、例えば安全性向上のための設備投資に対する支援や、新型コロナ、原油価格高騰などの影響を緩和するための支援、さらには、災害からの復旧や災害時の代替バス運行等への支援、こうした様々な緊急的な支援を行い、運行継続を支えてきているところでございます。地域における生活の足として重要な役割を担っている地方鉄道を維持していくという観点で、県としての役割をしっかり果たしていかなければいけないというふうに思っております。  しかしながら、先ほども申し上げたように、許認可権は基本的には国が持っているわけでありますし、また、鉄道はやはり全国的なネットワークとしての重要性を有しているわけであります。この鉄道の在り方については、国がより積極的に踏み込んだ検討と支援を行うべきだというふうに考えております。権限がないのに負担だけ地方に委ねられては困るというふうに率直に思っておりますので、この分野については、これまでも国に対して積極的な対応を求めてきておりますし、これからも国に責任、役割をしっかり果たしてもらうように求めていきたいというふうに考えております。  続きまして、少子化対策についてでございます。集中的な取組や課題、今後講じるべき対策等についてという御質問でございます。  まず、私どもとしては、少子化対策の推進に関する条例をしっかり踏まえながら、今年から、女性や若者が暮らしたくなる信州づくり、若者の出会いや結婚の希望の実現、子どもを生み、育てる世代の安心と幸せの実現、こうした3点を柱に、市町村とともに若者・子育て世代応援プロジェクトによる集中的な取組を進めているところでございます。  具体的には、まず結婚支援として、地域、業種を超えたグループ同士の交流支援、また、妊娠・出産支援として、不妊治療の医療保険適用外となる先進医療に対する助成、また、子育て支援として、子供の医療費助成における県の助成対象の拡大、こうしたことを新たに開始したところでございます。  しかし、一方で、課題としては、コロナ禍によりまして結婚、出産に対して後ろ向きな意識が強まっているということ、また、賃金が上昇しないことにより将来への経済的不安感がより強くなってきているということ、また、依然として仕事と子育ての両立が難しいという現実があるということがございます。  こうしたことから、市町村との協力関係はもとより、今後は、より広く、経済界をはじめ社会全体と協力して一体となってこれまでの常識を変えていかなければいけないというふうに考えております。  結婚、子育てなど若者や子育て世代の幸福追求を最大限支援するため、引き続きこの若者・子育て世代応援プロジェクトを進めていきたいと思いますし、そうしたことに加えて、経済界と連携して子育てと仕事を両立できる環境づくりの推進、そして、子育てに伴う経済的負担のさらなる軽減、こうしたことに今後力を入れて取り組んでまいりたいと考えております。
     次に、給付型奨学金制度の創設についてでございます。  家庭の経済状況によって学びの選択肢が制約されてしまうということは、社会的な公正さという観点から大きな問題だというふうに受け止めております。  国におきましては、低所得者を対象とした給付型奨学金制度を設けているところでありますが、低所得層以外の方は貸与型の奨学金しか対象となりません。将来の返済が利用に当たってのハードルになったり、また、返済負担があることにより家族を持つということにちゅうちょしてしまったり、こうしたことが少子化の要因の一つになってしまいかねないというふうに考えております。  私は、本来は国において高等教育の無償化にしっかり取り組むべきというふうに考えておりますが、そう言っているだけでは物事は進みませんので、県としてもこの問題にしっかり向き合っていかなければいけないというふうに思います。  現在検討しております新たな給付型奨学金制度におきましては、現在の国の給付型奨学金制度の対象とならない所得層も対象とすることによりまして、将来有望な若者の大学等への進学希望を後押ししていくことができるようにしていきたいと思っております。今後、対象者の選定基準など速やかに制度設計を進めていきたいと考えておりますが、限られた財源の中、対象者を限定せざるを得ないものの、風間議員御提案の趣旨を踏まえて、できるだけ幅広い所得層を対象とできるよう検討していきたいと考えております。  続きまして、長野市信州新町地区における官民協働による減災対策の取組の評価と他地域への展開についてという御質問でございます。  まずは、黒岩顧問をはじめとする新町水防対策会の皆様方のこれまでの取組に心から敬意を表したいというふうに思います。今般も、東京電力、長野市とともに、減災対策の取組を協定という形で先駆的な施策を進める体制が講じられたこと、私どもとしても大変ありがたく思っておりますし、また、県としてもしっかり役割、責任を果たしていかなければいけないというふうに思っております。  私も何度か新町水防対策会の皆様方と意見交換させていただきましたが、非常に治水に対する見識が高く、我々以上に先を見据えたお考えをお持ちになられているということに大変敬服しているところでございます。  まさにこれは現行の総合計画に掲げている学びと自治の実践例でもあると思いますし、また、こうした地域の皆様方の活動を長野市や我々が受け止めて共に進めていく、まさに共創のモデルであるというふうに考えております。  今、治水対策は、流域治水という観点で地域の皆様方とともに進めていこうという方針を示しているわけでありますので、県民の皆様方と共に学び共に行動していく、この新町水防対策会の皆様方の取組を模範として、ほかの地域でも広げることができるように対応していきたいと考えております。  続きまして、県民参加型予算についてでございます。  まず、他県等の取組状況、効果及び本県に導入する目的、効果という御質問でございます。  県民参加型予算につきましては、市町村レベルでもございますが、都道府県レベルにおきましては、東京都と三重県で導入されております。  それぞれの取組状況でありますが、まず、東京都におきましては、従来の発想にとらわれない新たな視点から喫緊の課題を解決することを目的として平成30年度予算から導入されておりまして、事業提案と事業案選出への投票を都民が行うという形で実施されております。また、三重県におきましては、県民の声を広く聴くということを目的として令和2年度予算から導入され、現在は事業提案を県民が行う形で実施されております。  取組の効果でありますが、東京都及び三重県とも、都民、県民の柔軟な発想や問題意識から提案された事業が予算化されるとともに、取組への参加によりまして都政、県政への関心が高まるなど一定の効果が認められているというふうに伺っております。  本県におきましては、県予算の構築に当たりまして、県民の皆様方の新たな発想や身近な問題意識を取り入れるとともに、県政をより身近に感じていただくことができるように工夫をしていきたいと考えております。  県民参加型予算の導入に伴う地域振興局の権限強化についてという御質問でございます。  県民参加型予算につきましては、まずは試行を行っていきたいというふうに考えておりますので、今、一部の地域や特定の分野を対象にした実施を検討しているところでございます。将来的には、県内全域や本庁の仕事も含めた様々な分野について広げていくことも考えていきたいと思っております。  地域振興局が主体的に地域課題を解決していく上では、権限の充実強化ということは必要だというふうに思っています。これまでも権限移譲等を行ってきておりますが、より地域課題にしっかり局が向き合うことができるように取り組んでいかなければいけないというふうに思っております。今後、地域の枠組みは意識しながらも、めり張りのある組織となるように、地域振興局の権限の拡充強化の在り方について検討を行っていきたいと考えております。  続きまして、NPO等の活動のより一層の活性化に向けた施策展開についてという御質問であります。  NPOの皆様方の自主的、主体的な活動は、社会を変えていく上でも、また社会的な課題を解決していく上でも非常に重要だというふうに考えております。我々県行政としては、これまで、協働コーディネートデスクというものを設置して、NPO等の皆様方からの相談、提案を受けながら、我々も一緒に取り組む施策のコーディネートに取り組んできたところでございます。  また、人材育成という観点からは、NPOの職員向けのスキルアップセミナーの開催を行うほか、元気づくり支援金による活動支援や県税の軽減による制度的な支援、こうした財政的な支援にも取り組んできたところでございます。  今回の9月補正予算案におきましては、長野県みらい基金と共同して、この教育分野に限定してということではありますが、フリースクールや山村留学など信州の特色ある学びを行う団体の資金調達を支援する取組も計上させていただいたところでございます。  NPOの役割の重要性に鑑みて、今後とも共創のパートナーとしてどう連携を強化していくことができるか。また、必ずしも活動基盤が十分ではないこうしたNPOの活動をどう支援していくか。こうした観点を持ちながらさらなる支援の在り方について検討を行っていきたいと考えております。  最後に、県警本部庁舎の新設と県庁舎を含むファシリティーマネジメントへの見解、そして今後の見通しについてという御質問でございます。  警察本部の庁舎につきましては、現行総合計画の中でも県有施設の在り方検討と並行して、本部機能の在り方について検討すると位置づけて県警本部と事務的に現状把握や意見交換を進めてきたところでございます。  こうした中、本部機能につきましては、機能面やセキュリティー面で課題があるということを私どもも十分理解をしているところでございます。  風間議員から長年疑問という話がありましたが、私も他の都道府県庁で勤務をしてきておりますので、全国ほとんどの県は、県警本部は独立した庁舎を持っているというのが実情でございます。また、県警本部以外の我々が執務を行っている県庁舎という観点で見たときもいささか今の庁舎は狭隘ではないかというふうに思っております。  今、コロナ対策等も講堂等を使って行っているわけでありますけれども、突発的な行政需要が起きたときは、手狭だと十分な対応が難しくなる部分もあるというふうに考えておりまして、この庁舎、警察の在り方だけではなくて、我々の執務環境自体の在り方ということについてもより踏み込んで考えていかなければいけないというふうに思っております。  また、この県庁周辺におきましては、老朽化した県有施設があること、また、空きスペース、駐車場等のスペース等もあることもありまして、こうしたことの有効活用についてもファシリティーマネジメントの観点からは積極的に検討していかなければいけないというふうに考えております。  こうしたことから、ファシリティーマネジメントの観点、そして今後の財政状況等も踏まえつつ、警察本部庁舎の整備につきましては次期総合5か年計画の中に位置づけをしていきたいというふうに考えております。  私に対する質問は以上でございます。       〔健康福祉部長福田雄一君登壇〕 ◎健康福祉部長(福田雄一 君)御質問に順次お答えを申し上げます。  まず、コロナ対応のための今後の医療提供体制についての御質問でございます。  県は、これまで、受入れ病床の確保や宿泊療養施設の運営、自宅療養者に対する健康観察センターの設置など様々な取組を実施してきたところでございます。  また、第7波では、とりわけ外来診療の逼迫が課題となりましたが、自己検査の活用促進、軽症者登録センターの対象の拡充や、身近な診療・検査医療機関を増やすための取組などによりまして外来診療の負担の軽減に努めてまいりました。  今議会においても、こうした取組を継続して行っていくための予算をお願いしております。こうした取組をさらに進めることによりまして、必要な方に必要な医療が提供できるよう次の大きな波に備えた医療提供体制の構築を図ってまいります。  次に、全数届出の見直しに関するメリットとデメリットについての御質問でございます。  まず、メリットといたしましては、重症化リスクの高い方など優先的に対応する必要のある方を迅速に把握し、適切な療養につなげられることや、医療機関や保健所の負担を軽減しつつ、そうした方に対応を集中できることが挙げられます。  一方、デメリットとしては、発生届対象外の方に関する情報を把握できなくなるため、これらの方の症状が万が一悪化した場合の対応や個人を特定したプッシュ型の支援、例えば生活支援物資の提供などに支障が生じることなどが挙げられます。  それを補うための方策でございますが、本県では、医療機関や軽症者登録センターで県作成のリーフレットを配付、説明しておりまして、健康観察センター等の連絡先や療養上の注意事項を確実にお伝えするとともに、体調悪化時には直ちに相談をしていただけるようにしたところでございます。また、パルスオキシメーターの貸出しや生活支援物資の提供につきましては、健康観察センターが申込みを直接受け付け、迅速かつ効率的な支援を行ってまいります。  全数届出の見直し後におきましても、全ての方に安心して療養していただけるよう、今後もきめ細かな対応に努めてまいります。  次に、オミクロン株対応ワクチンの今後の接種方針等についての御質問でございます。  オミクロン株対応ワクチンの接種につきましては、県内でも今月下旬から現行の4回目接種対象者を優先して接種を開始しておりまして、10月には1回目、2回目の接種が済んでいる12歳以上の全ての方に順次接種が始まる予定でございます。  国では、2年連続で年末年始に流行していることを踏まえまして、接種対象者の全てに年末までに接種を終える方針を打ち出しております。さらには、現在5か月とされている接種間隔につきましても、10月末を目途に、3か月程度に短縮することを検討しております。  これに対応するため、市町村に対しては、接種券の早期発送はもとより、接種間隔短縮に伴う接種希望者の急増を想定した接種枠の確保などにつきまして迅速な取組をお願いするとともに、県としても引き続き県接種会場を10広域に設置するほか、市町村接種会場への医療従事者の派遣、高齢者施設等への巡回接種の実施など、市町村とともに急ピッチで接種体制を整えているところでございます。  ワクチン接種を重ねるにつれ、接種をためらう方が増えてきているのではないかという声もお聞きをするところでございますが、第8波の到来やインフルエンザとの同時流行も懸念されることから、積極的に接種を検討していただけるよう広報啓発を強化し、年内に可能な限り多くの対象者に接種いただけるよう市町村とともに必要な体制を確保し、速やかな接種を促進してまいります。  次に、現在の地域医療構想の検討状況についての御質問でございます。  国では、新型コロナウイルス感染症の動向を踏まえ、令和4年3月に各県に通知をいたしまして、公立・公的病院のみならず民間病院をも含めた各医療機関の今後の在り方について結論を出す期限を令和5年度末とする方針を示しました。  これに伴いまして、県では、この夏から、各圏域の地域医療構想調整会議での議論を再開しております。この会議におきましては、まず、国の考え方を説明し、令和5年度までに議論すべき方向性を共有するとともに、データを提供いたしまして、各医療機関が圏域内で果たしている役割や機能を踏まえ、今後どのようにしていくのかを検討していただいているところでございます。  今後、今回の新型コロナウイルス感染症対応での経験や、本県の医療資源の現況を十分に踏まえ、公立・公的病院のみならず、民間病院も含めた医療機関の役割分担と連携強化につきまして、医療圏ごとに地域の関係者による丁寧な議論を促進し、合意形成を図ってまいります。  以上でございます。       〔農政部長小林安男君登壇〕 ◎農政部長(小林安男 君)私には2点御質問をいただきました。  初めに、長野県価格高騰緊急対策第二弾の効果についてでございます。  農業分野において、第一弾の緊急対策として、まずは特に影響の大きい畜産飼料の価格高騰や施設園芸等の省エネ設備の導入を支援したところです。その後、国の支援策の動向などを把握しながら、第二弾におきましては、肥料価格の高騰対策として、全国と比較して施肥量が多い本県においては、国の支援策だけでは不十分であることから、化学肥料の削減状況に応じた上乗せ補填をすることで化学肥料だけに頼らない農業の拡大にもつなげてまいります。  また、キノコ生産者に対しては、キノコ培地資材の価格高騰分の一部を助成し、あわせて、JAとも連携した景気支援チームによる経営指導を行い、価格高騰下における経営の安定につなげてまいります。このほか、県産小麦の生産拡大や品質向上につなげる支援や、養魚用飼料の価格高騰分の一部の助成なども併せて実施するところです。  今回の緊急対策は、価格高騰分の補填だけではなく、今後の経営安定につながるような仕組みも組み合わせることで、今後も厳しい状況が見込まれる外部環境にも負けない安定した農業経営となるよう進めてまいります。  次に、稼ぐ農業のための今後の施策展開についてでございますが、本県農業は、果樹や野菜など園芸品目を中心に全国トップクラスの産地を形成してきましたが、今般のウクライナ情勢や円安の進行などによる物価高騰により、厳しい状況下に置かれております。  そのような中、今後も本県の農業が成長性のある産業として持続的に発展していくため、子供たちが憧れ、将来の職業として選択し、継承されていくことが必要であります。  このため、喫緊の課題である本県農業を支える担い手の確保育成を進めるとともに、強みである園芸品目の生産振興などを推進し、稼ぐ農業を実現していきたいと考えているところです。具体的には、本県農業の中心となるトップランナーの育成や新規就農者の確保、収益性の高い果樹や野菜など園芸品目の導入、ブドウ「クイーンルージュ」などの県オリジナル品種の戦略的な生産拡大による信州農畜産物のブランド力の向上、世界に通用する信州農畜産物の輸出の拡大、スマート農業の導入や圃場の大区画化による生産性の向上、これらを推進するための県試験場による品種や技術の開発と普及指導員による普及等を進めてまいります。  これら施策については、現在策定を進めております次期長野県総合5か年計画と整合性を図るとともに、審議会での御意見も伺いながら、次期長野県食と農業農村振興計画に位置づけてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔環境部長猿田吉秀君登壇〕 ◎環境部長(猿田吉秀 君)ゼロカーボン戦略の工程表作成についてお答えいたします。  ゼロカーボン戦略の策定以降、交通の分野では、自動車メーカーにおけるEV、電気自動車へのシフト、建物の分野では、新築住宅の省エネ基準義務化に向けた法律改正、さらに、県内企業におきましても、建物のゼロエネルギー化や再エネ電力への切替えなど取組が広がっており、こうした情勢の変化や進展を踏まえ、ゼロカーボン戦略の工程表を作成してまいりたいと考えております。  具体的には、交通、建物、再エネなど各分野における主要な取組について2030年度までの工程表を今年度中にお示しし、県民の皆様と共有するとともに、進捗状況の判断や新たな対応の検討などにも活用してまいります。       〔副知事関昇一郎君登壇〕 ◎副知事(関昇一郎 君)温室効果ガス排出量の市町村などの正確な把握についてのお尋ねであります。  県議会の決議を受けて発出いたしました気候非常事態宣言には、県内で77の市町村に賛同していただき、さらに38の市町村ではゼロカーボンを表明されるなど、県内市町村においてもゼロカーボンに向けた機運が高まっております。  しかしながら、現在国から示されている複数の算定方法では、いずれも全国や県の排出量を案分することなどにより推計を行っておりますので、市町村が脱炭素の取組を独自に行ったとしても市町村ごとの温室効果ガス排出量の削減に直ちに反映されないといった課題がございます。  このため、先月8月25日に、阿部知事が、全国知事会の脱炭素・地球温暖化対策本部長として、西村環境大臣に対して、市町村別の温室効果ガス排出量等の統計整備について要請を行いました。この要請を受けまして、現在環境省では、より正確な都道府県、市町村別の電力・ガスの消費量や再生可能エネルギーの発電実績等を来年度から自治体に提供できるよう検討しているとお聞きしております。  県といたしましては、県内市町村とともにその活用を図ることにより、より効果的な温室効果ガスの削減に取り組んでまいりたいと考えております。  以上であります。       〔企画振興部長清水裕之君登壇〕 ◎企画振興部長(清水裕之 君)私には交通政策に関して2点お尋ねをいただきました。  まず、公共交通活性化協議会についてであります。  昨年11月に立ち上げた長野県公共交通活性化協議会には、国や市町村、交通事業者のほか、利用者代表も参画し、幅広い観点で長野県の新たな交通体系について検討を進めているところです。  議員御指摘の特定線区再構築協議会、こちらは今後具体に制度化されていくものというふうに承知しておりますが、この協議会は、危機的な状況にある鉄道路線を対象として、その在り方について鉄道事業者や沿線自治体間の協議を円滑に進めることを目的に国が設置する協議会とされております。  一方、長野県公共交通活性化協議会は県が主体となって設置し、鉄道、バス、タクシーなどの各交通モードを組み合わせて、官民連携による持続可能な公共交通システムの構築を目的とする協議会であります。  検討に際しましては、県民起点、利用者視点を大切にしながら、広域的な移動についての課題だけでなく、10広域圏ごとに設置しております地域別部会において、各地域が抱える交通課題についても具体的な議論を進めているところであります。  公共交通を取り巻く環境が厳しさを増す中にあって、様々な主体が運行する輸送手段をネットワークとして捉え、県民の暮らしを支えることのできる公共交通システムの実現を図る計画を策定してまいりたいと考えております。  続きまして、バス事業におけるキャッシュレス決済の導入についてであります。  公共交通機関におけるキャッシュレス決済の導入は、公共交通の利便性向上に大きく寄与するものと認識しております。県では、平成31年3月、交通事業者、自治体、学識経験者等で構成する検討会においてJR東日本が提供する地域連携ICカードを軸に検討を進めていく方向性が示されました。  一方で、バス事業者にとりましては、システム導入時の初期費用が大きな課題であると承知しております。  長野県公共交通活性化協議会におきましては、キャッシュレス決済についても議論を行っているところであり、地域住民のみならず、全国から訪れる公共交通利用者が容易に使用可能な決済手段を導入するという観点からふさわしい決済手段や費用負担の在り方について今後さらに議論を深め、合意形成を図っていくこととしております。  県内で多くの方が利用できる決済手段を早期に導入、普及できるよう、協議会での議論を踏まえながら県としての支援についても検討してまいります。  以上です。       〔建設部長田中衛君登壇〕 ◎建設部長(田中衛 君)私には3点御質問をいただきました。  まず、9月補正予算案の効果と県土の強靱化対策の取組についてのお尋ねでございます。  今回の補正予算案には、8月の豪雨をはじめ、今年度の大雨による被災箇所の復旧工事や道路舗装の損傷、河川の堤防破損などの緊急的な修繕を盛り込みました。これにより、災害等で影響を受けている県民の皆様の安全、安心の確保が図られるものと考えております。  また、県土強靱化を進めるためには事前の対策が重要であることから、例えば、土砂災害を未然に防ぐための砂防堰堤の整備や、災害時の交通を確保するための重要な道路ネットワークの機能強化、長寿命化計画に基づくインフラの老朽化対策などに取り組んでいるところです。  5か年加速化対策予算の活用により、県土の強靱化はこれまで以上に進捗が図られていますが、まだまだ行うべき対策が残されている状況にあります。今後も国の5か年加速化対策を積極的に活用し、これらの取組を推進してまいります。  次に、国道19号の代替道路としての県道信濃信州新線の整備についてのお尋ねでございます。  議員御指摘のとおり、県道信濃信州新線は中山間地域の集落を結ぶ生活道路であり、また、国道19号、県道長野大町線、国道406号等の幹線道路を南北に貫き、長野自動車道の信濃町インターチェンジにアクセスする重要な路線であります。加えて、東西方向に延びる幹線道路を結ぶ路線であるため、災害等による幹線道路の通行止め時には代替道路として機能するだけでなく、長野地域や大北地域を連絡する広域的な産業・観光道路としての機能も期待される道路であります。  しかし、昨年7月の長野市篠ノ井小松原地籍で発生した地滑りにより国道19号が半年以上にわたって交通規制されたことから、当路線が迂回路となったものの、狭隘であるため迂回機能を十分に発揮することができず、国道19号に渋滞が発生し、地域住民の皆さんをはじめ、産業・観光面へ多大な影響を及ぼしたところでございます。  県といたしましては、この経験により、改めて、県道信濃信州新線を含め、代替道路の整備の重要性について深く認識したところでございます。こうした路線の重要性を考慮し、近年の激甚化、頻発化する災害等による幹線道路の長期通行止めに際し、道路利用者への影響を最小限とするため、今年度から、災害時における道路の迂回機能強化に取り組んでいるところであり、当路線についても整備を進めているところでございます。  当路線では、現在15か所で道路拡幅などの事業を進めており、本年11月には長野市戸隠上楠川地籍と鬼無里菅谷地地籍に架かる紅葉橋が開通予定となるなど、着実に整備を進めているところです。
     当路線が長野圏域の西側を南北に縦断するいわゆる縦貫道路として道路ネットワークを形成し、国道19号の代替道路としての機能を果たすためには、将来的にはトンネルの建設なども選択肢の一つとして抜本的な対策が必要と考えていますが、まずは事業着手箇所の整備を着実に進め、迂回機能の強化を図ってまいります。  最後に、県内の流域治水に関する現状、今後の取組についてのお尋ねでございます。  長野県流域治水推進計画は、雨水貯留などの留める取組とまちづくりや住民避難などの備える取組について令和3年度から5か年で実施する目標を定め、計画的、集中的に取り組むこととしております。  昨年度は、留める取組として、県有施設に89基の雨水貯留タンクを設置し、212か所の農業用ため池で空き容量を確保するなどの取組を行っております。  また、備える取組として、簡易型河川監視カメラを100基設置し、浸水想定区域図を113の河川で作成するなどの進捗を図ってまいりました。  今年度からは、本年3月に策定したため池を活用した雨水貯留の取組に係る指針の管理者への周知徹底を図るとともに、市町村の雨水排水抑制のためのガイドライン策定などの取組を支援する流域治水キャラバンを行うなど、関係者との連携を強化しながら流域治水の対策が確実に進むよう積極的に取り組んでまいります。  以上でございます。       〔50番風間辰一君登壇〕 ◆50番(風間辰一 君)それぞれ前向きなお答えをいただいたと思っておりますが、幾つかお願いをしておきたいと思います。  観光税についてでありますが、この長野県の美しい自然環境、それから景観、そこへのアクセスといった点を考えたときに、やはり日頃の維持管理の費用は相当なものであるというふうに認識しております。今は、市町村や県で単独の財源から捻出しておりますが、それとて潤沢に予算があるものではありません。  今後、観光地としてブラッシュアップをして、さらに日本一の山岳観光地としてそれを標榜していくと知事の御答弁にもありましたが、そういったものをこれから完成していくためには、特に登山道でありますとか、トイレでありますとか、そういった点の整備が現状遅れている中において、どうしても財源が新たに必要になってくるのだろうと思います。投資してでも直すべき対象が非常に多いと言わざるを得ません。Wi-Fiもしかりであります。こういったところに充てていく財源、信州らしい美しい環境と同時に、それを楽しむ信州の地、観光地であることを求めていく財源であれば私は賛同したいと思っておりますが、いずれにいたしましても、観光業を営む旅館業や事業者の皆様方が実質的に徴収業務を行うわけであります。  さらに、先ほど知事のお話もありましたが、コロナ禍にあって、経営に影響が出ないよう、特に、時期については慎重であるべきだと思います。目的や使途も、賛同を得た上でしっかりと進めていっていただきたいことをお願いしておきたいと思います。  それから、給付型奨学金制度については、知事から、今後幅広く考え、財源に関しても検討するということでございましたが、ぜひともそういう方向で検討していただく長野県政であっていただきたいということをお願いしておきたいと思います。  最後に、県民協働のNPO活動の活性化に関しての答弁がございました。私は、これから先、県行政もそうだし、あるいは市町村行政もそうだし、そういったところの重要な戦力になり得るのがNPOやボランティア団体だろうというふうに考えております。現在、NPOを立ち上げて1年後に解散しているというのが、たしか全国一多いのが長野県だったと思います。そのような状態であってはいけない。むしろ、こういった皆様方のお力を借りながら地域活動を展開していく、そういう県政、あるいは市町村政であっていただきたいと思いますので、ここへの活動資金の支援の在り方をやはり検討しなければいけないと思っております。一部には、地域振興局が持つ元気づくり支援金の使途をそういったところに振り向けていく、こういうことも考えていただきたいと思いますので、ぜひ今後検討していただきたいということをお願いさせていただきまして、私の代表質問とさせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(丸山栄一 君)この際、午後1時20分まで休憩いたします。         午後0時15分休憩          ──────────────────         午後1時20分開議 ○議長(丸山栄一 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  改革・創造みらい代表小島康晴議員。       〔36番小島康晴君登壇〕 ◆36番(小島康晴 君)改革・創造みらいを代表いたしまして質問をいたします。  改めまして、阿部知事におかれましては、4期目の当選、誠におめでとうございます。心からお祝い申し上げます。  今回、選挙に臨むに当たりまして、知事は悩みに悩んだ末に、今投げ出すわけにはいかないと出馬を決意したとのことでした。そして、目の前の課題を乗り切るとともに、その先にある真に豊かな県民生活を実現したいとの熱い思いを訴え、また、3期目の後半は、コロナ禍により思うように県内各地や現場に足を運べなかったことを反省しながら、4期目はぜひ対話を深めたいとの決意を示し、支持を訴えられました。  そこで、まず知事選挙の結果について伺います。  4年前の前回知事選挙では、平成の大合併前の122市町村を精力的に回られまして、県民に訴えました。今回は、コロナの影響もあり、県下77市町村を1回は回ると言わばトーンダウンして、また、期間中、公務に携わりながら、時には公務優先で選挙戦を取り組まれました。  私として印象深かったのは、旧清内路村での演説会でした。平日の昼間にもかかわらず、まさに黒山の人だかり、村中総出という感じで集まっていただき、知事や県政に対する熱い期待をひしひしと感じたところです。  このような結果として、今回の投票率は、前回を下回り、過去最低の40.94%となりました。一方、12の市町村では、僅かながら前回を上回ったところもありました。投票率の向上云々につきましては、当然第一義的には選挙管理委員会の所管に属することは承知いたしておりますが、県民の皆さんの県政への関心の一つのバロメーターとしては、知事あるいは知事部局においても何らかの投票率の分析等は必要との思いからお尋ねいたします。  投票の結果は、61万人余の支持を集められまして、投票した方の88%を得て圧勝されました。一方、全有権者から見ると約3割程度の支持だったということにもなっております。こういったことも踏まえつつ、知事が選挙期間中に訴えられましたことへの有権者の反応など受け止めについて所感を伺いたいと思います。  以下、知事選挙の公約に関わっての県政課題について質問いたしますので、全て知事にお尋ねいたします。  今回知事が訴えた公約は、積極的に次期5か年計画に反映していくことになると思われますが、一方、本年度は県議会が議決しました現行の総合5か年計画の最終年度であります。自然災害やコロナ禍による遅れを取り戻してその実現に全力を傾注すべきところです。  9月1日に発表されたスタートダッシュ・アクション2022、公約から優先的に取り組む10項目は、こうした現行の総合5か年計画の総仕上げと整合を図りながら取り組むべきと考えます。現行計画の総仕上げの取組とスタートダッシュ・アクション2022はどのように両立して取り組んでいかれるのでしょうか。  知事の政策集「信州の明るい未来を拓く121の約束」、以下、公約と略して申し上げますが、その副題には、言わばメインスローガンとして、「確かな暮らしを守り抜く。真にゆたかな社会を創る」とされています。この「真に」の意味するところはどのようなことでしょうか。知事が目指すべき「真にゆたかな社会」とは具体的にどのようなものか。お尋ねしたい。  議案の説明では、「経済的に繁栄し、健康で文化的な人間らしい生活が営まれる社会」と表現されていましたが、当たり前というか、漠然としていると感じます。ぜひ県民の皆さんに分かりやすくお示しいただきたいと思います。  公約の基本姿勢として、県民起点の県政を掲げ、対話と共創を基本にするとされています。選挙中も強く訴えておられました。しかし、知事一人で200万県民と対話するのは当然困難であり、現実的には県職員や市町村長などを通じた間接的な対話が柱になるものと思われます。そうした県民との対話をどう共創に結びつけていこうとお考えでしょうか。  また、この基本姿勢の中では、「光が当たりにくいところにも光を当て」とも述べられています。知事は、3期12年を経過しても、なお光を当てられなかった部分があると認識されているのでしょうか。光が当たらないであろう人々は、県政の情報からもなかなか遠く、さらに県政から見えにくくなるという悪循環に陥りやすいと思われます。こうした方たちに光を当てていくためにどのように取り組んでいかれるのか。基本的な考えをお尋ねいたします。  公約の基本目標や目指すべき社会の方向性の中で、危機克服、現状打破、共創実行を掲げ、今の当たり前を愚直に問い直し、現状を打破することや、社会の新しい当たり前を創出することが述べられていますが、知事として克服、打破すべき今の当たり前とはどのようなことでしょうか。  知事が取り組む重点政策に関わってお尋ねいたします。  4年間の基本目標と私が目指す社会の方向性(ビジョン)を基に121項目にわたる意欲的な重点政策が掲げられています。なおかつ、その最後には、「現時点で重点的に取り組むべきと考える政策を「公約」として取りまとめたものです。もとより取り組む全ての施策を網羅したものではありません。」とありまして、4期目にかける並々ならぬ決意の表れと受け止めております。  ただ、ざっと見ましただけでも、サステナブルNAGANO共創プラットフォーム(仮称)、少子化・人口減少対策推進会議(仮称)、信州自然留学(仮称)、地域戦略推進型公共事業、交通政策局、デジタル地域通貨、未来創造課(仮称)、子ども・子育て支援のための新たな税、パートナーシップ宣誓制度、共生社会づくり調整委員会、学びの県づくり推進会議(仮称)、長野県スクールデザインプロジェクト、学生や社会人の留学制度、地域就労支援センター(仮称)、専門分野登録制度(仮称)などなど、目新しそうなものが盛りだくさんです。  そこで、限られた時間の中で幾つかお尋ねしておきたいと思います。  重点政策の第1に新型コロナ対策の推進が掲げられています。新型コロナ対策については、これまで、第1波から第6波まで各波ごとの振り返りを丁寧に行い、次の取組を打ち立ててきたこと、蔓延防止措置なども慎重に検討を重ねた上で適用してきたことなど、これらの対応は大いに評価するものです。  しかしながら、既に2年半余りが経過しています。根本的な振り返りや総括を行い、来てはほしくないですが、第8波への備え、あるいは今後想定される新興感染症の流行に備えていくべきと考えますが、いかがでしょうか。  「4回目も含めたワクチン接種の促進を図り、重症化予防に努めます。」とされています。ワクチン接種に対する不信感や不安感を払拭することが必要です。私の記憶では、ワクチン接種の当初、ワクチンを打てば感染しない。国民の7~8割が接種すれば集団免疫が得られて感染が収束するといって接種が推奨されました。しかし、実際は、接種をしても感染するケースが続出し、副反応も、人によっては重いものがあり、午前中、部長がためらうと表現されましたが、もう3回目、4回目はいいやとか、やめたいとか、あるいはオミクロン対応のワクチンができるまで少し様子を見たいといった声も聞かれます。  最新の厚生労働省のデータを見ても、10万人当たりで見ますと、未接種の人より2回接種済みの人のほうがほとんどの年代で新規陽性者が多くなっています。3回目接種済みでも三つの年代で同様となっています。  県としても、国などが示す科学的なデータに基づいて重症化しない等の効果、メリットを県民の皆さんに分かりやすく周知して県民の皆さんが納得の下に接種がされるよう進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。  本年3月に公開されましたファイザー社の資料によりますと、4万2,000人に接種した3か月間に1,291種類の特別な注意を要する有害事象、いわゆる副反応のリストが示されています。 そして、1,223名が死亡したとのことです。その症状は多様で、後遺症として正確な診断もできかねる結果、後遺症難民が生じることも懸念されています。コロナ感染そのものによる後遺症も大変ですが、こうしたワクチン接種による副反応が生じた県民への支援体制にも万全を期すべきと考えますが、いかがでしょうか。  原材料等の価格高騰により多大な影響を受けている県民や事業者に対する支援は、第一弾に続き、第二弾が打ち出されました。新型コロナ対策のときの協力金等の反省、支給までに時間がかかる、手続が煩雑過ぎるといった反省を踏まえまして、ぜひ迅速かつ適切に実施していただきたいと思います。  今回、国の緊急支援給付金5万円の支給に対して、県がいわゆる横出しして、生活困窮者物価上昇特別対策事業として緊急支援金3万円の支給を予算化されました。私どもが再三基準の境目の方への配慮をお願いしてきたことについてお応えいただいたものと敬意を表します。  事ほどさように、支援の対象は、制度の境目も含めて、本当に困っている県民の皆さんを救うものとなるように検討、実施していただきたいと考えますが、どのように支援していかれるでしょうか。  県土強靱化の推進など災害に強い県づくりに関わってお尋ねします。  国土の強靱化は、国の3か年緊急対策や5か年加速化対策などにより順次進めてきたところであります。しかし、本来、インフラを適切に管理し、県土を強靱化するためには、経常的な費用として毎年度十分な予算措置を行うべきと考えます。国に対しては、何年間と期間を区切るのではなく、予算の経常化を求めていただきたい。また、県においても県単事業の拡充、経常化を講ずべきと考えますが、いかがでしょうか。  今年も台風や大雨による被害が県内外に出ています。被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。  これまでの災害の経験も踏まえまして、流域全体での治水対策が必要とされています。流域治水の取組推進には、これまでの国や県の治水対策に加えまして、市町村や民間事業者、県民などの流域の関係者全員が参画し、取組を行うことが欠かせない。そしてまた、関係者がそういった意識を共有することが欠かせません。ぜひ県が中心となってその役割を果たし、流域を取りまとめていくことが期待されると思いますが、どのように取り組んでいかれますでしょうか。  少子化・人口減少対策については、様々な施策が公約として掲げられています。6月30日に開催された次期総合5か年計画策定記念講演会で内閣官房参与の山崎史郎さんのお話を伺いましたが、それによれば、先進諸国では、1970年代後半以降、出産時期の先送りが進み、それに伴い、出生率に格差が生じた。仕事と育児の両立が可能だった国は産み戻しがあって出生率が回復したが、そうでない我が国などは産み戻しが低調で、出生率は大きく低下してしまったとのことでした。  こうした分析を私なりに単純に踏まえますと、誰もが安心して育休を取得できることが肝要と受け止めました。我が家も、3人の子供を育てる際、それぞれ約1年、妻が育休を取り、子育てに専念しました。身分は保証されていましたが、収入はなくなり、やりくりに苦労した覚えがあります。それでも、山崎さんによればましなほうだったと言えます。育休の対象、恩恵をあずからないケースがまだ多数あります。  一方、例えばスウェーデンでは、子供が1歳または1歳半までは全ての父親、母親が育休給付を利用するとのことです。誰もが育休を取れる長野県として一点突破で行くわけにもいかないでしょうし、少子化・人口減少対策推進会議(仮称)の設置も結構だと思いますが、山崎史郎さんのあのときの講演会で具体的な提案がございましたので、これを即座に具体化して取り組んでいただきたいと考えますが、どのように取り組んでいかれますでしょうか。  交通や水道など社会的なインフラの維持・発展に関して伺います。  企画振興部に交通政策局を設置し、交通政策を総合的に推進する体制を強化するとされています。それはそれとしまして、以前にも提案しましたけれども、この間のコロナ禍や物価高騰の影響、研究が進んでいます自動運転などの技術開発等も踏まえまして、策定して10年近くが経過する長野県新総合交通ビジョンをまずは見直し、具体的かつ迅速に施策を展開すべきと考えますが、いかがでしょうか。  また、大糸線の利用者減少等が報道で話題となっています。飯田線の沿線に住む者としても、他人事とは思えません。午前中の御答弁で、JRと意思疎通をしっかりし、市町村などともしっかり連携していくというお話でした。ぜひ県として、地域の足、在来線の維持活性化に全力で取り組んでいただくよう要望しておきたいと思います。  リニア中央新幹線の開業に向けては、静岡県に対して課題解決を図るよう知事からもさらに強く働きかけていただきたい。そして、工事の進捗を図っていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。また、リニアバレー構想の実現のために、この4年間は大変重要な時期であると考えています。引き続き県の積極的な取組をお願いしたいところですが、決意のほどを伺いたいと思います。  持続可能な水道事業を確立するため、市町村とともに水道の広域化を推進するとされています。平成26年11月定例会での私の一般質問に対しまして、知事は、「水道事業につきましては、これは一義的には市町村が担うというのが基本だというふうに考えています。」と御答弁いただいています。住民にとって命の水を守る水道事業は基礎自治体の基本的な業務であり、まずは市町村が担うこと、そして、市町村が担い続けられるように県が支援することをまずは優先し、その先に地域の実情によっては広域化を検討する、そういう順番ではないかと考えますが、いかがでしょうか。  また、他県では、水道事業を民営化する事例、動きもありますが、フランスなどの失敗の例を待つまでもなく、直営堅持を基本とすべきと考えます。知事の所見を伺います。  産業の生産性向上と県民所得向上に関わってお尋ねします。  農水省が集落の寄り合いや農地、水路の保全活動の実施状況などを把握してきた農業集落調査の廃止を提起したとのことです。この間、国の統計調査については国民の信頼を失うような残念な事態もありましたが、農業を柱とした地域の政策を推進していく上で重要な根拠となる統計数値は必要であり、ぜひこの農業集落調査を継続するよう国に求めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。また、もし廃止された場合には県として同様の調査、代替策に取り組むべきだと思いますが、いかがでしょうか。  コロナ禍や不安定な国際情勢により、食料自給率の向上や食料安全保障が重要課題と再認識されています。地域レベルで見ても、地域内循環、地消地産の推進の柱は農業であり、その再興が喫緊の課題であると考えています。  2年前の代表質問でも取り上げましたが、農村社会を維持発展させていくために、小農の重要性を再認識し、その価値を高めることが都市の発展にもつながるとした国連の小農の権利宣言が2018年11月に採択されています。  農家の子弟が親元就農を望まないような農業は、持続可能とは言えません。親元就農がどんどん進んだり、農福連携や移住者を含めた様々な担い手が農業に取り組めるように、そして、農業を立て直していけるように支援を強化すべきだと思いますが、お考えをお尋ねいたします。  「契約に関する条例を踏まえ、県発注事業に従事する者の賃金水準が適正なものとなるよう取り組みます。」と公約にもあります。平成26年4月から施行して8年が経過するこの条例では、地域における雇用の確保が図られること、県産品の利用が図られること、県内の中小企業者の受注機会の確保が図られること、その他持続可能で活力ある地域社会の実現に資することなど、さらにまた、県の契約の履行に係る業務に従事する労働者の賃金が適正な水準にあることと、その他の労働環境が整備されていることなどとうたわれております。しかし、実態は、最低賃金ぎりぎりという状況も見られます。この条例の趣旨に沿って、できる限り地元の仕事は地元の業者が担い、結果として働く皆さんの賃金の向上にもつながる、そういうことが期待されると思いますが、契約条例の現状をどのように評価しておられますでしょうか。  環境再生的で分配的な経済の実現に関わってお尋ねいたします。  公約では、「有機農業の拡大等環境に優しい持続可能な農業を振興し」とあります。これまでも有機農業の支援には県として取り組んでこられているところですが、みどりの食料システム戦略では、2050年までに目指す姿の一つとして、耕地面積に占める有機農業の取組面積を25%、100万ヘクタールに拡大するとされています。約30年後の目標とはいえ、なかなか高い目標と思われます。これを達成していくためには抜本的な対応や支援が必要と考えますが、どのように取り組んでいかれますでしょうか。  エシカル消費について、「環境や社会に優しい「エシカル消費」を促進するとともに、「エシカル生産」を広げていきます。」とされています。先頃行われた県政モニターアンケートの調査結果によれば、エシカル消費の認知度は、「知らない」が56.8%と多数を占め、「意味を知っている」は12.8%にとどまっております。比較的県政に関心があると思われるモニターの皆さんの状況、結果としては芳しくないと思われます。  地元の商店で買物をするとか、長く使えるか、本当に必要かを重要視するといった実践をしているという方が約4割いるということは評価できるにしても、やはりエシカル消費を知らない人が6割近いというのは残念な数値でありまして、エシカル消費につきまして、県民の皆さんにどれぐらい理解、評価されていると考え、また、これから県民の皆さんへどう浸透を図っていくか、具体策はあるのか。お尋ねをいたします。  住む人も訪れる人も快適な空間づくりに関わってお尋ねします。  コロナ禍により農家民泊も大変厳しい状況にあります。観光立県長野の実現にとって大切な体験型観光、滞在型の観光による地域づくり、これは、地域内の循環のためにも大切な取組だと思います。これをぜひ巻き返していただきたいと思いますが、どのように取り組んでいかれますでしょうか。  公約の中で、観光客に税負担を求めることも研究するとされていまして、気になるところであります。午前中詳しく御答弁がありましたのでお尋ねはしませんが、財源確保に関わって最後の項目で申し上げます。  それから、やはり国民の負担が増えることについては、御答弁にありましたが、慎重の上にも慎重を期していただきたいと要望しておきたいと思います。  県の森林づくり県民税について延長する方向が示されましたが、コロナ禍や物価高の中で、たとえ年に500円、1,000円といえども国税と県税の負担が重なってくることになるわけでありまして、慎重に対応しなければならないと考えます。延長に当たっては、ぜひ明確な活用方法など税負担の根拠を県民の皆さんに分かりやすく示し、理解を求めていただきたいと考えますが、所見を伺います。  また、森林県から林業県を目指す長野県にとって、林務部はまさに林業県を支える専門部署としての存在価値を高めていく必要があると考えます。林務部の果たす役割について伺います。  性別、障がい、所得等による差別・格差の解消に関連して伺います。多文化共生についてです。  昨年9月県議会定例会で、多文化共生社会に係る基本法の制定を求める意見書を可決したところです。この趣旨に沿いまして、外国人の方が地域社会の構成員として共に生きていくために、県として多文化共生条例を制定するとともに、国に対しても、多文化共生に関わる基本法を制定するよう働きかけていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  日本一の学びの県づくりと題してたくさんの公約が掲げられております。その中で、高校再編や高校改革についても述べられています。少子化は今後もしばらく続くため、特に中山間地域の高校の存続のためには40人学級定数の弾力的な適用の検討を提起した経過もございます。地域に開かれた高校、地域とともにある高校の存続は、地域にとって欠かせないものです。  さきの山崎史郎さんの講演会でも、高校は地域にとって重大な岐路となると提起され、北海道の町立や村立の高校の事例が紹介されていました。子供たちの夢や希望の実現を第一と考えつつ、また、教育内容等については、まずは教育委員会が主体となって考えていたことを大前提としつつも、高校の配置や学科の定員、施設整備や人材確保など、教育委員会とともに県全体として取り組んでいくべきと考えますが、いかがでしょうか。  教員の不足、とりわけ小中学校の教員の不足は全国的な課題となっております。4月1日、年度当初にクラスの担任がいない。年度途中で休む先生がいると、校長や場合によっては地元の町村長が四苦八苦して代替の要員を探すといった状況があります。県議会におきましても、さきの6月定例会で教師不足問題の抜本的な改善を求める意見書を可決し、国に対策を求めたところであります。  平成18年度にへき地手当、準ずる手当が大幅に削減されました。下伊那郡西南部の学校では、県境をまたいで隣の愛知県や岐阜県の学校に行けば、同じ1級地で、向こうは8%、こちらは1%、3年間勤めればその差額は100万円にも上るという試算もございます。こんなことでは教員確保がおぼつかないのは当然と言えます。  県教育委員会においても様々な取組をし、対策を講じていただいておりますが、予算がなければ実現は難しいと考えます。教育委員会任せではなく、予算を握る知事において、教員不足解決、解消する決断が求められていると考えますが、いかがでしょうか。  また、公約の中では、特別支援学校におけるきめ細やかな教育の実現に努めるとされています。しかし、今の特別支援学校の校舎や環境では、絵に描いた餅と言わざるを得ません。この公約を実現していくためには、校舎の改築や抜本的な施設整備を最優先で進めていくべきと考えますが、いかがでしょうか。  いずれも、この三つ、高校の改革、教員の不足、特別支援学校の施設整備等は、結局はお金の話に尽きるわけでありまして、知事の大きな決断が必要であるというふうに考えています。ぜひ前向きな御答弁をお願いしたいと思います。  先般の常任委員会で、公立化された諏訪東京理科大学と長野大学を視察いたしました。地域に四年制大学があって地域貢献や地域活性化に取り組んでいただいていることに感銘を受けました。  高等教育の振興の取組に関連して、信州大学が情報系の新しい学部の設置を目指しておられることについて、県内の高等教育機関、4年制大学の地域バランスに配慮しつつ、県としても積極的に関わり、可能な支援をすることが必要であると考えますが、いかがでしょうか。  働き方改革の推進と就労支援の強化の中で、特定地域づくり事業協同組合の普及、定着を図るとされています。これまで先に取り組んできた小さな拠点や地域運営組織との整合はどのようでしょうか。これらの仕組みや元気づくり支援金、地域振興推進費を生かしまして、集落、町場では町内会からの地域再生、地域自治の再構築を目指すことが必要と考えます。持続可能な地域づくりに向けて自治組織の活性化を県としてもさらに力強く支援すべきと考えますが、いかがでしょうか。  地域医療と介護サービスの充実に関わってお尋ねいたします。  会派の提言でも再三お願いしておりますが、国の地域医療構想について一部統廃合などを求めておりますが、国には撤回を求めていただきたいと思います。  また、新型コロナ対策への対応やその反省も踏まえまして、やはり何といっても地域の実情に見合った医療体制の強化こそが必要と考えます。今後の地域医療体制の方向性はどのようにお考えでしょうか。  地方分権の一層の推進の公約の中で、自治立法権の強化や地方財政の自主性向上など地方分権の一層の推進に力を入れて取り組むとされています。ぜひあわせて、県組織内での権限移譲、あるいは市町村への分権を一層進めていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。  また、その要となるべき地域振興局は5年がたちましたが、どのように評価しておられますでしょうか。その思いといたしましては、以前も申し上げましたが、例えば飯田・下伊那で言いますれば、飯田・下伊那の人が飯田市追手町の県の合同庁舎に行けば、そこにあたかも知事がいて全てのことがそこで済むような仕組み、そんな姿を期待しているという趣旨でお尋ねしたいと思います。  学習する組織への転換と県職員の働き方改革という項目の中で、関連して伺います。  冒頭お話ししましたように、対話と共創を支える県の職員の活躍が期待されています。一方、今回の議会には、職員の定年引上げの条例改正案が提案されています。足かけ10年をかけて定年を1歳ずつ引き上げていきますと、1年置きに定年退職者がいないという年が出てまいります。将来の人員構成を長期的に見据えて、毎年度平準的な職員採用をすることが大切と考えます。また、定年引上げ職員、60歳以上の方の経験を生かしながらしっかり働いていくための方策、これらはどのように考えておられますでしょうか。
     再三お願いしておりますけれども、県の職員について、災害時も想定した人員確保をぜひ検討していただきたいと考えます。とりわけ専門職の確保は大切、重要と考えています。  昨年9月定例会におきまして、私の一般質問に対し、知事は、県職員として採用した保健師を平常時には専門職の確保が難しい市町村へ派遣することも考えるというような御答弁をいただきました。こんなことは具体的にこれから進めていかれるのでしょうか。そのことも含めて今後の職員確保の在り方についてお考えを伺います。  これまで、知事の3期12年間で、知事は、地方事務所を地域振興局に、地方事務所の建築課を建設事務所の管轄に、県税事務所の設立、農業農村支援センターの設置、部の次長制度の導入等いろいろと機構改革をされてきました。本庁においても幾つかの改革をされました。  昨年度、全ての条例の洗い直しをされました。これと同じように、組織、機構についても、ただいま例を挙げた改革の事例も含めて、評価や再見直しを3年置きとか5年置きに行うべきではないかと考えますが、機構、制度の評価、見直しを今後どのように進めていくお考えか伺います。また、特に、導入して2年目となる部の次長制度について知事はどのように評価しておられるのでしょうか。  県及び県・市町村間の行財政システムの改革の推進の項目の中で、「元気づくり支援金について、市町村とともに今後のあり方を検討します。」とされています。しかし、元気づくり支援金、地域振興推進費もそうですが、2年続けてマイナス5%シーリングで削減されてきました。学びと自治の推進のためにも、あるいは最も県政、県の姿を身近に感じてもらえるこの元気づくり支援金を、私としては再三拡充へ求めてまいりましたが、実際には逆で、10億円が8億5,000万円になり、この2年間でさらにそこから1割削減されてしまいました。議論の中で、予算編成に当たっては、元気づくり支援金といえども聖域ではない、聖域としないと言われましたけれども、知事が目指されます地方分権の一層の推進にはそぐわないのではないかと感じます。元気づくり支援金について知事の問題意識はどのようなものでしょうか。  積極財政の展開について伺います。  知事が熱い思いを持って作成され、県民に訴えてきた重要政策に関わって幾つか選んでお尋ねしてきました。121項目と多岐にわたっている施策を見ていますと、その実現にかかる時間とお金が気になります。4年間でできるの、財源はどうするんだと、すぐに横やりが入りそうです。  失われた10年、20年、そして30年と言われ、経済は低迷し、財政は厳しいと言われ、いずれ財政が破綻するなどと脅され続けて、消費税も10%まで引き上がりました。行政改革とか構造改革とか繰り返され、小さな政府などと言われてきました。「あれもこれも」から「あれかこれか」の時代と言われ、選択と集中とうたわれました。私自身も、時にそのように訴えてきました。選択と集中といえば、当然のように考えてきましたが、選択から漏れ、集中から外れた人や事に思いを致さねばいけなかったのではないかと反省もしています。  やはり県民起点、生活者起点で、あれもこれもを目指さなければならない、そんな思いをしていたところ、今年の6月、経団連の21世紀政策研究所が、中間層復活に向けた経済財政運営の大転換という報告書を取りまとめ、公表しました。かいつまんで紹介すれば、日本を成長軌道に戻し、中間層を復活させるためには、積極財政による新たな経済財政運営へとかじを切ることを提起しています。かつて小さな政府や構造改革の旗振りをしてきた経団連のシンクタンクがこうした方向転換を打ち出したことには驚きでありますけれども、我が意を得たりと感じているところでもあります。  この大転換という提言にあるように、国の経済財政運営を緊縮財政から国民生活を守る積極財政へと転換すること、そして、それによって地域も元気にしていくということについて、最後に知事の所見を伺います。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)改革・創造みらい、小島代表の代表質問に順次お答え申し上げたいと思います。  まず、選挙期間中に訴えたことへの有権者の反応などの受け止めというお話であります。  今回、61万5,728票と、投票率は前回に比べて低下いたしましたが、多くの皆様方から御支援いただく中で当選させていくことができたことは、まず率直にありがたく思っておりますし、併せて責任の重さを改めて痛感しているところであります。  今回、遊説活動は十分にできませんでしたけれども、私の思いを訴えかけさせていただきました。県民の皆様方との対話の機会は限られていたものの、少し時間があるときに集まっていただいた方とお話しすると、今、コロナ禍とか、物価高騰とか、やはり生活に身近な課題、悩み、こうした問題であったり、あるいは道路整備をはじめとするインフラ整備、さらには、特に被災地を訪れた場合であったからかもしれませんけれども、やはり防災・減災、災害対策に対する多くの皆様方の御期待を感じたところであります。今後とも県民の皆様方の声をしっかり受け止めさせていただく中で、御期待に応えられるように県政を進めていきたいというふうに思っております。  それから、総合5か年計画の仕上げとスタートダッシュ・アクション2022の関係という話であります。  ここで申し上げているように、総合5か年計画、現行計画については、まずはしっかり総仕上げに取り組んでいきたいというふうに思っております。  スタートダッシュ・アクション2022が仕上げに影響するのかというお話でありますが、御存じのとおり10項目であります。物量的にウエートが高いのは、コロナ対策や価格高騰対策でありますので、そういう意味では、現行総合5か年計画の中には想定されていなかったというようなものであります。その他のものについて、総仕上げを邪魔してしまうようなものでは決してないというふうに思っておりますし、社会経済がどんどん変わる中で、逆に5年前に制定した計画を粛々とそれだけやればいいということは実態にはそぐわないというふうに思いますので、総仕上げにしっかり取り組むと同時に、次の取組に向けた準備もしっかり進めていきたいというふうに思っております。  それから、真に豊かな社会についてのお尋ねでございます。  経済的に繁栄し、健康的で文化的な人間らしい生活が営める社会、これは、提案説明で申し上げたわけでありますが、経済的なゆとり、精神的なゆとり、豊かさ、こうしたものが両面ある社会だというふうに思っています。  小島議員の質問にも、いみじくもこれは当たり前ではないかというお話がありましたが、私は、公約の中で、まさに当たり前が本当に当たり前にできているのだろうかという問題提起もさせていただいたところでありまして、憲法上は生存権や幸福追求権が定められているわけでありますが、そうしたものを本当に現実社会で実現しているのかと。格差、貧困、そうした状況から抜け出せない人たちがいたり、先ほどの奨学金の議論、風間先生からも御質問いただいてお答えしましたけれども、所得の格差が教育の格差になってしまっているのではないか。あるいは、長時間労働を強いられてなかなか家庭に割く時間が取れないとか、これでは本当の意味での豊かな社会ではないというふうに私は思っておりますので、そういうことを打開していかなければいけないと。そういう観点で「真にゆたかな社会」というふうに申し述べさせていただいております。  それから、県民の皆様方との対話をどう共創に結びつけるのか。  これは、対話イコール全て共創では必ずしもないというふうに思います。まずは私自身、対話はしっかり行っていきますが、もとより御質問にあったように、私が全て県の対話を引き受けるつもりは全くありません。むしろ県職員一人一人が対話を心がけ、そして、県組織全体として共創を進めていくということが重要だというふうに思っています。  これまでも政策対話ということで取り組んできていますが、こうした取組をもっともっと広げていきたいと思いますし、また、例えばゼロカーボン社会共創プラットフォーム、あるいは信州アーツカウンシル、新しい共創の場もつくりつつありますので、こうした場を活用してテーマ別にも共創をしっかり進めていきたいというふうに思っております。  それから、12年もやって光が当たらなかった部分があるのかという御質問、それから、どうやって光を当てていくのかという御質問であります。  光が当たらなかった部分、これはもう永遠に取り組まなければいけないというふうに思います。先日も、職員の提案から県庁舎の男性用トイレの個室にサニタリーボックスを設置するということを私は会見で発表しましたが、私は会見で発表する直前まで詳しい中身は全く知りません。職員がしっかり自分たちの問題意識で組み立ててくれたわけで、大変ありがたいことだというふうに思っています。  先ほど、対話と共創を私だけがやるのではないというお話を申し上げましたけれども、私だけが光が当たらないところに光を当てるわけではもちろんないわけでありまして、やはり県庁全体がそうした姿勢で取り組んでいかなければいけないと思いますし、まだまだ対応すべきことはたくさんあるというふうに思います。どう取り組むかということについては、まずは県民の皆様方がどういう思いを持たれているのかということをしっかり把握する上での対話は重要だと思います。  先日も不登校を考える県民の会の皆様方と対話をしましたが、具体的な政策よりも、まずは対話の機会をもっと増やしてほしいという御要請がありました。  また、先ほどのサニタリーボックスの設置のように、やはり感度よく世の中の動きをしっかり把握していくということが、この光が当たりにくいところに光を当てていく上では極めて重要だというふうに思いますので、県職員を挙げてそうした取組をしっかり行えるように、対話と共創、そして、新しい時代、環境にしっかり適合した対応をしていくということを意識して日頃の仕事を進めていくようにしていきたいと思います。  それから、今の当たり前とはどのようなことかという御質問でありますが、先ほど申し上げたように、真に豊かな社会をつくっていきたいというふうに思っております。そうしたことを考えたときに、例えば都会と比べて地方は仕方がないというふうになっている。交通は不便でもしようがないよねという、これが当たり前になってしまっているのではないかと思いますけれども、それは本当に当たり前という諦め感があっていいのかというふうに思いますし、また、先ほど教育についてもお話をしましたけれども、例えば教育はお金がかかって当たり前、そういうことも見直していかなければいけないのではないかというふうに思います。  日本の社会の場合はまだまだ自己責任という考えが非常に強い部分があるというふうに思いますけれども、そうしたところも今後は乗り越えていかなければいけないと思いますし、そういう部分が一番最後に御質問いただきましたけれども、まさに財政の役割はどうあるべきかということにもつながっていく課題だというふうに思っています。  それから、コロナ対応でありますけれども、第8波、新興感染症への備え、根本的な総括を行った上で備えてはどうかという御質問であります。  これまで、第6波まで毎回毎回振り返りを行わせていただき、公表してきました。第7波についても、もう少し感染状況が落ち着いた段階でしっかり振り返りをしていきたいというふうに思います。  根本的な振り返り、総括というお話でありますけれども、私の実感としては、第1波への対応と第7波への対応は全く違っていますので、それを一体的に総括して論じることはなかなか難しいし、実際、それをトータルで次に役立てるというのは、どうすればいいのかなというのが率直な私の思いであります。  次の変異、また違うウイルスが出てくる可能性がありますので、我々のこれまでの経験、蓄積もしっかり踏まえながら、次の波が来たときにはどういう対応が選択肢としてあり得るのかということをしっかり頭の体操をしながら備えていきたいというふうに思いますし、また、今後想定される新興感染症については、やはり国全体で制度、仕組みをしっかりしてもらうということが重要だというふうに思っております。  現在国で感染症法等の改正を検討しているところでありますし、また、今回のコロナを踏まえて、新型インフルエンザ等対策政府行動計画の改正も行われるのではないかというふうに思いますので、そうした動向を見極めながら対応していきたいと考えております。  それから、ワクチンでありますけれども、分かりやすくというのは全くそのとおりだというふうに思います。我々もできるだけそうしたことに努めてまいりました。  一つは、アドバイザーチーム、専門的知見を持つ医師の皆様方のチームをつくって御助言をいただく中で広報、啓発を行ってきております。国の審議会で示されたデータは、一般の方には必ずしも分かりやすいわけではありませんので、そうしたものを平易にお知らせする広報チラシも作成したりしています。  また、新聞広告等でも周知に取り組んできたところでありまして、4回目の接種率は全国の60歳以上の対象者人口に対しては2番目の高さということで、一定程度こうした努力の結果ではないかなというふうに思っております。  ただ、御指摘のように、これからまたオミクロン株対応ワクチンの接種が本格化してくるわけでありますので、引き続き分かりやすい広報啓発、そして、専門家の皆様方の御意見もいただく中で、より正確な情報提供に心がけていきたいというふうに思っております。  それから、後遺症、ワクチン副反応への支援体制ということでございます。  後遺症につきましては受診・相談センター、そして、副反応についてはワクチン接種相談センターでそれぞれ看護師資格を持つスタッフを常駐させて24時間体制で対応してきております。各相談センターにおきましては、症状に応じて適切な医療機関の受診を御案内させていただくほか、場合によっては救急搬送の要請を助言するなど、個々の相談にきめ細かく対応させてきていただいております。また、身近な医療機関での治療が困難な症状がある方が速やかに専門的な医療機関を受診できる体制も確保してきております。  今後、オミクロン株対応ワクチン接種の本格化に伴いまして、必要に応じて体制拡充などの準備をしていきたいというふうに思います。引き続き県民の皆様方が安心できる支援体制を維持発展させてまいりたいと思います。  価格高騰対策の迅速、適切な実施と本当に困っている県民への支援という御質問でございます。  このたびの第二弾の策定に当たりましては、県民の皆様、事業者の皆様方の声を真摯にお伺いして、そうした中で実情に即したきめ細やかな取組となるよう取り組んだところでございます。  まず、県内消費の拡大と飲食店の支援を行うためのプレミアム食事券の発行につきましては、事業者の事務負担の軽減、そして、できるだけ早く現金が事業者に届くという観点から、電子チケットという形を取らせていただきたいというふうに思っております。  また、御質問でも触れていただきましたけれども、生活困窮世帯緊急支援金(仮称)事業については、国の給付金の対象者以外の方も価格高騰の影響を受けているので、できるだけそうした方々も支援しようという思いで制度設計をしたものであります。  また、直ちに料金の引上げを行うことが難しい公衆浴場や福祉施設、医療機関、私立学校、こうした事業者に対しての必要な経費の助成を行わせていただきたいというふうに思っております。引き続きこうしたきめ細やかな配慮を行う中で、本当に必要なところに十分な支援ができるように取り組んでいきたいというふうに思います。  それから、県土の強靱化のための予算の経常化と拡充という御質問であります。  これにつきましては、国に対しても再三お願いしてきているところでございます。また、県としても、厳しい財政の中ではありますけれども、予算の確保に努めてまいっているところであります。特に、今回の補正予算案におきましては、道路の舗装、河川の堤防破損、こうした部分の緊急的な修繕を行うための土木インフラ緊急修繕対策費を県単独事業として計上させていただいたところであります。引き続き土木インフラの適切な整備、管理と予算の在り方について考えていきたいと思っております。  続きまして、長野県新総合交通ビジョンを見直してはどうかという御質問であります。  平成25年に長野県新総合交通ビジョンを策定いたしました。これは、目指す将来像として、県民の日常生活を支える交通を確保する、県内各地を快適につなぐ、全国各地や海外へ広がる、こうした三つを示しているところであります。  令和9年を目標年次として将来像や視点をお示ししていますが、今、コロナ禍、物価高騰で社会経済環境が変化をしてきておりますけれども、基本的な方向性については今の時点でも通用するのではないかというふうに思っております。むしろこのビジョンに掲げている方向性をいかに具現化するかというところが重要だというふうに思っております。そういう意味で、現時点では、官民連携で地域公共交通計画の策定を進めているという状況でございます。  それから、在来線の維持活性化については努力をしていきたいと思っております。  それから、リニア中央新幹線開業に向けての取組ということで、まず静岡工区でございますけれども、これは、県内の経済団体や各地区の期成同盟会等で構成しておりますリニア中央新幹線建設促進長野県協議会におきまして、令和2年度から、JR東海に対して、関係者間の協議を積極的に進め、早期着手を図るよう決議し、要請しているところであります。  また、静岡県は7月から沿線都府県で構成している期成同盟会に加盟いたしました。私どもと方向性は同じだという前提で加盟をしてもらっておりますので、課題解決に向けて積極的に取り組んでいただきたいというふうに思っております。  また、リニアバレー構想につきましては、沿線、伊那谷地域の皆様方と一緒に取り組んできたわけでありますけれども、広域二次交通、広域観光、企業誘致、こうしたものをできるだけ早く具体化していくことができるようにしっかり取り組んでいきたいというふうに思います。コロナの関係で対面での会議等に少し制約がありましたけれども、リニア開業に向けてもう一度しっかり関係者間の結束を強めて、私も先頭に立って取り組んでいきたいというふうに思います。  それから、水道事業についてでございます。  水道事業につきましては、御質問にありましたように、市町村に対する支援はこれまで国や県で行ってきています。財政的支援や技術的支援を行っているところでありますが、一方で、人口減少に伴います水需要の減少や施設の老朽化、人材の不足、こうした様々な課題に水道事業が直面している状況の中で、市町村の皆様方も広域化の必要性について十分理解されているというふうに思っております。そういう中で、県としては、地域の実情に応じた適切な広域連携策が講じられるように市町村との協議を進めているところであります。  また、広域連携のみでは十分な効果が得られない中山間地等の小規模水道に対する支援の在り方についても有識者等の御意見をお伺いしながら検討しているところでございます。  民間のノウハウを活用するという観点でありますが、これは、業務の一部を委託するというものから、全面的、コンセッション方式まで様々なレベルがあるわけであります。私としては、水道事業はいわゆる社会的共通資本に属するものだというふうに思っておりますので、単なる市場原理や、単に効率化すればいいというものではないだろうというふうに思っています。そうした観点で、各水道事業者の皆様方に適切に御判断いただくべきものというふうに考えております。  続きまして、農業集落調査についてであります。  農林業センサスにおきます農業集落調査につきましては、近年、各自治体が定める個人情報保護条例によりまして、調査対象であります農業集落の事情に精通している方の把握自体が困難となっているということなどから廃止を検討されているというふうに承知しています。県としては、中山間地域の農業集落の活動状況を把握するために必要な調査であると考えておりまして、国に対しては調査の継続を求めていきたいと考えております。  なお、本調査は、国が全国一律で実施することが必要だというふうに考えておりますので、県が単独で代替調査を実施するということは想定しておりません。  それから、農業の担い手支援の強化という御質問であります。  まず、本県の農業経営体の9割を占める家族農業は、農業生産だけでなく、地域コミュニティーの維持など農村の活性化に大変重要な役割を果たしていただいていると考えております。そのため、これまでも農業農村支援センターによる技術支援や補助事業等家族農業等への支援を行ってきているところであります。  しかし、近年、家族農業を継承する親元就農は減少しているという状況であります。また、支援策も必ずしも十分ではないというふうに考えておりまして、今後は、国に対し、支援策の拡充を一層強く求めてまいります。また、県としても、親元就農を増やすための新たな支援策が構築できないか検討していきたいと考えております。  さらに、多様な担い手を確保する観点から、農福連携につきましては、農業者と障がいのある方とのマッチングのさらなる促進、そして、移住者等に対しては、農ある暮らしに取り組む方へのサポート体制の強化、こうしたことを通じて、農業・農村の持続的発展を目指して取り組んでまいります。  契約に関する条例の現状に対する評価という御質問でございます。  契約に関する条例につきましては、今まで取組方針に基づいて様々な取組を進めてきておりまして、一定の成果を上げてきたものというふうに考えております。  まず、賃金水準の御質問でありますが、県発注事業に従事する者の賃金水準につきましては、低入札価格調査制度等のダンピング対策や、清掃・警備業務における複数年契約の実施等によりまして、建設労働者の賃金調査に基づく労務単価は条例施行前の平成25年度と比べ約1.3倍に、また、清掃・警備業務に従事する者の平均賃金は、ダンピング対策に取り組んだ平成28年度と比べ約1.2倍ということで増加しております。  また、より身近な地域での受注ということでありますけれども、入札参加資格を原則県内本支店とすること等により県内事業者の受注率は高水準を維持しておりますほか、特に建設工事につきましては、金額に応じたブロック要件の設定や本店所在地を評価する総合評価落札方式の導入などによりまして県内10ブロックごとの地元受注率が増加するなど、一定の成果があるというふうに認識しております。  続きまして、みどり戦略を受けた有機農業支援についてという御質問でございます。  県では、有機農業の推進に向けまして、有機農業推進専任担当の配置や有機農業推進プラットフォームの開設、農業者や消費者が地域ぐるみで行う有機農業勉強会などへの支援を行ってきているところであります。  有機農業につきましては、生産面では全ての農業者が容易に取り組める普遍的な技術が確立されていないこと、消費面では有機農産物の生産に係るコストや労力が反映された価格で取引されていないことなどの課題がございます。  今後は、有機農業の取組が着実に広がるよう、生産面では熟練有機農業者が実践されている栽培技術の収集と分析の実施、消費面では学校給食を通じた有機農産物への理解促進や直売所等への有機農産物販売コーナーの設置等に取り組んでまいります。  有機農業につきましては、持続可能な社会をつくっていく上で重要な役割を果たすものであることを意識して施策を進めてまいります。  続きまして、エシカル消費についてでございます。  県政モニターアンケートの結果を見ますと、エシカル消費という言葉については、御指摘のとおり、まだまだ普及度合いが極めて低いなというふうに感じています。その一方で、約6割の方が地元産を選んだり地元商店で買物をするといったようなことで、エシカルな消費行動を実践されている方は一定程度いらっしゃるというふうに思っております。  そういう観点で、エシカル消費については、エシカル消費というものを御理解いただき、また、それを日常生活の中でも実践に結びつけていくということが重要だというふうに考えています。  今年度、株式会社デリシア様と連携協定を結んで、エシカル消費の解説をチラシに載せていただいたり、また、エシカルな商品を店頭で明示をしてもらったり、また、商品購入に対してポイントを付与してもらったり、そうしたことでエシカル消費の推進を図っていただいているところであります。こうした取組を今後はより多くの事業者に広げられるように取り組んでいきたいと考えております。  続きまして、体験型観光や滞在型の観光地域づくりをどのように巻き返していくのかという御質問であります。  旅行目的の明確化、アクティビティー人気、こうしたことでコロナ禍の中で旅行の需要は大分変化してきているというふうに考えております。そういう中で、本県の強みや特性を生かしていく、そして、ウィズコロナ、アフターコロナを見据えた取組を積極的に進めていくということが重要だと考えております。  このため、今年度は、SDGsを学ぶ体験など付加価値を高めた修学旅行への支援や、狩猟やライチョウ観察など本県ならではの体験を組み込んだ旅行商品の造成に取り組んできています。また、滞在型観光としては、ワインバレーと連携したワインツーリズム、あるいは諏訪、安曇野におけるサイクリングツーリズム、こうした取組を支援しております。  今後とも、事業者、観光関係者の皆様方としっかり連携しながら、体験型、滞在型の広域観光地域づくりに取り組むとともに、精力的にプロモーションを行っていきたいと考えております。  税については、しっかり受け止めて対応していきたいというふうに思います。  続きまして、森林づくり県民税の延長に当たっての活用方法などの明示という御質問であります。  今回公表いたしました長野県森林づくり県民税に関する基本方針案におきましては、森林の若返り促進と安全・安心な里山づくり、森や緑、木のぬくもりに親しむことのできる環境づくり、森林・林業活動に取り組む多様な人材・事業体への支援といった現下の緊急テーマと、加えて、病害虫被害対策やライフライン等の保全対策など地域課題の解決、こうした大きく四つの柱に絞って活用施策をお示ししているところでございます。また、具体的な事業内容、必要額、納税者1人当たりの負担額等もお示しさせていただいたところであります。  また、林務部門が果たすべき役割という御質問でありますが、林務部におきましては、森林・林業の専門家でありますので、私としては、ぜひ森林県から林業県、産業としての林業振興、この転換をしっかり進めてもらいたいというふうに思います。その一方で、森林の公益的、多面的な機能の保全、とりわけゼロカーボン社会の実現に向けた吸収源としての森林保全、こうした森林の役割をしっかり引き出すことができるように取り組んでいってもらいたいというふうに思っています。  続きまして、多文化共生条例の制定と国への基本法制定の働きかけについてという御質問であります。  外国人の定住化が進み、今後も増加が見込まれる中、地域や職業生活におきまして、より一層外国籍、外国人の方に活躍いただくことが期待されております。  ただ、一方で、様々な課題もございます。子供たちの教育、職場での偏見、こうしたことに加えて、出入国、在留管理の在り方など我々地方公共団体では解決できない課題もございます。共生社会をつくっていく上では、まずは国が基本法を制定していくことが必要だというふうに考えており、そのための要望も行ってきているところでございます。  現在、長野県多文化共生推進指針によりまして、基本目標や役割を明確にして総合的な施策を展開しているところでありまして、現時点では直ちに条例の制定が必要だというふうには考えておりません。  続きまして、高校改革を教育委員会とともに県全体で取り組むことについてということでありますが、当然取り組まなければいけないというふうに思っております。もとより教育本体は教育委員会の所管であり、権限であるわけでありますけれども、しかしながら、御指摘にもありましたように、予算編成は私の権限でありますし、また、特に高校教育は地域の産業や地域の魅力づくりにとって非常に重要な役割を果たすわけでありますので、教育委員会だけに頑張ってもらうということではなく、県庁全体で取り組んでいかなければいけないというふうに思っています。  私としては、実は県立高校は県の施設として最も各地にある施設でありますので、そうした施設をもっと多面的な学びの拠点として活用できないだろうかという問題意識や、白馬高校の国際観光科のように特定の学科についてはもっと全国から生徒を集められないのだろうかとか、中山間地域における重要な拠点にもなりますので、地域と連携した魅力ある拠点として活用していくことができないのだろうか。また、社会の変化に適応する人材を育成するという観点では、例えば情報科をどんどん増やしていくこと、環境学習をもっと強化できないだろうか、こういう問題意識を持っているところであります。  教育委員会においても、そうした観点、問題意識を持ちながら御検討いただけているものというふうに認識しておりますので、引き続きしっかり連携しながら県民の皆様方、地域の皆様方に期待していただけるような高校改革になるように取り組んでいきたいというふうに思っております。  それから、教員不足の解消についてということでありますが、教員の不足は本県においても課題だというふうに思いますし、私としては、ぜひ子供たちのためには、意欲と能力のある教員をしっかり確保してもらいたいというふうに考えております。  教員不足の解消のために必要な予算については、引き続き教育委員会からの御要望をしっかり踏まえて判断していきたいと考えております。  特別支援学校の校舎の改築についてであります。  施設の老朽化、狭隘化はこれまでも県議会で再三にわたって御指摘を受けていますし、私も問題意識を持っております。平成28年度からは、修繕改修の予算を従来の3倍にしたり、また、昨年度の1月補正予算での校舎増築等で対応したところであります。また、老朽化が深刻な松本養護学校と若槻養護学校の改築には着手したところであります。
     こうした整備に当たりましては、長野県スクールデザインプロジェクトによりまして、建築の専門家をはじめ、児童生徒や保護者、教職員、地域住民の御意見も取り入れながら、ZEBの実現や学習空間のデザインにも十分配慮して、児童生徒にとって望ましい質の高い学習環境となるように取り組んでいきたいというふうに考えています。  特別支援学校にはまだ取り組むべき改築がたくさん残っているわけでありますけれども、私としては、県全体の予算の中でも優先順位が高いものというふうに考えております。児童生徒数の将来推計や建物の状況等を十分把握させていただきながら、できるだけ早期に整備が進むよう教育委員会とともに取り組んでいきたいと考えています。  続きまして、信州大学の情報系学部の新設についてでございます。  本県では、これまで産学官が連携して信州ITバレー構想を推進する中で、IT人材の育成確保に取り組んできております。そういう観点から、信州大学が情報系学部を新設して、現在、幅広い産業で不足しているIT人材の育成に取り組んでいただくことに大きく期待しているところでございます。  一方で、新学部の設置は、国立大学法人としてのビジョンや計画に沿って信州大学自身が責任を持って決めていくべきものであり、我々としては大学の考えを尊重していきたいと考えております。  なお、国立大学法人の新たな学部設置や運営に要する経費については、本来は国の責任において対応すべきものというふうに考えております。地域がお金を出さなければ学部ができないなどということは決してあってはいけないというふうに思っておりまして、国の教育未来創造会議においてもそうした趣旨の提言をさせていただいたところでございます。  続きまして、特定地域づくり事業協同組合、小さな拠点、地域運営組織の整合性と自治組織の活性化への支援という御質問であります。  特定地域づくり事業協同組合制度は、中小企業等協同組合法に基づく事業協同組合が、人口の急減に直面している地域において、地域の仕事を組み合わせることで通年雇用の場等を確保して地域の担い手の確保定着を目指すものであります。  小さな拠点は、集落生活圏における生活サービス機能や地域活動の拠点施設を一定程度集積、確保している施設や場所、地区、エリアを指すものであります。また、地域運営組織は、地域住民自らが地域課題の解決に向けた取組を持続的に実践する組織であり、小さな拠点の運営を担うケースもあります。これらは、設置目的や形態がそれぞれ異なる制度でありますけれども、いずれも地域の自治的活動を支える仕組みとして、市町村が主体になり、責任を持って活用を行っていると認識しております。  こうした地域における担い手の確保や地域コミュニティーの維持活性化などの主体的な取組がさらに進むよう、制度の普及促進など県としても市町村に対して必要な支援を行っていきたいと考えております。  地域医療であります。今後の地域医療体制の方向性についてという御質問であります。  現在取組を進めております地域医療構想は、病床の削減そのものを目指すものではなく、既に各地域の地域医療構想調整会議において、それぞれの実情に応じた主体的な協議に基づいて病床機能の転換等の取組が進められているところでございます。  一方、今般の新型コロナウイルス感染症対応では、医療機関相互の役割分担と連携が、平時はもとより、有事においても極めて重要だということが再認識されたところであります。  今後の地域医療体制の強化の方向性としては、こうした経験も踏まえながら、各医療圏内での医療機能の分化と連携を進め、急性期から回復期、慢性期、在宅医療までの流れを確保すること、また、遠隔医療の活用等によりまして、中山間地域等においても必要な医療が確実に受けられる体制を構築すること、また、新興感染症等の感染拡大時における医療提供体制を平時から確保すること、こうした点が重要だというふうに考えております。各地域の医療構想調整会議の中で検討するとともに、令和5年度中に作成予定の次期保健医療計画に反映していきたいと考えております。  それから、組織内分権の御質問でございます。  長野県では、本年4月の時点で、知事部局においては、現地機関に3,187の事務、市町村に660の事務を移譲してきております。地域振興局を設置した後の期間で見ても、現地機関に対しては自然公園法に基づく計画認定等269事務、市町村に対しては屋外広告物条例に基づく報告の徴収等25事務を移譲しているところでございます。今後とも現地機関及び市町村への権限移譲を推進していきたいというふうに思っております。  また、地域振興局の評価という御質問でございます。  現場の最前線で局長をトップに責任を持って地域課題に向き合ってもらっているというふうに考えております。特に、災害時や今般の新型コロナウイルス感染症等平時と違う業務が出てきたときには、局長に横断的に対応していただけているのは非常に私としては助かっております。また、市町村長の皆様方とお話をしても、局長の皆さんは非常によく意思疎通をして地域の声も聞いてもらえているということをおっしゃっていただく首長の方が非常に多いというふうに思っております。今後とも、複雑多様化する課題に対して、局長のリーダーシップの下、地域の期待にしっかり応えていくことができるような組織にしていきたいというふうに考えております。  続きまして、定年引上げに伴う採用と定年引上げ職員の活用方策についてという御質問でございます。  本県の組織は、50代が約4割、40代が極端に少ないということで、年齢構成が非常にいびつな状況になっております。このため、現在50代の職員が退職しますと、管理職を担う層の不足、若手職員への知識・経験の伝承ができない、こうした課題が出てしまいます。  定年の段階的な引上げ期間中は2年に1度しか定年退職者が生じないという形にはなりますが、年齢構成は引き続き平準化を図っていかなければいけないというふうに考えておりますので、毎年度一定数の採用は行っていきたいと考えております。  また、今般の定年引上げにおいて重要なことは、高齢層の職員が持つ知識や経験をどう生かしていくのか、また、そうした職員のモチベーションをどう維持していくのかということだというふうに思います。  先ほど申し上げたように、なかなか若手職員への知識、経験の伝承が難しい状況になっておりますので、若手職員の指導役、つなぎ役としての役割を果たしていっていただくことを期待していきたいというふうに思いますし、新たな職をつくるということも含めて検討する中で、モチベーションを維持しながら活躍していただけるような組織を考えていきたいというふうに思います。  それから、災害時を想定した人員確保についてという御質問であります。  非常時におきましては、平常時との切替えをどうしていくかということが重要であります。非常時においても平常時と同じような業務を粛々とこなしていては、とてもではないけれども仕事が進みません。そういう意味では、今回のコロナ対応のように、推進すべき業務と、一旦立ち止まる、一旦停止する業務を切り分けて、業務の一時停止により余裕が生じた職員を災害対応に振り向けるといったような臨機応変な対応が必要だというふうに考えています。その上で、非常時においてさらに不足する人員があれば、臨時的任用であったり、任期付採用であったり、こうした制度を活用していきたいというふうに考えています。  なお、自然災害や感染症蔓延時の非常事態時に最前線で対応いただく可能性が高い土木職員や医療関係職員は厳しい採用状況にありますけれども、現在は積極的な人員確保に努めている状況でございます。  また、御質問にありました昨年9月の一般質問において私が答弁した人材確保策、県からの派遣でありますけれども、今回、スタートダッシュ・アクション2022で専門人材の確保策を市町村と検討していくということを書かせていただきましたが、もとより県として採用した職員を市町村に派遣するといったようなことも含めて考えていく必要があるというふうに思っております。最善、最適な在り方を市町村と一緒に検討していきたいと考えております。  それから、機構制度の評価、見直し、次長制度の評価についてという御質問でございます。  県の組織、機構につきましては、毎年、各所属の業務執行状況を見て、その在り方や規模、さらなる業務効率化の余地等を評価し、一方で、社会経済情勢は大きく変化しておりますので、新たな行政需要にも対応できるようにという観点で常に必要な見直しを行っているところでございます。引き続き毎年毎年こうした見直しを行っていきたいと思っております。  また、次長につきましては、部局横断的な課題への対応や各部局内の連携促進等を目的として令和3年度に設置したところであります。これまで、横断的な視点を要する施策や、なかなか施策としての熟度が十分でないような案件を自由闊達に次長間で御議論いただいてきているところでありますし、部局間の連携の促進に重要な役割を果たしてきてもらっているというふうに考えています。  また、今まで、長野県は、部長からいきなり課長でありましたけれども、部長の補佐役、あるいは部長代理ということで内外の困難事案の調整にも取り組んでもらっています。そういう意味で、県政運営に貢献してきていただいていると思っておりますので、今後ますます次長としての役割を発揮して、県政全体を見ながら取組を進めていってもらいたいというふうに思います。  元気づくり支援金に対する問題意識ということでございます。  まずは効果的な事業が減少傾向にあるというふうに報告を受けていますし、第三者評価の中でも、例えば一過性の取組にとどまってしまっているとか、あるいは広く住民を巻き込めず発展性が認めにくいとか、本来の趣旨に照らしたときに課題がある事業も認められるというふうに認識しているところであります。  また、私としては、これは県の予算で実行するわけでありますので、もちろん地域の皆さんには喜んでいただいていますし、私も、地域へ行くと、元気づくり支援金でこれができてよかったと非常に喜んでもらえているということはあります。ただ、毎年数億円、何年もかければ数十億円単位で一般財源を投入する成果として何を見出していくのかという観点も含めてしっかり考えていかなければいけないというふうに思っております。県として何を目指すべきものとして位置づけるのかということも含めて、支援金の在り方について検討していくことが必要だというふうに考えています。  それから、経団連のシンクタンクであります21世紀政策研究所がエコノミスト、研究者の見解を取りまとめた中間層復活に向けた経済財政運営の大転換について、緊縮財政から積極財政への転換についての知事の所見という御質問であります。  私も、必ずしも全部を詳細に把握しているわけではないので申し訳ないのですけれども、基本的に従来型の成長戦略とセットの緊縮的な財政運営を転換しようということが言われているわけでありますが、私自身は、財政の役割をしっかりと世の中で認知してもらって、その役割を強化していくという方向性については賛成であります。  しかしながら、この提案を見ると、先ほども少し観光振興財源の話をしましたけれども、財源確保のところが抜け落ちているというか、むしろそうしたことは不要に近いような議論になっているのではないかというふうに思います。今、我が国は世界の中でも突出して国債残高が多い中で、本当に未来に向けて責任を持てるのかという点について私としてはいささか疑問があるところであります。  同じ積極財政の視点ではありますけれども、最近、慶應大学の井手英策教授が、ベーシックインカムではなくてベーシックサービスということを提唱されていらっしゃいます。これは、基本的には、消費税を原資として、教育や介護など基本的なサービスを所得制限を設けることなくしっかり応援していこうという考え方であります。  同じ積極財政ではありますが、こちらの考え方は痛みを伴います。やはり国民にも一定の理解と協力、負担を求めていくという観点に立って、安心した社会を築くためにはどうあるべきかということをまさに民主社会の中で正面から議論すべきではないかということが言われているわけであります。誰も痛みを感じないで政策転換ができるのであればそれにこしたことはないと私も思いますけれども、本当にそれで大丈夫なのかということを選挙で選ばれている我々はしっかり考えなければいけないのではないかというふうに思っております。  私は、県知事の立場でありますので、この間ずっと申し上げてきておりますように、取り組むべきことはたくさんあります。また、県議会でも御質問をいただいておりますように、例えば教育をとっても、財源がなければ、幾らこれをやりたいと言っても決して進みません。そういうことを考えれば、経団連としてもし出すのであれば、あるいは研究者の御提言かと思いますけれども、やはり税の在り方、地方税財政の在り方全体までしっかり踏み込んだ構想、ビジョンを考えてもらうことが必要ではないかというふうに思っております。  答弁漏れをしているようで、失礼いたしました。  まず、県土強靱化についての流域治水の取組であります。  流域治水の取組につきましては、これは河川管理者であります国や県のみならず、多くの流域の皆さんの御理解を得て、力を合わせて取り組むことが重要だというふうに考えております。このため、テレビCM等の広報活動を通じて、県民の皆様方、あるいは事業者の皆様方の理解の促進を図るとともに、市町村が行います雨水排水を抑制するためのガイドラインの策定の取組に対して支援を行うなど、様々な関係者の理解と協力を得られるよう取り組んできているところでございます。  今後とも、多くの皆様方の、自分たちの安心、安全は自分たちの力で守り抜くのだ、多くの皆さんが協力しながら取り組むことが重要なのだ、こうしたことを御理解いただく中で、共に力を合わせて流域治水を進めていきたいと考えております。  それから、少子化・人口減少対策についてであります。育児休業の取得促進など山崎氏の提言の具体化についてという御質問であります。  山崎史郎参与は、私も前から存じ上げておりますので、前回の講演会の前にもいろいろとざっくばらんにお話をさせていただきました。山崎さんの悩みは、今、育児休業に関する手当の対象者が制度的に狭いということ、そして、先ほどの話に戻ってしまいますけれども、そのための財源をどう確保するのかということだというふうに私は受け止めております。  即座に具体化という御指摘でありますけれども、こうした抜本的な改革を即座に具体化するのは、県だけではなかなか難しい状況でありますので、これは国全体での取組を地方の側からもしっかり促していくということが重要だというふうに考えております。  その一方で、何もしないということであってはいけません。例えば、来月1日から産後パパ育休制度がスタートします。労使団体、そして我々行政も協力してこうした制度を普及していきたいというふうに思っていますし、県としても、男性の従業員が育児休業を取得した場合など、一定の要件に該当する事業主に対しては財政的な支援を行っていくことも検討していきたいというふうに考えております。  また、育休取得の問題だけではなく、これは山崎史郎さんにも御指摘いただいていますけれども、結婚支援や不妊治療、ライフプラン支援、育児負担の軽減、こうしたことも御提言されているわけでありまして、いずれも人口減少対策としては必要かつ重要な取組だというふうに考えています。  引き続き市町村と問題意識をしっかり共有しながら、また、これは長野県だけではなくて国全体の大きな課題でありますので、しっかり政府にも働きかけながら、こうした取組がさらに一層進んでいくように全力を尽くしてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。       〔36番小島康晴君登壇〕 ◆36番(小島康晴 君)知事の選挙の直後の議会ということで、知事の公約に少しこだわってお尋ねしてまいりました。本来は、公約ですので、いわゆる選挙の期間中に、我々はともかく、県民の皆さんと候補者とがこういった政策について議論できて、その上で当選する人が決まるというのが理想かなというふうに思いますが、いずれにしてもそれぞれ御答弁いただきました。  しばらく前に中国に抜かれたとはいえ、世界第3位のGNPを持ち、まだ経済大国の一員と言える我が国におきまして、6人に1人の子供が1日3食を食べられないほど貧困になり、民間のこども食堂が全国で6,000か所を超えているということです。何年も少子化対策、子育て支援策を重ねてきたのにどうしてこんなことになってしまったのかとじくじたる思いです。  2年半を超えたコロナ禍は、全国津々浦々、全ての人々に影響を及ぼしておりまして、物価高騰がこれに追い打ちをかけております。  私ごとながら、不摂生がたたりまして、先日入院生活を体験することになりました。改めて健康の大切さを痛感するとともに、病院のスタッフの皆さんの24時間にわたる働きを見ておりまして、エッセンシャルワークということを本当に肌で感じました。  多くの皆さんの御尽力で、コロナ禍に対しましてもここまで持ちこたえてきたと思いますが、いよいよ物価高騰が追い打ちをかけてきて、厳しいな、限界に近づいているなという気がしております。  もはや3年前のコロナ前に戻ることはありませんし、身をかがめて嵐が通り過ぎるのを待っているわけにもいきません。せっかく知事が掲げた121の政策を次期総合5か年計画にも反映していただき、そして、私ども県議会の思いや県民の皆様の様々な声も反映していただきながら、ぜひコロナに負けない、コロナと共存できる強くしなやかな信州をつくりたいものだと思います。  そのためにも、20年、30年来の緊縮財政のくびきから抜け出して、漏れなく県政の光が200万県民の皆さん全てに届くように力を合わせていきたいと申し上げて、終わります。 ○議長(丸山栄一 君)この際、15分間休憩いたします。         午後2時56分休憩          ──────────────────         午後3時13分開議 ○議長(丸山栄一 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて発言を許します。  県民クラブ・公明代表諏訪光昭議員。       〔40番諏訪光昭君登壇〕 ◆40番(諏訪光昭 君)4期目の阿部県政がスタートし、初めての県議会開催に当たり、県民クラブ・公明を代表して質問いたします。  知事選で掲げた121項目の公約から優先的に取り組む10項目をスタートダッシュ・アクション2022として早々に発表されたことに注目しております。  知事は、対話と共創の県政の実現に向け、自ら77全市町村を訪ねて積極的に県民との対話集会を開き、そして、県民参加型予算を来年度当初予算で試行するとのことであります。知事は、2010年の1期目から、県民の皆様との約束をしっかり守る、信州の強みを生かす、光が当たりにくいところに光を当てるの3点を意識して県政運営に当たっているということを標榜されております。一貫して目標にしてこられた県民本位の阿部県政がさらに強力に推進されますことを私も願うものでございます。  この間、東日本大震災、長野県北部地震、神城断層地震、御嶽山の大噴火、東日本台風被害など毎年大きな自然災害が発生し、復旧・復興を最優先に、その先頭に立って取り組んでいただきました。同時に、それぞれの災害から学んだ教訓を基に、県民の命と暮らしを守るための県土強靱化、基盤づくりにも計画的に取り組んでいただいております。災害に強い県づくり、3年目を迎えているコロナ禍の克服と、信州の強みを生かした県内経済の再生に向けどのような姿勢で臨むのか。知事の所信をお聞かせください。  一気に進行したグローバル化を覆い、国際秩序を揺るがすロシアによるウクライナへの侵攻が2月24日から展開されています。軍事力による一方的な暴挙は断じて許されるものではなく、即時にウクライナから撤退せよ、そして、平和の2文字の実現を壇上から訴えます。  愛する祖国を離れ、避難民が多数発生いたしております。日本でも避難民の受入れが行われ、必要な物資の供給なども行われております。県内でも避難民の方が生活を始めております。関係する市町村と連携を図りながら人道支援を積極的に行っていただきたいと考えます。会派としても県の対応について一緒に支えてまいりますので、よろしくお願いいたします。  気候温暖化等を背景とする自然災害の発生、いまだ収束することのないコロナ禍も重なり、長野県の産業や環境分野における課題はますます深刻であります。そして、それらは、個々の家庭生活にも着実に深刻な影響を及ぼしつつあり、家庭の経済的格差が子供たちの教育格差拡大の重大な要因になっていることは明らかであります。  アクション2022に掲げられている大学などへの進学を応援する給付型奨学金制度の創設は、意欲ある子供、若者たちの学ぶ権利を保障するための極めて重要な支援策であり、早期実現を期待いたします。  子供支援の現場からは、高等教育への進学以前に、高校進学においても経済的理由で断念せざるを得ないケースがあると聞いております。公立、私立を問わず、高校の授業料は実質無償化となっていますが、授業料以外に、入学金、通学費、制服代、教材費、部活動費、修学旅行費等々様々な費用は各家庭で負担しなければならず、子供自身が苦しい家計状況を心配するあまり希望する進路選択を諦めてしまうことがあると中学校の進路指導の先生方も悩まれているようです。  子供たちが自分の力ではどうしようもない状況に追い詰められ、切ない思いをし、高校進学の段階で意欲ある子供たちの未来への扉が閉ざされることがないよう、家庭のことを誰にでも相談でき、悩む子供が一人でも減るように、ぜひ知事には教育委員会と連携していただき、そうした子供たちの悩みに丁寧に対応できる環境づくりにさらなる御尽力をお願いいたします。  さて、教育分野に関して知事にお尋ねいたします。  まず初めに、アクション2022に掲げている信州自然留学(山村留学)の推進についてであります。  山村留学は、かつて信州の代名詞とも言われ、私の地元、大町市の八坂地域は、日本の山村留学発祥の地であります。教育県信州を改めて全国にアピールするためにも、信州各地の豊かな自然環境や多様な地域性、温かな県民性を生かした山村留学を県がリードして推進していただくことを大いに期待するものであります。私は、この事業を確実に推進するためには、市町村の理解を深めてやる気を出し、積極的に連携協力できる体制づくりが不可欠だと考えております。  知事が改めて山村留学に着目された一番の理由をお聞かせください。山村留学の推進によって県内各地の学校教育や子供を取り巻く環境づくり、そして、各市町村の地域活性化等にどのような影響や効果があるとお考えでしょうか。お伺いいたします。  事業は、国と市町村による協議会を設置して推進されるとのことでありますが、山村留学の主たる対象が小中学生であることを考えますと、各市町村教育委員会の理解と協力が不可欠であります。県と市町村の首長部局の連携のみならず、県教育委員会や市町村教育委員会との連携促進を密に図ってこそ協議会は機能すると考えますが、知事の御見解をお尋ねいたします。  山村留学を受け入れる市町村にとって過度な不安や負担なく、意欲的にこの事業に協力したいと思えるような事業の推進体制をぜひ構築していただけるよう希望いたします。  次に、長野県の子供を取り巻く環境づくり、特にこれからの学校教育が目指す姿について知事の御見解をお伺いいたします。  知事は、1日の知事会見で、県民起点の原点に立ち返るという基本姿勢を強調されました。思い返せば、12年前の2010年、知事は初めての知事選に先駆け、「社会を変えよう、現場から」という書籍を出版されました。4期目を迎え、まさに初志貫徹の強い決意を感じたところでございます。  知事は、書籍の中で、現場にこそ矛盾や問題を解決する答えがあると書かれています。まさに多様な子供一人一人の育ちと学びを支える福祉や教育においては、子供に最も近い存在である現場の人々が日々取り組む中で見えている様々な課題や問題に迅速かつ適切に対応できることが重要であることは申し上げるまでもありません。  少子化にもかかわらず年々増え続ける不登校、いじめ、虐待、子供の自死など、役所の中で議論を重ねるよりも、現場人材の確保とそれぞれの専門性と意欲を高め、各地域の支援体制の強化を図ることが喫緊の課題であると考えます。  著書には、社会を変えるのは住民の力という言葉も書かれております。まさに不登校やいじめの問題を解決する鍵は、官民の垣根を越えて、各学校と地元地域が密に連携した自治の力であると考えます。もっと地域住民や民間団体の力、そして、保護者や学校の先生方の力を信じることができる行政側の意識改革と、地域や民間団体に任せることのできる権限移譲の仕組みや財源確保、人材育成等の体制づくりが不可欠だと考えます。  知事は、先月26日に、県内各地で不登校等の子供・若者支援に取り組んでいらっしゃる皆様と懇談をされました。その中で、今後、民間の不登校支援の団体や保護者との協議の場をつくると約束されたことは大変意義のある決断であると思います。  県内各地には、長きにわたって子供たちに寄り添う活動を続けてこられた方々がたくさんいらっしゃいます。県も市町村もそうした地域活動の実情理解に努め、当事者である子供、保護者、教員、そして民間の支援団体の皆様の意見に真摯に耳を傾け、よりよい形で連携を深めることができるよう、知事だけでなく、各市町村においても、ぜひ継続的な意見交換の場を設けてほしいと期待するところでございます。  国も、いわゆる普通教育の機会確保法において学校外の居場所の必要性を認めておりますが、不登校が増え続ける状況の中で、安心できる居場所を学校外に求める子供が増えていることを踏まえ、ぜひ知事には各地域に学校と併せて民間の居場所も必要であるというメッセージを発信していただきたいとお願いいたします。そして、主体となる地域住民が学校と連携しながら、子供たちが安心して学び、育つことのできる居場所が学校外にも広がるような支援体制の充実にぜひお力添えをお願いしたいと思います。  そうした変化を捉えて、いよいよ来年4月に子供の基本的な権利を保障する初めての法律、こども基本法が施行されることとなり、県も教育委員会もそれに合わせた様々な環境整備に向けて準備を進めていらっしゃることと思います。  こども基本法の基本理念には、全ての子供について、個人として尊重され、その基本的人権が保障されることや、その年齢及び発達の程度に応じてその意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮されることなどが明記されております。  文部科学省も、令和元年10月の初中局長通知「不登校児童生徒への支援に対する基本的な考え方」の中で、「「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要がある」と明記しております。  従来、主に学校教育法の枠組みの中で捉えられてきた不登校やいじめ、発達障害などの課題を、今後はこども基本法の理念や枠組みの中で捉え直し、学校と地域が連携しつつも、学校教育だけにとらわれずに、多様で幅広い支援の環境づくりを目指すべきではないでしょうか。  知事は、1期目から一貫して子供の支援や学校教育の充実に高い関心をお持ちであり、信州の子供一人一人の幸せを最優先にした様々な施策に取り組まれてこられたと理解をいたしております。そして、4期目に向けた公約の中でも県民の幸福追求を強調されております。  長野県の子供支援や教育分野において、知事がこれまでの3期12年間で特に強い思いを持って取り組まれてきたことは何であったのか。御自身で振り返って実現できたことが何で、課題として残っていることは何なのかをお尋ねをいたします。そして、4期目で最優先に取り組みたいとお考えになっている子供を取り巻く環境は何で、その解決のためには何をすべきとお考えか。お尋ねいたしたいと思います。  知事は、公約で日本一の学びの県づくりを掲げておられますが、信州の子供たちの幸せな未来を開く学びの姿や、それを支える教育環境がどのようになれば県民が誇れるような学びの県になるのか。そのビジョンを知事御自身の力強いお言葉でお聞かせいただきたいと思います。  次に、教育長にお尋ねいたします。  5月に就任された内堀教育長には、絶大なる信頼を持って今後の御活躍を心より御祈念申し上げます。
     教育長が高校改革推進役として取り組まれた数多くの事業の中に、長野県立中学校・高等学校の新しい学びの指標づくりがあります。その案には、個人と社会のウエルビーイングの実現が大きく掲げられておりますが、ウエルビーイングとは、一人一人が心身の潜在能力を発揮し、人生の意義を感じ、周囲の人との関係の中で生き生きと活動している状態のことを意味するということであり、まさに知事が目指されている子供を含む県民一人一人の幸福の追求ともしっかり合致するものと理解いたしました。  知事部局と密に連携しつつ、市町村教育委員会の理解、協力を進めるためには、知事と教育長が県行政の両輪となり、教育長としても、県民、特に学びの当事者である子供、保護者、教員の皆さんに対して明確で力強いメッセージを常に発信していただきたいことを願っております。  知事が掲げた日本一の学びの県づくりについて教育長にもお尋ねいたします。  県教育委員会が目指すウエルビーイングを踏まえて、一人一人の子供が自立に向けてどのように学び、育つ姿勢をイメージされていますでしょうか。また、周囲の大人たちは子供たちにどのようなまなざしや姿勢で向き合うことが大切だとお考えでしょうか。市町村教育委員会はもとより、保護者や現場の先生方にも伝わるように、教育長自身のお言葉でお聞かせいただきたいと思います。  こども家庭庁が来年4月に発足いたします。同時に、こども基本法が制定されました。県議会提案による県民の希望をかなえる少子化対策の推進に関する条例も制定され、いよいよ条例に基づく行動計画が策定されます。国にも子供政策の司令塔ができました。長期化するコロナ禍で、子供たちを取り巻く環境は一段と厳しく、そしてまた一層深刻になっている貧困、虐待などが浮き彫りとなり、いっときの猶予もありません。県でも、行動計画に基づき、長期的な視野、多面的な視点で総合的に取り組む体制、予算の確保、大人の声だけでなく子供たちの声を聴く機会を設けるなど、心の温まる着実な施策を展開できますようお願いいたしますが、知事のお考えをお伺いいたします。  次に、新型コロナウイルス感染症対策について知事に伺います。  県は、8月24日にBA.5対策強化宣言を発出し、2年以上にわたるコロナ禍にあって、初めて医療提供体制は逼迫した状態という認識を示しました。コロナ以外の一般医療にも相当な負担がかかったかと推測されます。県が掲げている救える命を救うことができない事態を避けることができていたのか。詳細な分析は今後なされると思いますが、現時点の評価をお伺いいたします。  確保病床使用率は一時70%に迫る68.1%まで上昇いたしました。BA.5対策強化宣言発出時には、緊急的対応病床の稼働は一般医療への制約を伴うことから今回は要請を行わないという考えを示しましたが、どのような状況になったら稼働の要請を行うのか。お伺いいたします。  これまで、感染拡大の波が来るたびに医療警報や医療非常事態宣言が発せられ、今回は、先ほど申し上げたBA.5対策強化宣言も発せられたところであります。この間、宣言が発せられるたび、その時々に応じた各種対策が講じられ、知事から県民へのメッセージも出されております。当初は、感染拡大防止のため、飲食店への時短要請、行動制限などが求められ、最近では、社会経済活動との両立、医療逼迫の緩和対策などに重点を置いた対策が講じられました。県民や事業者さんに対する要請は、内容等をはじめ、適時適切なものでなくてはならず、苦慮されたことも多々あると推察いたします。  この項目については、先ほどの代表質問でも指摘されていましたので、重複は避けます。これまでの対応をしっかり検証、総括し、そして今後の新たな局面にも迅速、的確に対策していただくことを要望しておきます。  昨年3月に始まったワクチン接種は、3回目、4回目と回数を重ねる中で、県内でも接種が進んでおります。第7波の感染拡大が続いた中においても重症者が少なかったことを考えると、ワクチン接種の促進は極めて重要であることは明らかであります。  また、全国的に若年層の接種率が伸び悩む中、今月下旬からはオミクロン株対応ワクチンの接種が開始されます。本県は、都道府県の中で追加接種の接種率が比較的上位とのことですが、これまで接種促進に向けてどのような工夫をしてきたのか。また、それを踏まえて、今後新ワクチンの接種促進にどう取り組んでいくのか。健康福祉部長にお伺いいたします。  平成28年度に策定されました信州まつもと空港の発展・国際化に向けた取組方針は、10年間で、「リージョナルジェットにより信州と全国各地・東アジアを結ぶ「空の玄関口」であるとともに、その立地を活かした観光・賑わいの拠点」と目指す姿を描いていて、既にテイクオフを経て上昇期に突入していますが、新型コロナウイルス感染症の影響により、国際便、チャーター便の就航はほとんどなく、利用者の減少も顕著であります。今年度からは最後の巡航期に推移しているわけですが、現状と課題、今後の方向性についてお伺いいたします。  上昇期に入った初年度に目標としていた新規路線の開設では、神戸線の通年就航がスタートし、その後複便化となり、利用者も順調に推移しているなど、関係する皆様の御尽力に敬意を表します。明るい展望もあり、今後の弾みとなることは間違いありません。  アフターコロナを見据えたときに、最も期待され、そしてキーポイントとなるのが信州まつもと空港であります。利用者の回復、拡大、利便性の向上など、国内定期便の増便、新規就航先の開拓、国際路線の実現を視野に利用促進を図るとともに、より利便性の高い空港となるよう施設強化の加速も進めていく必要があります。安全で快適で利用者がより楽しめる空港施設を目指し、その運営に関して、信州の空の玄関口のさらなる充実強化に向けて、臨む姿勢について知事にお伺いいたします。  先日、新聞報道で、成田空港と信州まつもと空港を結ぶ路線就航について報じられておりました。県で把握していることについて、どのような経緯で今日を迎え、今後どのような方向を目指して進められるのか。実現の可能性も含めてお聞きいたします。  本格的な人口減少・少子高齢社会を迎え、地域にとって必要不可欠な公共交通を将来にわたって維持していくことは、最も重要な政策課題の一つであります。  国においても、鉄道事業者と地域の協働による地域モビリティの刷新に関する検討会やアフターコロナに向けた地域交通の「リ・デザイン」有識者検討会など有識者による検討、提言が行われ、今後、国土交通省において、地域公共交通の維持確保に向けた法改正や制度化、事業の予算化が図られるものと承知いたしております。  知事は、選挙公約の中で、新たに交通政策局を設置し、交通政策を総合的に推進する体制を強化するとしております。まさに現在の社会的課題を踏まえた的確な対応であり、高く評価するところでございます。  そこで、知事にお伺いいたします。  交通政策局においては、公設民営化など新たな仕組みづくりを国に提案するとともに、県独自の制度化を検討するともありましたが、どのように体制を強化し、どのような政策を推進していくのか。お伺いいたします。  JR西日本、JR東日本などが赤字路線の収支を公表いたしました。少子高齢化、沿線人口の減少、モータリゼーションの進展等により、鉄道利用は大幅に落ち込み、加えて、コロナ禍が追い打ちをかけています。長野県内も、JR西日本が運行する大糸線の南小谷――糸魚川間は輸送密度が低く、不採算路線の線区として示されました。  国の検討会では、利用者が大幅に減少し危機的状況にあるローカル線のうち、都道府県にまたがるなど広域調整が必要な区間について、国は、自治体または鉄道事業者の要請を受け、特定線区再構築協議会(仮称)を設置して協議を開始する枠組みの創設を提言しております。県として大糸線にどのように関わり、地域の足をどのように確保していくのか。企画振興部長にお伺いいたします。  また、新潟県とは既に大糸線の存続について情報交換が行われているのでしょうか。両県共通の課題として取り組んでいくお考えか、お聞かせいただきたいと思います。  農業者の減少は、安全、安心で安定的な食料供給を行うという食料安全保障の見地からだけでなく、耕作放棄地の増加やそれに伴う農村の多面的機能発揮への影響など、農村の活力低下につながってしまいます。長野県の食料をしっかり確保し、農村地域を将来にわたり守り続ける上で、新規就農者の確保は喫緊の課題と言えます。  また、高齢化に伴い営農が困難になった農業者は、地域の基幹的な経営体へ農地や農作業を委託に出すケースも増えていると認識いたしております。これら農地を受託した大規模経営体や作業受託者においては、やはりその農地を作業するための労力の確保が課題となっており、その労力を補完する手段として、近年開発が進んでいるドローンや自動運転トラクターなどのスマート農業機械の導入により、これらを解決することが必要と考えます。  そこで、農政部長にお伺いいたします。  長野県農業を支え、日本の農業を守るには、その担い手となる新規就農者の確保育成は喫緊の課題ですが、現在の新規就農者の状況と、今後どのように取り組んでいくのか。お伺いいたします。  また、担い手不足を補うため、スマート農業の導入を進めることも重要と考えますが、現在の取組状況と今後の展開についてお示しいただきたいと思います。  昨年来からの物価高騰、ウクライナ危機に円安がさらに追い打ちをかけ、原油、原材料が高騰、国の原油価格・物価高騰等総合緊急対策を踏まえ、県では、長野県価格高騰緊急対策第一弾に基づき、県民生活、中小・小規模事業、農林業、観光需要の喚起などに取り組んでいただいております。  その後も、ウクライナ情勢の先行きが見通せないこともあり、物価高騰は今後も継続することが予想されます。つきましては、県民の皆様をはじめ、県内企業、機関、団体等の声をしっかりと受け止め、地域の実情に応じたきめ細かな対策を継続して行う必要があると思います。県民生活と県内経済を守るため、必要な対策を着実に実行するよう強く求めます。  つきましては、緊急対策第二弾を着実に実行していくことが何よりも重要と考えます。市町村と連携し、冬期における電気やガス料金、灯油代の支援等、暖房費に対する県民への支援をはじめ、中小規模事業者の資金繰り対策、観光、宿泊、飲食とそれに関連する事業者への支援、生活困窮世帯への支援など、今回の補正予算編成に当たって臨んだ知事の見解、そして意気込みをお聞かせいただきたいと思います。  知事は、4年間の基本目標として、DX・GXの推進、新しいテクノロジーの活用を視野に入れております。  政府は、7月、GX、グリーントランスフォーメーション実行会議を開催しました。GXは、化石燃料から再生可能エネルギーへの転換をはじめとする脱炭素社会を進め、社会経済、産業構造の変革を促し、経済成長につなげることと理解いたしております。国内の温室効果ガス排出量を2030年度までに2013年度比で46%削減し、2050年度までに実質ゼロを表明しております。  長野県は、2030年度までに2010年度比で温室効果ガス正味排出量60%削減の目標を掲げております。目標達成に向けて、国を挙げてGXに取り組む指令拠点が動き出したことは大きな意味を持ち、今後の具体的な取組を進める上でも議論の動向が注目されるところであります。  全国に先駆け、気候非常事態宣言を発出。加えて、知事は、全国知事会脱炭素・地球温暖化対策本部長の立場で全国を取りまとめるとともに、脱炭素社会を目指して重要な役割を担っていただいております。  本年4月22日でありますが、東京都の知事記者会見で、脱炭素社会に向けた取組として、一定の新築建物を対象として太陽光発電の設置を義務づける制度の構築が打ち出されました。9日には、都のエネルギー等対策本部会議で、新築される一般住宅に太陽光発電設備の設置を義務づける条例の改正に向けた基本方針が示され、住宅供給メーカーなどの事業者を対象とする義務づけを3年後の2025年4月の施行を目指す方針も示されたところであります。  他方、再資源化の面からは、本年5月下旬、環境省が使用済太陽光パネルのリサイクルを義務化する検討に入ったとの報道がありました。内容は、2011年の東日本大震災後に各地で広がった太陽光パネルが寿命を迎えて大量に排出される2030年代後半を見据え、埋立て処分場の逼迫を回避するためにも適切な処理制度をつくるのが狙いとされ、建設リサイクル法を改正して対象品目に追加し、解体業者などに再資源化を求める案を軸に制度設計を進め、新法制定も目指すという内容でございます。  太陽光パネルの排出量に関しては、NEDO、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の予測によりますと、太陽光パネルの年間排出量のピークは2035年から2037年頃であり、年間約17から28万トン程度、産業廃棄物の最終処分量の1.7から2.7%に相当する量とされております。  また、経済産業省の検討会、再生可能エネルギー発電設備の適正な導入及び管理のあり方に関する検討会においては、太陽光発電を中心とした省エネ導入拡大に伴って顕在化する地域の懸念の解消に向け、土地開発前から発電設備の運転、廃止、廃棄の各段階での取組の在り方について検討が進められております。注目する点は、設備の廃止、廃棄の段階での主な対応として、ガイドラインや関係法令による適切な対応、廃棄ルールや廃棄処理業者等の現場への情報の周知、パネルの含有物質等の情報発信の在り方の検討などが挙げられております。  このように、太陽光パネルの再資源化は、単に廃棄物処理業者の対応問題だけではなく、製造業者、販売・設置業者、廃棄物処理業者、再資源化する業者など、極めて裾野が広く、総合的に対応すべき課題とされております。  県では、県内の太陽光パネルの販売・設置状況、廃棄状況等についてどのように把握されているか、お聞かせください。加えて、太陽光パネルの再資源化に向けた取組・検討状況、今後の対応方針について環境部長にお伺いいたしたいと思います。  知事として取り組む重点政策の中で、持続可能で安定した「確かな暮らし」を守り抜く、その一つに、長野県ゼロカーボン戦略に基づき、2030年までに温室効果ガス正味排出量を2010年比で6割削減することを目指しております。  国連の気候変動に関する政府間パネル、IPCCは、新たな報告書を公表いたしました。その報告によると、パリ協定で世界が合意した1.5度の達成には、遅くとも2025年より前に排出量を減少に転じさせ、2019年比で2030年に43%減、2050年に84%減に持ち込む必要があると試算をいたしております。その上で、地球温暖化抑制のため直ちに行動しないと目標の達成は困難としております。  大幅な排出削減には、世界の排出の3分の1を占めるエネルギー部門では化石燃料の削減や省エネが重要になってきます。IPCCでは、太陽光発電の導入によって、2030年には40億トン以上の削減、次いで農業部門では、植林や生態系の復元などを通じて25億トン以上の削減が見込まれるとして、CO2排出量を実質ゼロにするのは困難であるが可能だとしております。  IPCCの気象上昇を1.5度に抑えるためのシナリオでは、2030年頃には農林業、土地利用分野の排出量がネットゼロ、カーボンニュートラルとなり、その後は吸収源に転じることが見込まれています。政府の地球温暖化対策計画では、2030年度に温室効果ガス排出量を2013年度に比べて46%削減する新たな目標を掲げました。このうち、森林による吸収量と伐採木材製品、HWPによる貯蔵量の双方で構成されておりますが、それによると、2.7%分、CO2約3,800万トンを確保することが求められております。資源の持続的な利用を一層推進して林業・木材産業の成長産業化に取り組むとともに、2050年カーボンニュートラルに寄与するグリーン成長を実現していくこととしております。  日本の森林・林業の現況は、日本の国土の3分の2、約2万5,000ヘクタールの森林面積があり、森林資源のCO2の蓄積は人工林を中心に毎年約6,000万立米増加しており、人工林と天然林等の森林の合計蓄積は54億立方となっております。  一方で、人工林の成長量は、4.5齢級、林齢でいきますと16年から25年生前後をピークに低下するとされております。森林全体のCO2吸収量は、人工林の高齢級化等に伴い減少傾向で推移しております。  日本でCO23,800万トンを確保していくには、利用期を迎えた人工林の適正な伐採とその跡地への確実な造林、育成が必要となります。  伐採後の更新方針としては、天然更新を選択するよりも、杉等の人工林を選択したほうが早期に年間成長量が大きくなり、CO2吸収量も高くなります。また、CO2を固定していくには、伐採木材を適切に建築材として活用するほか、解体木材の建築材としての再利用、家具材として再利用を行うことも有効と考えております。  森林・林業を成長産業にしていくに当たって抱えている課題を整理いたしますと、本県の森林・林業の作業環境は急峻な地形が多く、効率性を上げづらいこと、路網整備も不十分で搬出コストがかさみやすいこと、境界や所有者等の資源管理情報の整備が遅れており、民有林における所有構造が小規模、零細であることなど、経済効果が悪いのが実情であります。  現在、林業の現場で主伐される人工林は年間8万ヘクタール前後ですが、過去10年ほどの再造林率は約35%にとどまり、次世代の人工林の育成には不十分な状況にあり、間伐等で残った木が大径木化して搬出が困難になるなど、将来の木材資源供給元の不足を招くことにも結びついていきます。  日本の林業従事者の不足が深刻となっている上に、他産業に比べ上昇の可能性が低く、収入面での魅力は低く、低賃金の理由で退職、転職に至るケースも多いわけでございまして、賃金が改善されなければ産業としての持続可能性を維持することが難しいなど、林業収益の減少、林業従事者の減少、高齢化など、地域林業の斜陽産業化、経営規模の縮小が進んでいることなど厳しい現状が続いております。  林業事業体が森林整備を実施していくには、その費用を補助金に依存する経営体となっていること、また、投資ファンド、あるいは他産業企業等による投資資金の受皿となっておりません。  森林・林業は、CO2の吸収機能や生物多様性維持機能など様々な公益的機能を有し、生活、文化ともに密接に関わる森林・林業は社会的要請に十分応えられていないのが現状であります。これからの森林・林業は、資源循環型の持続可能な林業の実現、林業が林業従事者にとって魅力的な産業への転換、変貌、補助金依存から市場価値の高い産業への転換、持続可能な社会の要請に十分応えられることのできる産業にすることなどが求められております。  知事は、長野県を森林県から林業県に変換するとも言っております。そこで、大変重要な森林の未来について知事の御見解をお聞きいたします。  森林は、CO2吸収・固定機能や生物多様性維持機能など多面的機能を有し、豊かな森林は2050年カーボンニュートラルの実現に向けても非常に重要と考えます。今後、長野県の森林を多面的な機能を十分発揮する森林へと導いていくため、どのようなビジョンを描いているでしょうか。お聞かせいただきたいと思います。  森林づくり県民税は、県の県民均等割の超過課税方式により平成20年度から導入され、市町村や森林組合等の連携協働により、これまでの財源では十分対応できなかった里山における間伐等を集中的に整備すること等を目的に県内各地で森林整備が進められてきました。今年度までの第3期では、里山地域における手遅れ林分の間伐の推進に、防災・減災、森林の多様な利用及び活用の推進等の六つの大項目に使途を拡大して、森林整備に加えて、人材の育成、森林の利活用も進めてこられました。  第3期の森林づくり県民税による防災・減災のために必要な里山の間伐面積は、5年間の目標で約4,300ヘクタールの整備を掲げ、県の森林整備の推進に重要な役割を果たしてきたと認識しているところであります。  また、里山等での間伐面積は、平成20年から29年度の実績で3万852ヘクタールとなっていますが、当初の目標面積の80%であり、引き続き森林づくり県民税等を活用しながらさらなる森林整備の必要があると考えております。  第3期の総括を行うとともに、第4期の森林づくり県民税に向けたパブリックコメントが22日から開始され、幅広く県民の皆さんからの意見を反映しようとしております。せんだって7月には、県内市町村からの森林づくり県民税に関する意見照会が行われました。市町村が主体となって実施してきた森林づくり推進支援金については、長野県森林づくり県民税に関する基本方針案において、森林環境譲与税との関係を整理した上で、地域において必要度の高い事業に再編し、メニュー化して支援するとされているところであります。このように市町村からも要望の高い事業の見直しについて林務部長にお伺いいたします。  平成31年度にスタートした市町村が実施する森林整備等に必要な財源となる森林環境譲与税も、令和6年度から森林環境税として国民1人当たり年間1,000円と、現行の森林づくり県民税1人当たり500円を県民の皆さんから御負担いただくことになりますが、現行の森林整備等国庫補助金事業とどのように整合性を取り、県民の皆さんの御理解、御協力をいただければそれぞれの事業を推進していくのか。お伺いいたします。  森林整備等を推進していくに当たり、国民、県民の皆さんに三つの税負担をいただき、森林整備等に充てていくため、税を負担する側にとって意義のある施策をグランドデザインしていく必要があり、課題だと思っております。  今までの林業に対する県民の理解では、森林を所有する方が木を売って生計を立てる林業という産業を国が税金を投入して支援してきた理由は、木の伐採などを行った後再造林を進めるなど、健全な森づくりを行ってきた結果として、国土保全など、国民の生命、財産を守る、豊かな水を育む役割を果たしてきたなど、個人所有の山であっても公益的な機能を果たしているからこそ間伐などの森林整備に国庫補助をしてきたと理解しております。  県は、次期森林づくり県民税と他の財源との整理をイメージしていると思いますが、県民の皆様に成果が見え、理解をした税負担をしてもらえるよう環境づくりが求められております。その中で、大きなテーマは、県民税を使って整備等をした個人所有林であっても、県民が気軽に利用できる、あるいは各種事業を県民が参加して実施できる仕組みづくり、山が持っているCO2吸収、伐採した木の建築材としての利用でCO2を固定化する資源循環によるカーボンニュートラルの実現、CO2を排出する化石燃料から再生可能な自然エネルギーとしての木質バイオマスの熱利用を進めることで脱炭素を進めるなど、県民の皆様が三つの税負担をしたことにより、自身も世界規模で取り組まなければならないSDGs、とりわけ大きな課題である地球温室効果ガスの削減、地球温暖化による気象異常事態を抑制するなど、未来の自分の子供たち、あるいは孫たちのためにCO2の吸収、国土保全など森林の持つ機能を保持、発展させることにつながっているなど、県民の皆さんが世界的な課題に寄与、貢献しているといった意識を自負できるような丁寧な説明、環境づくりを進める必要があると考えます。  次期森林づくり県民税の継続に当たり、三つの税負担をいただくのに、それぞれの税の使途の違いなど、県民の皆さんが理解し、納得感を持って協力してもらえる環境づくりをどのように進めていくのか。知事のお考えをお聞きいたします。  知事から、県行政を真に役立つ組織へと変革するとの力強い姿勢が示されました。提案理由の中で、複雑・多様化する諸課題に対し県民起点で創造的に対応していくため、仕事の仕方や総量の見直し、職員の多忙感の解消、市町村との協力連携など、積極的に行動する組織を目指すために、今年度中に策定予定の新たな行政・財政改革方針に盛り込み、速やかに実行に移すとのことであります。信州、長野の新たな組織風土が形成され、働き方改革が着実に推進されることを見守り、成果に期待を申し上げます。  さらに、対話と共創の促進に向け、先ほども触れましたが、知事自ら県内市町村を回って県民との対話の機会を持つとのことでありますが、地域ごとの課題をどのように吸い上げ、どのように県政に反映させるのか。知事のお考えをお聞きいたします。  部に次長制をしかれて2年目を迎えております。県政の中核を担う人材の育成、部局横断的な取組、情報共有、着実な事業の成果を発揮するためにも必要な体制と捉えております。いずれも、人材、組織を動かすマネジメントが求められます。  これまで知事は、就任当初から副知事はお二人を任命して、共に手を携え、県政運営に奔走いただきました。この間、2人の女性副知事も任命されました。今年度は年度当初から副知事はお一人で推移いたしております。既に半期が終了し、知事の新しい任期がスタートいたしました。  関副知事は、豊かな行政経験、豊富な知識、マネジメント力にも優れ、県民の皆様をはじめ、市町村からの信頼も厚く、職員の皆様からも頼りにされる存在であります。まさに知事と二人三脚で県政課題の解決に取り組んでいくにふさわしい副知事であります。しかし、県政を取り巻く課題は山積いたしております。二人三脚ではなく、これまでと同様に複数体制のほうが牽引力、真に役立つ組織を確立していくには優れているのではないかと考えますが、副知事についてはどのようにお考えでしょうか。また、以前のように、女性副知事の登用も含めて検討されているのか。知事からお聞かせいただきたいと思います。  国では、令和5年度の概算要求が締め切られ、新年度の予算編成がスタートいたしました。昨年発足した岸田内閣が取り組む初めての予算編成であります。岸田総理からは、昨年の就任と同時に、柱の一つとして、新しい資本主義の実現を目指すとの姿勢が示されました。知事もいち早くどのような方向が打ち出されるのかと関心を示されました。同時に、経済だけでなく、社会保障、教育などにも期待するとともに、地方の側からも声を上げていきたいとの意向を示されました。  岸田総理は、成長と分配の好循環、コロナ後の新しい社会の開拓をコンセプトとして、あらゆる政策を総動員する姿勢を見せております。そして、この改革は地方から起こりますと強調いたしました。地方には様々な課題が直面しており、諸課題を克服するための技術活用を生かし、ピンチをチャンスに変えることを目指しております。  県も、新たな総合5か年計画の策定が進められているところであります。知事は、新しい資本主義の取組をどのように捉え、どのように活用し、長野県の未来を創造していくのか。お伺いいたします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)県民クラブ・公明、諏訪会長の代表質問に順次お答えを申し上げたいと思います。  まず、災害に強い県づくり、コロナ禍の克服と県内経済の再生に向けた所信についてという御質問であります。  まさに、コロナ禍、そして台風19号(東日本台風)災害、私の3期目はまさに災害との闘い、コロナ禍との闘いに明け暮れたと言っても過言ではない状況だったというふうに思います。そうした県民の皆様方の暮らしをしっかり支えていくという観点で、災害に強い県づくり、そして、コロナをどう克服するか、非常に重要なテーマだというふうに考えております。  東日本台風災害以降、国とも連携しながら、治水対策はこれまで以上に力を入れて取り組ませていただいております。また、県議会の皆様方の御理解もいただく中で、防災・減災、県土の強靱化、県債発行も一定程度別枠で行いながら、これまで以上に加速化対策を積極的に活用して取組を進めているところであります。  引き続き国とも連携し、また、特に避難対策等ソフト面での対応の中心となります市町村ともしっかり連携しながら、災害に強い県づくりをソフト面、ハード面から着実に進めていきたいというふうに思っております。  また、新型コロナ対策については、これまで県民の皆様方の御理解、御協力、そして、医療従事者をはじめ多くの皆様方の大変な御尽力の中で何とか乗り越えてきておりますが、依然として完全に収束している状況ではありません。特に、今後は、季節性インフルエンザとの同時流行ということも視野に入れながら、対策、対応を進めていかなければいけないというふうに考えております。  引き続き、医師会をはじめ関係の皆様方と十分に疎通を図りながら医療面での体制の整備をしっかりと図っていきたいというふうに思いますし、また、現在のオミクロン株が今後とも継続するのであれば、単に新規陽性者が増えたからということで右往左往することなく、社会経済活動とコロナ対策の両立を今回の第7波と同様にしっかり図っていかなければいけないというふうに思っております。引き続き変異株の発生等にも留意しながら、県民の皆様方の命と健康を守ること、そして、暮らしと産業をしっかりと守り抜くことの両面を視野に入れながら進めていきたいと思っています。  また、こうした中での県内経済の再生についてであります。  まずは、コロナ、そして価格高騰で非常に苦しまれている事業者の皆様方をしっかり応援していかなければいけないというふうに思います。まず、当面の危機を乗り越えるための支援を着実に行っていきたいというふうに思いますし、また、その先、未来に向けては、GX、DX、こうした観点も含めて、より生産性の高い産業の確立、様々な産業分野で今喫緊の課題となっている人材の確保、こうしたことに力点を置きながら県内経済の再生を図ってまいりたいと考えております。県民の皆様方の確かな暮らしを守り抜くという観点でしっかり取り組んでいきたいと思っております。  続きまして、山村留学に着目した理由についてという御質問であります。  昭和51年に現在の大町市八坂で取組が始まりました山村留学は、学びの充実と同時に地域の活性化にもつながる、特に中山間地域にとっては様々な可能性を持った取組だというふうに考えております。  とりわけ、近年は、コロナ禍の影響もあり、都市部の住民の皆様方のいわゆる農山村地域に対する関心が非常に高まってきているというふうに思っております。  長野県は、これまでも、信州やまほいくということで自然保育を進めてきたわけであります。義務教育は市町村の仕事なのでこれまで関わりを控えておりましたけれども、こうした動きをしっかり捉えて地域活性化につなげなければいけない、今がそうした機運が高まっているところではないかということで、今回、山村留学に対するしっかりとした対応を県としても行っていきたいということで公約にも盛り込ませていただいたところであります。地域の振興、学びの充実、両面から生かしていきたいというふうに考えております。  山村留学を推進しますと、まず、都会から来る子供たちにとっては、恵まれた信州の自然環境や地域の皆さんとの交流の中で本当にかけがえのない経験をしていただくことができるというふうに思っていますし、また、大規模校では得難い健やかでたくましい心身を育むこともできるのではないかというふうに思っております。  また、地元の子供たちにとっては、山村留学で来る子供たちとの交流を通じて、相互に経験し合う、学び合う、そうした環境をつくっていくということも可能だというふうに思いますし、場合によっては保護者の方も一緒に地域で暮らすことによって、地域住民との交流が生まれ、地域の活力の増加にもつながっていくというふうに考えております。こうした効果を期待して、今回、山村留学、信州自然留学に県としてもしっかり取り組んでいきたいというふうに思っております。  教育委員会との連携について御質問をいただきました。  もとより山村留学、信州自然留学の期間中は地元の小中学校に通っていただくということが基本になりますので、そういう意味では市町村の教育委員会としっかり連携していくということが不可欠だというふうに考えております。こうしたことから、今年度中に信州自然留学(山村留学)協議会を設置していきたいというふうに思っておりますが、これは、市町村の首長部局だけではなく、県の教育委員会、市町村の教育委員会双方にぜひ構成員として参加いただきたいというふうに考えております。新たに立ち上げた協議会を通じて、山村留学運営のノウハウの共有、情報交換、また先進事例の紹介、こうしたことを通じて特色ある学びの充実を図っていきたいと思いますし、また、そうしたことを通じて地域の活性化につながるように取り組んでまいりたいと思っております。  それから、教育に関連して、子供支援や教育分野においてこれまで特に強い思いを持って取り組んできたことは何か。何が実現して何が課題として残っているのかという御質問であります。  様々な観点で取り組んできておりますが、非常に大ざっぱにまとめると、一つ目は、やはり一人一人の子供たちの能力をしっかり引き出してあげられるような環境をつくっていくということ、それから二つ目は、子供たちは様々な課題を抱えておりますので、そうした課題を抱える子供たちをしっかり応援していきたいというふうに思います。  また、教育もやはり社会経済の変化とともに発展、進歩していかなければいけないわけでありますので、教育を未来に向けて変えていくこと、こうした観点で取り組ませていただいたところであります。  例えば、一人一人の能力を引き出すという観点、これは、実は私の所管より教育委員会の本来業務の部分が多いわけであります。私のほうは予算的なところや周辺的なところにならざるを得ないところがありますが、例えば、非認知能力を高めるということで、信州やまほいくは大分広がり、定着してきております。また、小中学校全ての学年で30人規模学級にして、一人一人に応じたきめ細やかな指導ができるような体制にも取り組んできたところであります。  また、課題を抱える子供たちを支援するという観点からは、長野県の特別支援学校の教員は非常に定数が抑えられてきた状況がありましたので、自立支援活動教員の増員を計画的に進めてまいったところでございます。また、通級指導教室の増設や、フリースクール、信州こどもカフェの活動支援など、多様な学びの場の確保にも努めてまいりました。  また、未来に向けて教育を変えていくという観点では、ICT機器の整備充実を図らせていただきましたし、また、現在進行形ではありますけれども、今教育委員会と一緒に高校改革に取り組ませていただいている状況でございます。  こうした取組は、先ほど来申し上げているように、やまほいくや30人規模学級など一定程度成果を収めてきてはいますが、それで100%十分かというと、まだまだそれぞれ不十分なところがたくさんあるというふうに思っておりますので、引き続き冒頭申し上げたような観点をしっかり持ちながら、子供たちの未来のため、教育、学びの充実、そして子供たちの支援に全力で取り組んでまいりたいと考えております。  それから、日本一の学びの県づくり、どうなれば誇れる学びの県になるのかという御質問であります。
     いろいろな観点があると思いますが、私も、やはり個別最適な学びにしていくということではないかというふうに思っています。今までの学校教育は、画一的、みんな同じことができるようにする、みんな同じように学んでもらう、ここにある意味主眼が置かれてきたわけでありますが、学校現場もどんどん変わりつつあります。ICTを活用すれば、そうした変化をもっと加速化して、本当に子供たち一人一人に合った教育、進んだ教育が、受けようと思えば受けられるようになっています。  また、信州の自然環境や地域の様々な皆さんの力を借りれば、子供たちに本当に多彩な体験をさせてあげることも可能になっているというふうに思いますので、私は、画一的な教育から個別最適な学びにぜひ長野県が先頭を切って変革していきたいというふうに思っています。  また、あわせて、先ほどから申し上げておりますように、子供たちはいろんな課題を抱えています。不登校の子供たち、障がいがある子供たちにもしっかりと寄り添い続けて、そうした子供たちにも適した学びをぜひ実現していきたいというふうに思っています。  口で言うのは簡単ですけれども、実際実現するには様々な課題もございますので、教育委員会ともしっかり連携しながら取り組んでいきたいというふうに思います。特に、長野県は教育県としての歴史を培ってきた伝統があります。やはり学校現場の先生方がより主体的に考え、行動してもらうということが重要だと思いますので、そうした現場の先生方の意欲や能力を活用させていただきながら、ぜひ自他ともに認める学びの県になるように取り組んでいきたいと考えております。  続きまして、少子化対策についてでございます。  まず、少子化対策の推進に関する条例に基づく取組についてという御質問でございます。  令和3年4月に子供・若者施策の総合的な企画、横断的な推進を担うこども若者局を設置させていただきました。その後、令和4年3月には、県民の希望をかなえる少子化対策の推進に関する条例を制定いただいたことと併せて、県と市町村で若者・子育て世代応援プロジェクトを取りまとめて、本年度から様々な取組を開始しております。進行する少子化に歯止めをかけるという観点をしっかり持ちながら、市町村とともに全県を挙げて少子化対策に取り組んでいるところでございます。  条例の行動計画としても位置づけております現在策定中の次期子ども・若者支援総合計画におきましては、応援プロジェクトで先行実施しております取組に加えまして、経済界と連携した子育てと仕事を両立できる環境づくりの推進、そして、子育てに伴う経済的負担のさらなる軽減、こうした点について長期的な視野、多面的な視点から検討を行っているところでございます。そうした際に、当事者であります子供、若者の皆さんとの意見交換も積極的に行い、将来を担う子供、若者が希望を持って暮らせる長野県づくりに努めてまいりたいと考えております。  続きまして、新型コロナ対策について、救える命を救うことができない事態を避けることができていたのか、現時点での評価についてという御質問であります。  今後、第7波についても、感染状況が落ち着いた段階でしっかり振り返りを行い、これまでの対策の分析を行っていきたいというふうに思います。現時点での状況認識として申し上げれば、第7波の特徴としては、陽性者が非常に増え、その一方、重症者が少なかったということがあります。その結果として、まず外来診療は一時的にはかなり逼迫した状況がございました。当日の来院を断らざるを得ない、あるいは電話がつながりにくい、そうした状況があったということも事実だというふうに考えております。  その一方、県では、自宅での健康観察の検討や自己検査の促進を県民の皆様方に呼びかけさせていただき、また、若年軽症者登録センターを設置し、順次対象者の拡大をしてくることにより、外来診療の負担の軽減に取り組んでまいりました。  一方、入院でありますが、本県はかねてから医療圏を超えて入院調整を行わせてきていただいております。また、入院中にコロナ陽性になられた方は、いわゆる確保病床を使うことなく、そのまま当該医療機関で入院を継続してもらうといったようなことも医療従事者の皆様方の御尽力で行わせてきていただいております。そういう意味で、入院が必要な方については入院をしていただくことができているというふうに考えておりますので、救える命を救うことができない事態が生じるということは避けることができたというふうに考えております。  続きまして、緊急的対応病床の稼働要請、どうなったら要請するのかという御質問であります。  緊急的対応病床につきましては、一般医療との両立を図りながらコロナ患者を受け入れようとしている現在の確保病床531床とは別に、現在、医療機関から全県で150床のお申出をいただいているところでございます。  その稼働に当たりましては、一般医療を制限するという形にもなってまいります。例えば、救急患者の受入れができなくなるとか、リハビリを行う病棟を転用することによって回復期の医療が提供できなくなるということで、緊急的対応病床を稼働させることにより一般医療は大幅な制限を受けるという状況になります。したがって、その運用開始に当たっては、慎重に判断していくことが必要だというふうに思っています。  こうしたことから、例えば、緊急的対応病床は、重症者の割合や入院を必要とする方の割合が上昇して、一般医療を制約してでも新型コロナの陽性者を入院治療していただくことが必要だというような状況に至れば、緊急的対応病床の稼働を医療機関にお願いするという形になります。今回の第7波は、幸い陽性者の数に比べて重症化される方が非常に少ないというオミクロン株でありましたので、稼働することなく第7波を乗り越えてきました。今後とも、ウイルスの特性をしっかり見極めながら判断していきたいというふうに考えております。  続きまして、信州まつもと空港の取組方針の現状と課題、今後の方向性についてという御質問でございます。  まず、国内線の拡充につきましては、季節便の札幌丘珠線、そして神戸便の新規就航等によりまして、おおむねの目標、4路線1日6往復などを達成してきているところであります。さらに、昨年度から双方向による沖縄とのチャーター便が運航されたところでございます。  一方、空港の国際化につきましては、コロナ禍の影響に伴って出入国が制限されたことにより国際チャーター便の運航が中断するなど、十分な成果が上がっていない現状にございます。  一昨日、政府により、来月11日から水際対策の大幅な緩和を行うということが表明されたところであります。松本空港につきましても、国内外の航空会社や旅行会社への訪問などによりますエアポートセールスや海外の航空業界に知見を有する実務経験者のネットワークの活用などにより、国際チャーター便の就航再開など今後の展開につなげていきたいと考えております。また、こうした動きを受けて、取組方針に位置づけた目標達成を引き続き目指すとともに、空港の脱炭素化をはじめとした新たな課題にも対応していきたいと考えております。  続きまして、空の玄関口、松本空港のさらなる充実強化という御質問であります。  空港内を安全、快適に御利用いただけるよう、感染対策など安全性への配慮については引き続き徹底していきたいと考えております。さらに、地域の皆様方の御理解をいただきながら、航空会社への働きかけによる路線の拡充など利便性の高い空港を目指すとともに、プライベートジェット、ビジネスジェットの松本空港への受入れの促進などにも取り組んでいきたいと考えております。  また、コロナ禍のため控えておりました就航先であります北海道、九州等への特産品を取りそろえた物産展など各種イベントの開催や、SNSや空港ホームページを活用した空港と観光地をつなぐ二次交通や空港周辺地域の催事情報の発信等によりまして、利用者が楽しめる空港づくりを行っていきたいと考えております。  さらに、水際対策の緩和の動きを踏まえて、これまで中断しておりました入国審査用施設の整備に向けた手続を再開してまいります。引き続き、観光やビジネスなどの交流や地域のにぎわいの重要な拠点として、本県の空の玄関口である松本空港の充実強化を図ってまいります。  続きまして、成田空港と信州まつもと空港を結ぶ路線の実現可能性というお話でございます。  御指摘がありましたフィール・エア・ホールディングスによります成田――松本間の運航につきましては、これまで同社から路線開設の相談は受けておりません。松本便を含めて、現在路線がないルートをリストアップしている段階であるというふうに同社から伺っているところであります。今後、路線開設に向けて収益性等の検討を進められる予定というふうに伺っております。今後とも、同社とは随時意見交換を行い、情報収集を図っていきたいと考えております。  続きまして、交通政策局についての御質問でございます。  まず、体制でありますが、交通政策は総合的に推進していかなければいけませんので、局長のリーダーシップの下、各部局と連携して機動的な対応ができるように交通政策局を設置し、体制を整えていきたいというふうに思っております。  具体的な規模、体制については現在検討中でございますけれども、県民の皆様方の暮らしの足を支える地域交通の確保、それから、松本空港の発展・国際化等非常に重要な課題、そして、これから県としてしっかり力を入れていかなければならない課題がたくさんございますので、体制についてはしっかりしたものにしていきたいと考えております。  推進していく政策についてでございますけれども、日常生活を支える交通手段をどう確保していくかということに加えて、全国各地や海外へと広がる交通ネットワークの充実を図っていきたいと考えております。特に、地域公共交通については、これまで以上に県として主体的に関わりながら官民連携で取組を進めてまいりたいというふうに考えております。  続きまして、価格高騰緊急対策における補正予算編成に当たっての思い、意気込みという御質問であります。  現下の状況を踏まえれば、暮らしや産業に大きな影響を与えている価格高騰への対策は、県としては当面の最重要課題だというふうに考えております。そういう観点で、価格高騰対策第一弾に引き続いて、今県議会におきましても、第二弾の策定、そして関連する予算案を提案させていただいたところでございます。こうした取組は、当面の危機を乗り越えるということだけではなくて、省エネやデジタル化、こうした未来への取組にもつながるような視点も持ちながら進めていきたいというふうに考えております。  また、今回の予算案を御議決いただくことができれば、速やかに事業着手して、できるだけ早く効果が上がるように、県の皆様方、事業者の皆様方に支援ができるように取り組んでいきたいというふうに考えております。今後とも、社会経済動向をしっかり把握させていただきながら、地域のきめ細かな対応をいただいております市町村の皆さんとも十分連携協力して必要な対策を行っていきたいと考えております。  それから、森林の関係であります。  多面的な機能を十分発揮する森林へと導くビジョンをどのように描いているのかという御質問であります。  森林資源は、水源の涵養、生物多様性の保全、またカーボンニュートラル実現、様々な観点で極めて重要な役割を担っているというふうに考えております。  現在、森林づくり指針を新しく検討しているところでありますけれども、公益的機能が高度に発揮される県民の暮らしを守る森林、また、森林資源の循環利用が行われる持続的な木材供給が可能な森林、さらには、人の暮らしに身近な里山など県民が恩恵を享受できる森林、こうした方向性について議論をしているところでございます。  こうした森林づくりに向けては、災害防止対策や間伐などの森林整備、計画的な再造林や林業就業者の確保育成、森林の多面的活用などの取組を進めていくことが重要でございます。今後、みんなで支える森林づくり県民会議における御議論も踏まえて具体的な施策を検討し、将来に向けたビジョンとして取りまとめてまいります。  続きまして、森林づくり県民税でございます。  森林環境税、森林づくり県民税、そしてこれまでの税財源の国庫補助事業を県民の皆様方にどう理解を求めていくのかという御質問でございます。  県民の皆様方には、御指摘いただいているように、今回、国税としての森林環境税の負担に加えまして、県として森林づくり県民税の継続をお願いするという形になりますので、それぞれの税の目的や使途等につきまして丁寧に説明していくことが必要だというふうに考えております。そのため、県内4会場で県民の皆様方への説明会を開催していきたいと考えております。  あわせて、税を活用した事業の効果ということも納税いただく皆様方には実感いただけるようにしていくということが重要だと思います。そういう観点では、県民の皆様方に広く親しんでいただける里山を県内各地に設置、整備していきたいと思いますし、また、多面的利活用のための森林サービス産業を支援していきたいと思っております。また、木に触れ合っていただけるよう木材利用が進むような取組、こうしたことを通じて、納税いただく県民の皆様方に御自分が納税したものがどういう形で使われているか身近に感じていただくことができるようなことにもしっかり工夫をしていきたいと考えております。  続きまして、県民対話集会についてでございます。課題をどう吸い上げ、どう県政に反映させるのかという御質問でございます。  今回、市町村長の皆様方、それから県民の皆様方との対話を行っていきたいと思います。市町村長の皆様方とは、これまでも地域戦略会議等で意見交換してきておりますが、地域戦略会議だとどうしても時間が限られております。また、どうしても広域的な課題に引きずられがちでありますので、今回、私としては、各市町村の個別の課題をできるだけ市町村長の本音ベースのお話としてお伺いしたいというふうに考えております。  また、県民の皆様方との対話につきましては、地域ごとにテーマをお決めいただいて対応していく予定でありますが、私のほうからも、例えば結婚・子育て支援、女性や若者から選ばれる県づくり、こうしたことを少し投げかけさせていただき、御意見も伺っていきたいというふうに思っております。  対話集会の在り方としては、私が県民の皆様方と対話をするときにはずっと同じことを申し上げているのですが、あちら側、こちら側はやめましょうということをこれまでも申し上げております。私は要望を聞く人、皆さんは要望をする人ということだと、一方通行の話になってしまい、予算があれば幾らでもできますけれども、聞きおきますねという話が結果的には多くなってしまいますので、むしろ私のほうから逆に問題提起をさせていただく中で、一緒に取り組めることはないかとか、県民の皆様方と共に目指す方向性は何か、そうしたことを見いだす場にしていきたいというふうに思っております。  もとより様々な御意見や御要望も出てくると思いますので、そうした中で、緊急性があったり、重要度が高いものについてはしっかり県の政策に反映していきたいと考えております。  それから、副知事についてでございます。  現在、関副知事お一人で頑張っていただいているわけでありまして、諏訪議員からもお話があったように、関副知事は非常に実務能力が高くていろんな方の信頼も厚いのでついついお任せしてしまっているという現状があります。少し負担をかけ過ぎているかなというふうにも思います。  私としては、県政の課題は非常に広範でありますので、2人目の副知事を置くということについては常に視野に入れているところでございます。選任する場合には、性別にとらわれることなく、適材適所で考えていきたいと考えております。  そして、最後に、新しい資本主義と新5か年計画の策定についてという御質問であります。  新しい資本主義は、6月に公表された新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画を見ますと、基本的な思想として、「市場も国家も」、「官も民も」によって課題を解決すること、また、課題解決を通じて、新たな市場を創る、すなわち社会的課題解決と経済成長の二兎を実現すること、また、国民の暮らしを改善し、課題解決を通じて一人一人の国民の持続的な幸福を実現することというふうに言われています。  少し抽象度が高い部分でありますけれども、「市場も国家も」、「官も民も」というのは、これまでの新自由主義的な考え方、市場原理だけに委ねるのではなく、やはり政府部門もしっかり対応していこうという方向性が示されているものというふうに受け止めておりますので、私としては、我々長野県が目指している方向性とそうした観点では同じ方向ではないかというふうに考えております。  次期総合5か年計画の策定に当たりましては、効率一辺倒の社会ではなく、やはり安心して暮らせる社会、例えば社会的共通資本の維持発展をしっかり支えていくというような観点も考えていきたいというふうに思いますし、また、グランドデザインに示されている社会的課題の解決と経済成長、これは、例えばソーシャルビジネス的なものも、県としても企業的な観点や、先ほども御質問をいただきましたが、NPOの皆様方の取組、こうした分野の皆様方としっかりとした共創関係をつくることによって社会課題の解決と経済発展を目指していきたいというふうに思っております。  今、新しい総合5か年計画を検討中でありますけれども、これまでの取組の観点、どこをそのまま存続させ、どういう部分をしっかり転換させていくか、そうしたことをしっかり念頭に置きながら、県民の皆様方の御理解を得られるように計画策定を行っていきたいというふうに思います。また、当面の危機克服だけではなく、信州の明るい未来の指針となるような計画になるように努めていきたいと考えております。  私に対する御質問は以上でございます。       〔教育長内堀繁利君登壇〕 ◎教育長(内堀繁利 君)ウエルビーイングを踏まえた子供が自立に向けて学び、育つ姿についての御質問でございます。  教育は、個人と社会のウエルビーイング、すなわち多様な一人一人の幸福とよりよい社会を実現するためのものであり、今を積み重ねた先にある未来を創造する営みであると考えます。未来とは希望であり、子供たちが持つ可能性への期待であります。  長野県で学ぶ子供たちには、個人と社会のウエルビーイングを実現するためにも、自立に向け、様々な学びや経験を通じて生涯にわたって学び続け、探求し続ける力と当事者意識等を身につけてほしいと考えます。当事者意識とは、自分が自分の人生の主人公であるという意識であり、習得した知識や技術を最大限活用し、自ら考え、他者と協働しながらよりよい社会をつくっていく一員としての意識であります。  次に、大人たちは子供たちにどのようなまなざしや姿勢で向き合うことが大切だと考えるかというお尋ねであります。  私たち大人にとって最も大切なことは、子供たちを生まれながらにして学び成長しようとする存在として捉え、学びの主体としてその中心に据えること、そして、子供たちをどこまでも信頼することであると考えます。年齢に関係なく子供たちを一個の人格として尊重し、一人一人異なる子供たちの今を丸ごと肯定的に受け止め、子供たち自身が伸びようとする方向に向け全力で支援することであります。  これからの時代を生きていく子供たちが、今も、そして将来にわたってもウエルビーイングであるために、共に学び共に創る、共学共創の実践を通して、子供たち一人一人の人権が尊重され、誰一人取り残されることなく大切にされる教育を県民の皆様とともに実現してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔健康福祉部長福田雄一君登壇〕 ◎健康福祉部長(福田雄一 君)私には新型コロナワクチンの接種に関しまして、本県の追加接種の接種率は比較的上位とのことだが、どのような工夫をしてきたのか。また、それを踏まえて、今後新しいワクチンの接種促進にどう取り組んでいくのかという御質問を頂戴しております。  本県では、市町村数が多いという特徴がございますけれども、接種体制の整備やスケジュールなどの基本的方針を県と市町村で共有いたしまして、毎月の接種目標を定め、計画的に接種を進めてまいりました。  その上で、地域振興局を通じまして、市町村ごとの進捗状況や課題を随時把握し、県接種会場への受入れや医療従事者の派遣、高齢者施設への巡回接種など、市町村と一体となって促進に取り組んできたところでございます。  また、県接種会場では、予約なし接種や夜間接種、あるいは翌日休める金、土、日を中心とした日程設定など、接種者の利便性に配慮したほか、大規模商業施設への出張接種やワクチン接種バスによる巡回接種など、広報面でも効果が見込まれる取組を展開いたしまして、若年層などにも接種しやすい環境づくりに取り組んでまいりました。  また、ワクチンの効果や安全性に関しては、イラスト入りの広報チラシを県独自に作成いたしまして広く情報提供を行ったほか、商業施設や大学等での街頭アンケートを基に、若年層向けのポスターやインターネットを通じた情報発信を企画するなど、戦略的な広報を展開してまいりました。  今月からオミクロン株対応ワクチンによる追加接種が県内でも開始されます。これまでの取組から学んだ経験を生かしまして、接種機会の確保と効果的な広報などによりまして一層速やかに接種の促進を図ってまいります。  以上でございます。       〔企画振興部長清水裕之君登壇〕 ◎企画振興部長(清水裕之 君)私には大糸線についてお尋ねいただきました。  大糸線は、地域にとって重要な路線であるとともに、全国的、広域的な鉄道ネットワークの一端も担っております。県としても、平成7年の豪雨災害の復旧に多額の財政負担をして支えてまいりました。今後は、北陸新幹線の延伸により、関西方面との交流拡大による沿線の活性化も期待されると考えております。  これまで、コロナ禍のため、利用促進に向けた取組を十分に行えていないという状況の中、まずは関係者が一体となって利用促進の取組を進めていくことが重要と考えております。本年5月には、期成同盟会内に振興部会が設置されました。この振興部会には、長野、新潟両県に加え、沿線の市町村、商工会、観光協会、JR西日本などが参画しており、県といたしましても、こうした関係者とともに、地域の皆様の通勤通学やコロナ禍から回復しつつある観光客の利用促進に取り組んでまいりたいと考えております。  また、大糸線は県をまたがることから、関係者の合意形成に当たりましては広域的な調整が必要な路線であります。このため、新潟県及び糸魚川市とは日頃から密にコミュニケーションを取っており、観光路線としての魅力向上や地域の生活の足としての利便性向上など様々な課題を共有するとともに、双方が連携して取り組んでいくことを確認しております。  県としましては、地域の思いに寄り添いながら、新潟県沿線自治体など関係者と十分な意思疎通を図りつつ、将来に向けて地域の足を確保していくという観点からより主体的に大糸線に関わってまいりたいと考えております。  以上です。       〔農政部長小林安男君登壇〕 ◎農政部長(小林安男 君)私には2点御質問をいただきました。  初めに、新規就農者の確保育成についてでございます。  本県の農業者の状況は、2020年農林業センサスによりますと、農業経営体が5年間で20.5%減少していることに加え、県内の45歳未満の新規就農者の数は直近5年間の平均が198人と目標の250人に届いていない状況であり、新規就農者の確保育成は農政の最重要課題となっております。  県では、これまで、新規就農を希望する方に対する県内外での就農相談活動や、就農前に基本的な栽培技術を習得する新規就農里親研修の実施、就農後の農業農村支援センターによる営農指導など、就農希望者の習熟度に応じた支援を講じて新規就農者の確保育成を進めてまいりました。  これらの取組に加え、本年度からは、即戦力となる新規就農者を確保する観点から、長野県農業法人協会と連携し、将来独立を希望する農業法人の従業員の就農を支援する新たな施策をスタートさせております。今後もこうした取組を進め、市町村や農業関係団体とも連携しながら、本県農業を担う新規就農者の確保育成を一層推進してまいります。  次に、スマート農業の取組状況と今後の展開についてでございます。  現在、農業農村支援センターにスマート農業相談窓口と推進担当を設置するとともに、農大研修部をはじめ、県内各地で、農業機械メーカーの協力を得ながら、農業者の皆様に最先端のスマート農業機械の操作を体験していただくなど理解の促進に取り組んでいるところです。  また、スマート農業機械の導入に当たっては、地域の実情や経営の実態に応じたものを助言するとともに、県単補助事業や国庫補助事業の活用などにより農業者への実装を支援しております。  今後は、地域の担い手となる大規模経営体への生産基盤の整備などと併せた大型スマート農業機械の導入を支援し、省力化による労力不足の解消と生産性の向上を図ってまいります。  さらに、担い手の不足に対応するため、ドローンを使った農薬散布などスマート農業機械を活用し、小規模な農業者に代わり農作業を請け負う作業受託者の育成を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔環境部長猿田吉秀君登壇〕 ◎環境部長(猿田吉秀 君)太陽光パネルの再資源化に関してお答えいたします。  太陽光発電設備は、2009年の余剰電力買取り制度、2012年の固定価格買取り制度の導入により拡大いたしておりまして、県内でも昨年度までに約1,700メガワットの設備がこれらの制度の認定を受けて導入されております。これを一定の仮定の下で換算いたしますと、パネル枚数では約670万枚、重量で約10万8,000トンとなります。  一般的に、パネルの耐用年数は25年程度と言われていることから、現時点では廃棄に至っているものは比較的少量にとどまっておりますが、2034年以降処理量の増加が見込まれてまいります。  パネルのリサイクル等は全国的に取り組んでいかなければならない課題であることから、議員御指摘のとおり、環境省や経済産業省において様々な検討がなされているところでございます。  ゼロカーボンを目指す長野県といたしましても、こうした国レベルでの取組と並行いたしまして、県内の処理事業者の協力が不可欠と考えております。既に県内においても1事業者がパネルのリサイクルに取り組んでおりますが、今後の需要増に対応できるよう、国の実証事業や技術開発の状況、それに加えて、県内の排出量の見通しを情報提供するなど、まずは県内の処理事業者との連携を強化してまいりたいと考えております。       〔林務部長吉沢正君登壇〕 ◎林務部長(吉沢正 君)森林づくり推進支援金など地域要望の高い事業の見直しの考え方についてお答えします。  今回、次期森林づくり県民税を活用した施策の柱の一つとして、市町村と連携した森林等に関連する課題の解決を位置づけたところですが、これは、第3期森林づくり県民税における市町村への個別の補助事業と森林づくり推進支援金において多くの市町村が実施している取組を再編、整理したものです。
     具体的には、森林等に関連した県民の暮らし向上につながる交通、電気、通信等のライフラインの保全対策、河川沿いの支障木や危険木の伐採、観光地の景観保全のための支障木の伐採や野生鳥獣被害防止のための緩衝帯整備、松くい虫等の病害虫被害対策といった地域において必要度の高い取組や課題解決を重点的に支援するために見直しを行うものです。  以上でございます。       〔40番諏訪光昭君登壇〕 ◆40番(諏訪光昭 君)知事の答弁をお聞きしていて、3期12年をしっかり振り返りながら、また新たな試みも含めて展開していこうという思いが少し伝わってまいりました。スタートしたばかりでございますので、我々県議会としてもしっかり見守り、そして、また応援するところはしっかり応援しながら県民の幸せのために取り組んでいかなければいけない、あるいは行動していかなければいけないということを今日の質問を通して確認させていただきました。  ただ、コロナという難敵が存在しております。感染症によって長野県内で既に344人の方が命を落とされたということで、非常に悲しい現状が続いております。また、8月上旬に発生しました集中豪雨でもお一人の方がお亡くなりになられたということで、心から御冥福をお祈り申し上げ、そして、御家族の皆さんにも慎んでお悔やみを申し上げる次第でございます。  同時に、新型コロナウイルス感染症の治療現場と申しますか、医療や保健の最前線で本当に懸命に努力いただいている関係者の皆様に衷心より感謝と御礼を申し上げる次第でございます。  一昨日から、コロナ感染症の陽性者についての全数届の見直しが全国一斉に始まりました。これは、最近の感染状況を踏まえて、ウィズコロナ、そして、医療資源を重症化リスクの高い人へ集約するための措置であり、コロナとの闘いも常に変化を見せているわけでございます。また、来月からは全国旅行支援も再開されるなど、新たな局面に突入することが予想されます。引き続き、常に先手先手の対応を迅速かつ的確に推進していただき、県民の皆さんの命と暮らし、そして健康を守っていただくよう御期待を申し上げる次第でございます。  集中豪雨が今年もまた発生してしまいました。大きな被害に見舞われた方にお見舞いを申し上げる次第でございます。同時に、これまで先人の皆様、そして、多くの皆様の努力によって基盤が整備されてきました。そのおかげで、土石流を食い止め、生命、財産を守ることができ、様々な対策が非常に効果を発揮しているのだということも確認させていただいているところでございます。どうか自然災害に対する県民の皆様の防災意識の向上、そして防災・減災対策が着実に推進していくことを心から願いながら、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(丸山栄一 君)以上で各党派代表質問は終了いたしました。          ────────────────── ○議長(丸山栄一 君)会議規則第13条第2項の規定により、本日はこれをもって延会いたしたいと思います。  次会は、明29日午前10時に再開して、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑を日程といたします。書面通知は省略いたします。  本日は、これをもって延会いたします。         午後4時56分延会...